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メーテルとの別れを心に刻む『銀河鉄道999』最終回。「二度と会うことはないでしょう」

マグミクス / 2022年3月26日 6時10分

メーテルとの別れを心に刻む『銀河鉄道999』最終回。「二度と会うことはないでしょう」

■「生きるんだ! 生きるんだよ車掌さん!」

 41年前の今日、1981年3月26日は、アニメ『銀河鉄道999』の最終回「青春の幻影 さらば999 後編」が放送された日です。

 機械の体を求める少年・星野鉄郎と謎の美女・メーテルの銀河を巡る果てしない旅は、ついに惑星プロメシュームで終着の時を迎えました。機械の体をタダでくれる目的の場所へようやく到着したふたりでしたが、鉄郎はメーテルとの旅の終わりをただ悲しみ、メーテルの瞳は深い愁いに満たされていたのです。

 機械の体になるかならないか、24時間の猶予を与えられた鉄郎は、機械の体を得た人間たちが生きる意味を見失い、享楽にふけり、あるいは自殺をはかる姿を目の当たりにします。

 一方、メーテルは母親である女王プロメシュームと面会し、驚愕の事実が明らかになります。メーテルは機械帝国繁栄のための尖兵にする少年たちを集めるために旅に出ており、過去に多くの少年が犠牲となっていたのです。

 メーテルは長く良心の呵責に苦しんでおり、もはや旅に出ることはできないと訴えかけましたが、プロメシュームは鉄郎が機械の体にならないのであれば、また旅に出て新たな少年を連れてくるのだと、冷たく言い放つのでした。

 最終的に機械の体になることを拒否した鉄郎は、女王の命令により逮捕されてしまいます。母親への愛と鉄郎への気持ちの間で苦しむメーテルは、連れていかれる鉄郎に背を向け、黙って耐えるしかありませんでした。

 プロメシュームの部下は鉄郎を999に放り込むと、その場を立ち去ります。車掌さんは特別指令を受けてわけもわからないまま999を発車させますが、軌道レールが失われており、999は惑星プロメシュームから放たれる誘導波により、ブラックホールへと引きずり込まれそうになってしまいます。プロメシュームは999もろとも、鉄郎の処刑を決定していたのです。

 鉄郎は弱気になった車掌さんを叱咤し、なんとしようと生き延びようとあがきますが、999の制御コンピュータが焼きついてしまい、さらなる窮地に。しかし最後まで鉄郎の味方をすると決めたメーテルが誘導波を止めてくれたために、なんとか危機を脱出し、鉄郎は自らの手で999を運転して女王プロメシュームとの対決に向かいました。

■「さらば、鉄郎。さらば、メーテル」

松本零士氏が手掛けた「メーテル」の版画。2020年3月にそごう横浜店で開催された「~愛とロマンをのせて~ 松本零士作品販売会」で展示販売された (C) 松本零士

 紆余曲折を経てメーテルと合流した鉄郎は、惑星プロメシュームの動力炉にたどり着きます。強大な破壊力を持つ、メーテルの父親の意志が封じられたペンダントを用いて動力炉を破壊しようと試みたメーテルでしたが、そこにプロメシュームが現れます。

 プロメシュームはメーテルに「愛しい娘」と呼びかけて篭絡しようとしますが、メーテルは自らが纏う黒い衣装が「お母様に殺された大勢の若者たちを弔う喪服」「この喪服を汚すことは出来ない」と強い意志で語り、ペンダントを投げようとします。

 止めに入ったプロメシュームと揉み合いになった末に、メーテルはペンダントを落としてしまいますが、すかさず鉄郎が戦士の銃で弾き飛ばし、ペンダントを動力炉の中に落とすことに成功します。崩壊してゆく惑星プロメシュームとともに女王は死亡し、メーテルと鉄郎は車掌さんが待つ999へと走り出したのです。

 かろうじて脱出に成功した鉄郎、メーテル、車掌さん、そして999は、プロメシュームのひとつ手前の駅、「惑星こうもり」にたどり着きます。鉄郎は父さんや母さんが眠る地球を、自分の手で素晴らしい大地にして見せると、明るく未来の展望を語りました。

 立派に成長した鉄郎の姿を見たメーテルの目から、涙がこぼれます。「用を済ませてくるから先に乗っていて」と鉄郎を促したメーテルは、立ち去り際に鉄郎へとキスをします。

 それは別れのあいさつでした。

 メーテルからの置手紙と鉄郎を乗せて、列車は走り出します。そして向かい側のホームの列車には、メーテルの姿が。長く苦しく、時に楽しく、決して忘れ得ないふたりの旅が終わり、それぞれの新たな旅が始まる日が来たのです。メーテルは涙ながらに、鉄郎は呆然ととながらも、最後は元気な笑顔で手を振りながら別れを告げました。

 ひとりになった鉄郎は、星々のなかにメーテルの姿を見い出します。

 さようなら、メーテル。あなたは幻なんかじゃない。
 多くの少年たちの心の中に、今も宿る青春のひとつなのです。

 

(早川清一朗)

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