2012年4月放送開始アニメ3選 ちょうど今期で10周年!
マグミクス / 2022年4月15日 15時10分
![2012年4月放送開始アニメ3選 ちょうど今期で10周年!](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_86864_0-small.jpg)
■「もっと先へ——『加速』したくはないか、少年」
2022年4月より、春アニメが続々とスタートしています。ちょうど今から10年前の2012年4月にも、数多くのTVアニメが放送されファンを楽しませてくれました。2012年春アニメのなかから、特に人気と評価が高かった3作品を紹介します。
●『アクセル・ワールド』
「ソードアート・オンライン」シリーズを手掛ける川原礫先生のもうひとつの代表作が、『アクセル・ワールド』です。原作は当初、小説投稿サイト「Arcadia」に『超絶加速バーストリンカー』というタイトルで連載されており、その後に電撃小説大賞で大賞を受賞し、書籍化され爆発的な人気を獲得しました。
『アクセル・ワールド』の舞台となるのは西暦2046年。ニューロリンカーと呼ばれるウェアラブルコンピュータにより生活の大半が仮想ネットワーク上で成り立つ世界でありながら、弱者に対する扱いは現代とさほど変わらない時代、主人公のハルユキはいじめられっ子として不遇な毎日を送っていました。ある日、美しき上級生「黒雪姫」から声をかけられたハルユキの日常は、その瞬間から新たな世界へと加速していくのでした。
2012年のアニメ化では原作の1巻から4巻のストーリーが中心となりましたが、10巻に掲載された短編「遠き日の水音」と「最果ての潮騒」も話の途中に織り込まれています。2016年には劇場化もされましたが、2022年3月の時点で原作は26巻まで発売されており、膨大な量の未アニメ化部分が存在するためTVアニメ2期を求めるファンの声がいまだ絶えない作品です。
●『這いよれ! ニャル子さん』
『這いよれ! ニャル子さん』 (C)逢空万太・ソフトバンク クリエイティブ/名状しがたい製作委員会のようなもの
逢空万太先生がGA文庫で発表した「クトゥルー神話」×「美少女」ライトノベルである『這いよれ! ニャル子さん』もちょうど10年前にTVアニメ化されました。本作は2009年にFLASHアニメによるOVA、2010年には5分のミニアニメが放送されており、2012年に待望のTVアニメ化となりました。
謎の怪物に襲われた主人公の高校生である八坂真尋は、突然現れた美少女に危ういところを救われます。怪しげな格闘術を使うその少女は自身を「クトゥルー神話」に登場するニャルラトテップそのものだと語り、他の宇宙人に狙われている真尋を護衛するためにやってきたと告げるのでした。
宇宙的恐怖をもたらすはずのクトゥルー神話に登場する神々や古きものたちが、美少女となり地球人の少年を求めて相争うラブコメストーリーこと「ラブクラフトコメディ」は大きな人気を獲得しましたが、何より特筆すべきは、そのハイテンションなオープニングテーマ「太陽曰く燃えよカオス」のパワーの強さでしょう。
畑亜貴さんの手による詞は冒頭から「うー!にゃー!」などとぶっ飛んだものであり、この歌詞を聞いた視聴者たちの中から発生した顔文字「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」は当時のネットを席巻するほどのミームとして大きな盛り上がりを見せました。ヒロインのひとりであるクー子役の声優で、歌唱も担当した松来未祐さんが2015年に難病「慢性活動性EBウイルス感染症」で亡くなったのが残念でなりません。
■「もし諦め切れるんなら、そんなもん夢じゃねえ」
●『宇宙兄弟』
『宇宙兄弟』 (C)小山宙哉・講談社/読売テレビ・A-1 Pictures
小山宙哉先生が「モーニング」で2022年4月現在も連載中の、南波六太とその弟の日々人が共に宇宙を目指す物語をアニメ化。1クール、2クール作品が多い近年では珍しく長期のアニメ化が行われ、全99話が製作されました。
少年時代、謎のUFOを目撃した六太と日々人は「一緒に宇宙飛行士になろう」と誓います。しかし時は流れ、日々人は夢を叶えたものの、六太は会社を首になり再就職も上手く行かず、鬱屈した日々を送っていました。そんなある日、六太の元にJAXAから新規宇宙飛行士選抜試験の書類選考合格通知書が送られてきます。それは六太のことを心配した日々人の指示で母親がこっそり応募していたものでした。
かつてともに夢を誓い合った弟を追い、六太は再び宇宙飛行士への夢を歩み出します。それは長く、苦しいものでしたが、同時に多くの喜びと出会いを得、そして自らの才能を目覚めさせる最高の舞台へ続く道のりでもあったのです。
挫折した大人の六太、夢を叶えさらにその先へと進もうとする日々人、直面する問題こそ違うものの、どのような困難にあってもあきらめずに前へ進もうとするふたりの姿は、多くの人の心に元気と力を与えてくれました。彼らの活躍が始まった西暦2025年まで、あとわずか3年しかありません。果たして人類は『宇宙兄弟』が目指した世界へと歩み直すことができるのでしょうか。
(早川清一朗)
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