『ドラクエ』が長寿シリーズになれた理由とは? ヒット作を分析し取り込む37年の歩み
マグミクス / 2022年4月21日 18時10分
■ナンバリング作品だけでなく、『トルネコ』など関連作品も…
1986年5月にファミコンで発売されて以来、ずっと親しまれ続けている国民的RPG『ドラゴンクエスト』。数多くの関連作品も含めたヒットの秘訣は、その時々における人気作品を分析し、それを『ドラクエ』風に翻案することにありました。その一端を振り返ってみましょう。
まずは記念すべきファミコンの第1作目から。ファンには有名な話かもしれませんが、初代『ドラゴンクエスト』の骨子は海外のRPG『ウルティマ』のフィールドと『ウィザードリィ』の戦闘を巧みに組み合わせたことで生まれています。もちろんそれだけではなく、堀井雄二さんによる人間味のあるキャラクターたちのセリフや、故・すぎやまこういちさんによる音楽の素晴らしさもそれを大きく支えたのは言うまでもありません。
時代は下り1993年。スーパーファミコンで『ドラクエIV』の人気キャラのひとりである武器屋トルネコを主人公とした『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が発売されました。入るたびに構造がガラリと変わるダンジョンに、そのなかで拾える限りあるリソース(アイテムや装備)をフル活用して挑む…その「1000回遊べる」RPGのモデルとなったのは、1980年に制作された同じく海外製のゲーム『ローグ』。そのシステムは今日も色あせることなく、「ローグライク(ゲーム)」というひとつのジャンルになっています。
1998年にはゲームボーイで、『ドラクエVI』に登場したテリーの幼少期の冒険を描く育成RPG『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』がリリース。モンスターの育成は『ドラクエV』でも行えましたが、本作の2年と半年前には同じくゲームボーイで任天堂から『ポケットモンスター』が発売されており、『ポケモン』のフォロワーと考えることができそうです。
鳥山明さんのデザインによる『ドラクエ』の愛嬌あるモンスターたちを育てられる点や、1対1のバトルではなくモンスター3体でパーティーを組めるなど、独自性も多く見られました。
■『イングレス』や『マイクラ』など、ヒット作を徹底研究!
『ヒーローズ』2作品のセットタイトル『ドラゴンクエストヒーローズ I・II』 (C) 2015, 2016, 2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/KOEI TECMO GAMES/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C) SUGIYAMA KOBO
2015年には、3Dアクションゲーム『ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城』が発売されました。「三國志」をモチーフにした人気アクションシリーズ『三國無双』シリーズで知られるコーエーテクモゲームスが開発するタイトルで、これは優れた先行作品のよいところを取り入れるというよりは、それを生み出した張本人(メーカー)とのコラボタイトル、というのが近そうです。主人公やストーリーは完全オリジナルながら、アリーナやビアンカ、テリーにヤンガスなどシリーズの人気キャラがプレイアブルキャラとして多数登場しました。
翌2016年に発売されたのは『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』。ビルダーと呼ばれる創造の力を持つ主人公が荒廃しきった世界で街を復興させ、人びとを導いていくゲームで、フィールドで自由にビルド(建築)を行える点は『マインクラフト』を彷彿とさせます。ただ、『ビルダーズ』には初代『ドラクエ』をモチーフにしっかりとした目標やストーリーが用意されているなど、さまざまな独自色が織り込まれています。
そして2019年にスマートフォン専用タイトルとしてリリースされたのが『ドラゴンクエストウォーク』。アメリカのナイアンティック社開発による2012年の『イングレス』や2016年の『ポケモン GO』など、スマホ備え付けのGPS機能を活用した「位置情報ゲーム」と呼ばれるジャンルです。
特定の容姿や設定を持つ主人公がおらず、メイキングしたキャラによる最大4人でのパーティー編成、転職をまじえながらの育成など、ニンテンドーDSの大ヒットタイトル『ドラクエIX』を彷彿とさせるシステムで、外出時や通勤・通学時にコツコツと育成を楽しめます。
既存のヒット作のよいところを取り入れ、そこに独自色を加えることでさまざまなヒット作を生み出してきた『ドラクエ』シリーズ。ナンバリング最新作の『XII』はもちろん、新たな関連作品の登場も楽しみですね。
(蚩尤)
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