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ファミコン本体はないけどソフトは持っていた…昭和少年の懐かしゲーム事情

マグミクス / 2022年4月22日 17時10分

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■「持っていない」子供たちが見出したファミコンチャンス

 1983年7月に発売された「ファミリーコンピュータ」は当初から注目を集め、1985年にリリースされた『スーパーマリオブラザーズ』の大ヒットが決定打となり、他の追従を許さぬ大躍進を遂げました。

 ですが、どれだけ大人気であっても、当時全ての家庭にファミコンがやって来たわけではありません。まだコンピュータゲームそのものの認知度や理解度が低く、購入を許可しない親も少なからずいました。また自力で買うにも、小・中学生だとなかなか手の届かない値段です。

 ゲーム機本体がなければ、当然ゲームソフトは遊べません。しかし、「持ってないからしょうがない」と諦めるには、ファミコンはあまりにも魅力的でした。そこで当時のゲーム少年たちは、次第に「本体を持ってなくてもファミコンソフトを遊ぶ方法」を見出していきます。

 ファミコンに惹かれた当時の少年たちは、どのようにして「本体未所持」という過酷な環境を乗り越えていったのか。当時の少年たちが歩んだ、ゲームライフ・サバイバルの一端に迫ります。

●ファミコンソフトを持ち、友達の家を渡り歩く「放浪プレイ」でクリアを目指す!

 自分の家にないのなら、友達の家で遊べばいい。これは、最も確実なゲームサバイバル術といえます。この手段は現代でも通じますが、今と当時で大きく違う点は、セーブデータの取り扱いにあります。

 現在のゲームのセーブデータは、本体内に記録するか、オンライン経由でサーバーに置かれるかが主流です。ですが当時のファミコンソフトは、文字入力によるパスワード(「ふっかつのじゅもん」など)か、ゲームカセット内の保存(バッテリーバックアップ)という形でした。

 パスワードないしゲームソフトを持参すれば、友達のファミコンでも「自分のプレイデータ」で遊ぶことが可能……このシステムを利用し、ファミコンを持っていないのに、友達の家を渡り歩いて『ドラゴンクエスト』をクリアした猛者もいました。

●自分が持ってなくても、兄・姉が持っていればチャンスあり!

 こちらは家庭環境に左右されるゲームサバイバル術ですが、自分ではなく、兄や姉が持っているファミコンを遊ぶという手もありました。ただし、兄弟・姉妹の関係性に大きく左右されるため、仲が悪いと成功率は絶望的。むしろケンカの火種になりかねません。

 そうした場合でも、兄や姉が留守なら、相手が帰ってくるまでの限られた時間を活用するファミコンチャンスが訪れます(無断借用ともいいます)。勝手に使ったことがバレると厄介なので、常に玄関を意識してプレイ。少しでも音が立てば、迅速に、かつ痕跡を残さぬよう慎重に片付け、ソファにダイブして素知らぬ顔です。

 また、数年に1度だけビッグチャンスが訪れることも。それは、兄・姉の修学旅行です。この期間は間違いなく数日帰って来ないので、ファミコン三昧が決定。綱渡り感ゼロで、ファミコンライフを心ゆくまで満喫できます。

■小銭でファミコンを遊べ! お小遣いがなければタダで遊ぶ手段も?

アーケードゲームの移植は困難ながら、できるだけ近づけた意欲作も多々。画像はファミコン版『グラディウス』(KONAMI)

●ファミコンソフトがゲームセンターで遊べた!?

 兄や姉、友達にも頼ることなくファミコンを遊べる場所もあり、そのひとつがゲームセンターでした。もちろん、ファミコンで出たゲームのアーケード版を遊ぶ、といった話ではありません。ファミコンのゲームを直接遊べる筐体が、当時存在していました。

 ファミコンが遊べる筐体は、一般的なアーケードゲームと違って1プレイいくらではなく、プレイ料金は時間制。例えば10分50円だとすれば、30分遊び続けるには150円の出費が必要でした。

 時間制なので、クリアまで遊ぼうと思ったらそれなりの支出になるのが最大の難点。しかし、ゲームオーバーになっても時間内なら再プレイ可能だったため、「気になるゲームのお試しプレイ」や「10分だけ時間を潰す」といった形で利用する人もいました。

 ちなみにこの筐体は、駄菓子屋などの店頭にもあり、意外と広い範囲に普及していた模様です。

●タダでファミコン遊び放題! 夢のようだったデパートの玩具売り場

 本体を持っていない少年たちが、懐を全く痛めずに遊べる夢のような場所を求めて行き着いた先は、当時のデパートやおもちゃ屋さん。現代における家電量販店のマッサージ機のように、お試しでファミコンを遊べる玩具売り場が、少なからずあったのです。

 おそらく、ファミコンをどういう風にアピールすればいいのか、現場でも試行錯誤したはず。その結果、いつでも誰でも遊べるファミコンの試遊プレイ台が、玩具売場に並びます。遊ぶ人が他に誰もいなければ、閉店時間までずっとファミコンを遊べるという、夢のような場所でした。

 とはいえ、実際には同じように考えるライバルが多く、1プレイごとの順番待ちの列に並ぶのが常。しかし、待つだけでファミコンが遊べるのは、本体未所持のゲーム少年にとって抗えない魅力です。入り浸った記憶を持つ人も多いことでしょう。

 今やゲームは、手元のスマホで遊べる時代。買いに行く必要すらなく、ダウンロードで事足ります。ゲームを遊ぶために頭や足を使った昭和のゲーム少年からすれば、今の発展ぶりは驚くばかり。次にくるゲームはどんな進化を果たすのか、新たな時代の到来も楽しみです。

(臥待)

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