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「赤い地球」を救った、『宇宙戦艦ヤマト(第一作)』最終回 しぶといデスラーを退け…

マグミクス / 2022年3月30日 6時10分

「赤い地球」を救った、『宇宙戦艦ヤマト(第一作)』最終回 しぶといデスラーを退け…

■「死んだと思っていたかね? ガミラスは死なんよ」

 47年前の1975年3月30日は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト(第一作)』の最終回「地球よ!!ヤマトは帰ってきた!!」が放送された日です。デスラーとの死闘を制したヤマトと乗組員たちは、満身創痍となりながらも、ついにイスカンダルにたどり着き、女王スターシャから放射能除去装置・コスモクリーナーDの部品を受けとります。

 スターシャ、そして古代進の兄である守に見送られ、イスカンダルを旅立ち一路地球を目指すヤマトでしたが、沖田艦長の宇宙放射線病は悪化の一途をたどっており、その命は間もなく尽きようとしていたのです。

 帰路を急ぐヤマトでしたが、思わぬ敵が立ちはだかります。死んだはずのデスラー総統が、デスラー艦とともにまだ生きていたのです。背後から密かに現れたデスラー艦から、ワープ体勢に入ったヤマトを狙いデスラー砲が放たれますが、一瞬早くヤマトはワープし回避に成功します。

 デスラーはヤマトの後を追って無茶なワープを敢行しますが、デスラー艦が偶然ヤマトの右舷に食い込む形で両艦がワープアウト。デスラーは兵を率いてヤマトに乗り込み、白兵戦が繰り広げられることとなりました。

 デスラーが放った放射能ガスを吸い、ヤマトの乗組員たちは次々と倒れ伏していきます。古代はデスラーと対面しますがガスに追われ、その場を撤退。地球を目前にしてヤマトは最大の危機に直面してしまうのです。

 一方そのころ、放射能ガスが充満しつつあることを知った森雪は医務室を飛びだし、組み立てたばかりのコスモクリーナーのもとへ向かいました。真田さんの制止を振り切りコスモクリーナーを起動した森雪は放射能の除去に成功しますが、空気から放射能を除去する過程で酸素が失われ酸欠状態となり、昏倒してしまいます。

 放射能ガスが消えたことに気付いたデスラーは形勢不利を悟って即座に撤収したため、ヤマトの当面の危機は去りました。雪というかけがえのない犠牲と引き換えに。

■「地球か……何もかもみな懐かしい……」

遊星爆弾の攻撃で赤くなった地球から旅立つ「ヤマト」が描かれる、「宇宙戦艦ヤマト 1」DVD

 古代は雪を失った悲しみを、病床の沖田に吐露します。地球でひとり生きていかなければいかないのかと絶望する古代に、沖田は「地球にはヤマトを待っている人がたくさんいるじゃないか」と語り、決して独りぼっちではないと諭します。死を迎える覚悟を決めた沖田の言葉を、古代はしっかりと胸に刻みつけ、両者は最後にがっちりと握手を交わしました。これが最後の会話になることを、ふたりとも悟っていたのです。

 そうして、ヤマトはついに地球を望む距離へとたどり着きました。遊星爆弾に破壊され、赤い星となった地球でしたが、ヤマトの乗組員たちにとってはかけがえのない故郷です。古代は安置された雪の身体を抱きかかえると、地球が見える場所へと運び入れ、皆と喜びと悲しみを分かち合うこととなりました。

 しかしここで、再び現れたデスラーがヤマトを撃沈しようとデスラー砲を放ちます。回避は不可能な状況ではありましたが、真田さんが何かを起動しヤマトは白く発光、デスラー砲を跳ね返し、デスラーは艦もろとも炎の中に姿を消しました。真田さんはこんなこともあろうかと、冥王星で見たガミラスの反射衛星砲にヒントを得て、密かに空間磁力メッキを開発していたのです。

 最後の危機を乗り越えた乗り越えたヤマトでしたが、ついに沖田館長の命が尽きるときがやってきました。家族写真を手にした沖田は、地球を眺めながら涙を流し、「地球か……何もかもみな懐かしい……」と呟きながら、こと切れました。

 沖田十三52歳。その身を地球に捧げ、すべての命を使いつくした男の最期でした。

 偉大なる艦長を失ったヤマトでしたが、喜びも待っていました。死んだと思われていた雪が、実は生きていたのです。片道14万8千光年、往復29万6千光年の旅路を終え、生き残ったわずかな乗組員たちの顔に喜びがあふれます。

 西暦2200年9月6日、ヤマト生還。
 地球は救われ、再び青い姿を取り戻しました。

 まるで何事もなかったかのように。

(早川清一朗)

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