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『トルネコの大冒険』欲望に負けがちな4シーン「心的ダメージ強すぎ」「思考力を失う」

マグミクス / 2022年4月20日 20時20分

『トルネコの大冒険』欲望に負けがちな4シーン「心的ダメージ強すぎ」「思考力を失う」

■ひとつも逃したくないアイテム欲

「1000回遊べる」がキャッチフレーズのRPG『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』(以下、トルネコ)は、何度プレイしてもなお、再びチャレンジしたくなるゲームです。1000回どころか一生遊べるといっても過言ではないかもしれません。第1作が発売されたのは30年近く前の1993年(第2作は1999年、第3作は2002年)ながら、いまだに遊び続けている人も多い沼ゲームです。いちど遊んだらもうとりこ。いったいなぜプレイヤーたちは『トルネコ』沼に落ちてしまうのでしょう?

 実は『トルネコ』世界の冒険はアイテムによって左右される部分が大きいため、プレイヤーたちの欲望が刺激されまくるのです。そして、自分の欲に負けて力尽きた挫折感は、実に絶妙。あの時ムリして拾いにいかなければ、ほどほどで止めなかった自分を罵倒したい……そんなモヤモヤを解消すべく、プレイヤーたちは再びダンジョンに向かってしまうのです。

 今回は『トルネコ』ワールドで欲望に負けがちなシチュエーションをご紹介します。(作品によって設定の違いがあるため『トルネコ3』を基本にしています)

●アイテムをひとつも逃したくない!

『トルネコ』の基本は、入るたびに地形の変わるダンジョンでモンスターと戦いながら、アイテムを集めていくことです。少しでも攻撃力の高い武器、強固な盾、特殊効果が頼りになる草や指輪や巻物などなどを手に入れることで、トルネコは徐々に戦いの力を蓄え、より強いモンスターが待つダンジョンの深層まで潜っていけるようになるのです。

 けれども持てるアイテム数の上限は20個。食糧や武器を拾っていればすぐに満杯になってしまいます。アイテムを見つけたのにもう持てないとは、悔しいにもほどがある……のですが、そこにさん然と登場する(落ちている)のが「保存の壺」。壺にアイテムを収納すれば持てる総数が格段に増えるのです! という、よく考えれば普通のことがなんとうれしかったことか。

 さらに保存の壺以外にも、次々と魅力的な壺が登場してきます。武器などのアイテム同士をかけ合わせて強さや特殊能力を合体させる「合成の壺」、入れたアイテムを別物に変える「へんげの壺」、アイテムを倉庫に送れる「倉庫の壺」などなど、とにかく壺さえあればまだまだ拾えると、アイテム欲を満たしてくれるのです。

 ただし、出し入れ自由なのは保存の壺だけで、それ以外の壺からアイテムを取り出すには壁にたたきつけるなどして割らなければなりません。なので、うっかり危機回避アイテムを保存の壺以外に入れてしまったら、いざという時に使えず、そのまま撃沈することも。また、合成に合成を重ねた最強武器を取り出すために壺を割り、床に落ちたその武器を拾おうとした瞬間に落とし穴に落ちる……など心折れる事態もまれではありません。その後は心的ダメージが強すぎて冒険失敗へ一直線。のちのちまで「あの武器があれば……」と未練をひきずることになります。

■アイテム節約欲望はもはや主婦感覚!?

●せっかくのアイテムをムダにしたくない!

『トルネコ』のダンジョン内で手に入るアイテムは、ほとんどがランダムに出現します。何階下っても壺がまったく出てこない時もあれば、歩けど歩けどパンが見つからない時もあり。どんなアイテムでも次には出会えないかもしれないと思えば、雑に使う気にはなれないでしょう。

 たとえば大きいパンは満腹度を100回復してくれるのですが、満腹度20の時に食べればその20の分はムダになってしまいます。最高のパフォーマンスを引き出すには満腹度が0になってからの方がいいのです。これはもはや節約上手な主婦感覚?

 けれどもそんなふうに食べ惜しんでいると、泥のワナにかかってパンが腐ってしまうことも。こんなことならあの時食べればよかった……と、効果に欲をかいた自分を呪うやら恥じるやら。くさったパンは満腹度がピンチなら(満腹度が0を切るとHPが減っていってしまう)食べられないこともないのですが、ちからが下がるなどのマイナス効果も伴います。

 他にも一定ターンの間行動速度を上げる「すばやさのたね」やワナなどが見えるようになる「めぐすり草」などの便利アイテムは、今よりもっと使うのにふさわしい時があるのでは? と使い惜しんで、結局ため込むだけという事態も生まれます。これではもはや何のためにアイテムを拾っているのかも分からない、単なるアイテムコレクターです。

●ギリまで戦わなければもったいない!

『トルネコ』の世界では、同じフロアには一定ターン以上いることはできません。逆にいえば規定ターンまではいられるので、調子がよい時などはギリギリまで経験値稼ぎができるというワケです。

 規定ターンが近づいてきたことは4段階の風が吹いて知らせてくれます。一度目は微風、二度目は少し強くなり……四度目は強風で吹き飛ばされて冒険失敗となるので、その直前までは粘れるのです。

 その時大切なのは、ヤバイと思ったらすぐに別フロアに逃げられるよう、階段に近いところで戦うこと。が。そんな時にかぎって最後の最後にモンスターの特技で遠い部屋に吹き飛ばされたりして……たとえ隣の部屋だったとしても階段までの道のりは果てしなく遠く思えるでしょう。ギリのギリまで粘るべきではなかったと、欲に負けた自分を恨んでももう遅いのです。

●欲望に我を忘れる「はぐれメタル」

『トルネコ』界にはちらりと目の端に入っただけでも、プレイヤーが欲望に我を忘れてしまうモンスターがいます。なかなか出会えないお宝モンスター・はぐれメタルです。1体の経験値が200と高い上、倒すと高確率で、飲めば1レベルアップする「しあわせのたね」を落としてくれるのです。トルネコが成長すればするほど、レベルアップには膨大な経験値が必要になりますが、「しあわせのたね」はその時間と労力をすっ飛ばしてくれるのですから、目の色も変わろうというものです。

 はぐれメタルと出会えた千載一遇のチャンスを2倍にも3倍にもするため、プレイヤー必携のアイテムは分裂の杖。はぐれメタルに向かって振れば、1体のはぐれメタルが2体に、3体にと増殖していくのです。杖の限界まで増やしたら、あとは狩るのみ。防衛力は高いものの、地道に倒せば「しあわせのたね」の山が待っていると思えば、もうアドレナリンはMAXです。そして……一歩踏み出したとたんに落とし穴!? 限界まで増やしたはぐれメタルたちを残して階下へと落ちていくショックは、その後しばらくすべての思考力を失うほどです。

 攻撃に転ずる前に「めぐすり草」を飲んですべてのワナを見えるようにしておくのは基本中の基本なのですが、それを忘れてしまうほど、はぐれメタルは欲望を沸騰させるモンスターなのです。

 自らの欲で力尽き、挫折感を味わい、でもだからこそ何度でも挑戦したくなるゲーム『トルネコ』ですが、考えてみればそもそもトルネコは商人です。世界一の商人になるために珍しいアイテムを求めてダンジョンに挑んでいる、いわば欲の塊のような人間なわけですから、プレイヤーが欲を出すのも当然。『トルネコ』プレイヤーとしての最も正しい姿なのかもしれません。

(古屋啓子)

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