ピッコロと神様がサイヤ人編で「融合」していたら？ ベジータに勝てたのか考察

■ピッコロは地球を守る使命感を持っている

『ドラゴンボール』と言えば、戦闘力。主人公の孫悟空たちが、さまざまな修行方法で圧倒的に戦闘力を高め、強敵に打ち勝つのが、物語のカタルシスにもなっています。

　この「戦闘力」とは「サイヤ人編」で登場した概念で、スカウターという計測器で相手の戦闘能力が測れるというものです。「サイヤ人編」に続く「フリーザ編」にもスカウターは登場し、それ以降では登場しませんが「○○の戦闘力はいくつくらいか」は、ネット上でもよく議論されています。

　今回は、神様と同化すればパワーアップできるピッコロが、「サイヤ人編」のベジータ戦でそれを行っていたら、どうなったのか検証します。

「サイヤ人編」での神様とピッコロは「相容れぬ関係」ですが「1年後にサイヤ人に殺されて死ぬ」ことを察知していますから「地球を救うために、同化」という選択肢もあったのではないかと考えられます。

　ピッコロはこの時点で悪人とされていますが、ライバルである孫悟空の息子・悟飯を「地球を救うため」に鍛えています。最大の敵を産みかねない選択肢ですが、ピッコロはそれだけ地球を守りたい気持ちがあったのです。神様が監視していれば「悟飯に対する態度を見ても、昔のピッコロではない。サイヤ人よりまし」と判断する余地はあったと思われます。

■同化でピッコロはどの程度パワーアップするのか？

　では、「サイヤ人編」でピッコロが神様と同化したら、どの程度の戦闘力になったでしょうか。「フリーザ編」でピッコロは戦闘力4万2千のネイルと融合し、大幅にパワーアップしています。ネイルと同化前のピッコロの戦闘力は不明ですが、ネイルに「信じられんほどのパワーを持っている」と評価されており、4万2千以上はあったのでしょう。

　同化後のピッコロは、戦闘力100万以上のフリーザ第二形態と互角に戦っています。4万2千から100万以上には24倍はパワーアップする必要がありますが、ネイルはピッコロと同化前に「同化で戦闘力は数倍」と言っていますから、24倍は多すぎです。同時に「（神様と）ひとりになっていればフリーザに勝てた」とも言っています。

　ネイルが戦ったフリーザは戦闘力53万の第一形態ですから、この時点のピッコロの戦闘力は7万程度。同化で8倍されて、56万というのが、ネイルの見積もりと想像します。

　界王星で5～6日しか修行していないのに、20倍の戦闘力になりますが、天津飯たちとの組手で効果的に修行したのか、もしくは界王が悟空の修行後に「精神と時の部屋」のような効果的な修行場を作ったのかもしれません。そして実際には、界王星で界王拳のような戦闘力のコントロール技術を磨いたことで「100万以上」に達したのだと思われます。

　ということで、同化は戦闘力8倍と仮定します。ナッパ・ベジータ戦でのピッコロの戦闘力は公式によると3500です。劇中でスカウターに計測されたピッコロの戦闘力は1220ですから、ここから戦闘時に約2.9倍の3500まで高められるのでしょう。

　なので同化した場合、1220×8＝9760がピッコロ＋神様の基本戦闘力。その2.9倍が最大戦闘力なので、戦闘力2万8千304まで上げられるということになります。これは、3倍界王拳を使った悟空の2万4千を上回る戦闘力です。

　この戦闘力であれば、ナッパは瞬殺、戦闘力1万8千のベジータも圧倒できたでしょう。ただベジータは大猿になれます。ベジータは大猿化を「10倍の戦闘力」と言っていますが、パワーボールを出すと気が大きく減るというセリフもあり、弱った後の10倍で18万ではないと思われます。

　フリーザの「（戦闘力12万の）ギニューより強い奴がいるとは思わなかった」と言うセリフがあるので、大猿ベジータは12万以下。悟空が「界王拳を5倍（戦闘力4万）にしても通用しない」と言っているので、4万以上は確定です。

　ギニューが「フリーザ編」で、悟空の戦闘力が6万以上と発言した際に、驚いたジースに「突然変異で生まれた超天才戦士だろう」と言っているので、6万がサイヤ人の限界で、それが大猿ベジータの戦闘力なのでしょう（大猿ベジータがそれ以上に強いなら、ギニュー特戦隊は「奴は大猿になったら危険だ」と警戒したはずです）。

　同化ピッコロの最大戦闘力2万8千では、6万の大猿ベジータは倒せません。ピッコロには、悟空の元気玉のように自分の外から気を集める技もありませんので「同化してもベジータを倒し切れず、悟飯を庇って戦死と変わらない」かもしれません。

（安藤昌季）