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東京ディズニーランド入口の銅像は超・重要人物? 影の立役者ロイ・ディズニーとは

マグミクス / 2022年5月3日 6時10分

東京ディズニーランド入口の銅像は超・重要人物? 影の立役者ロイ・ディズニーとは

■夢と魔法の世界を影で支え続けた兄

 2022年4月15日に開園39周年を迎えた東京ディズニーランド。みなさんは、パーク内にある「パートナーズ像」をご存知でしょうか。ワールドバザールを抜けた場所にあるプラザテラスにあり、ミッキーマウスの生みの親、ウォルト・ディズニーがミッキーと手をつないでいる銅像がそれです。パークに遊びに行った人なら一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 そして、パーク内にはもうひとつ、「シェアリング・ザ・マジック像」と呼ばれる銅像が存在しており、男性とミニーマウスがベンチに座っています。熱心なディズニーファンではない限り、ほとんどの人が「誰?このおじさん」と思ったかもしれません。彼はウォルトの兄、ロイ・O・ディズニー。ビジネス面でウォルトを支え続けた人物でもあります。今回は、あまりよく知られていないロイ・ディズニーをご紹介します。

●幼少期からウォルトを支え続けた

 ロイ・O・ディズニーは1893年6月24日にアメリカ・イリノイ州で5人兄弟の三男として生まれました。四男で8歳違いの弟・ウォルトをよく可愛がり、幼少期から弟の世話を焼き、自分のお小遣いから彼におもちゃやキャンディを買い与えていました。

 生涯にわたるウォルトへの経済面のサポートはここから始まることになります。大人になり自立したロイは、ざっくばらんですぐ人を信用してしまう弟が、誰にも騙されないように守っていくという決心をします。ウォルトもまた、癇癪(かんしゃく)持ちの父親や早くに家を出た上の兄ふたりよりもロイに心を開き、ウォルトにとって父親代わりも兼ねた存在になります。

 ロイは銀行員として働いた後、1917年に海軍に入隊しますが、結核にかかり2年で除隊、ロサンゼルスで治療をしながら暮らしていました。一方その頃ウォルトは最初に設立したアニメ会社の経営に失敗し、ハリウッドでの再起をはかり、働いていたカンザスシティからロサンゼルスへ移住します。そこで最初の大きなアニメ制作の契約が取れると、当時結核が再発したロイの入院する病院へ忍び込み、新会社経営の手伝いを頼みます。

 弟の頼みは一度も断ってこなかったロイはその翌日に退院し、1923年に現在のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの前身、ディズニー・ブラザーズ・カートゥーン・スタジオを設立します。以降、ロイは銀行員時代の経験を活かし、経営に全く向いていない弟の代わりに会社の財政面や資金調達を担うことになりました。

 兄弟で親戚たちから借金するために頭を下げてまわり、最初のキャラクター・オズワルドの版権を奪われるなど紆余曲折を経て1928年、ミッキーマウスのデビュー作『蒸気船ウィリー』で成功を収めることになります。

ウォルト・ディズニー・ワールド開園のあいさつをするロイ・ディズニー (C)Disney

●弟のために頑張るビジネスマン

『蒸気船ウィリー』や世界初の長編アニメーション『白雪姫』の成功をきっかけに、ディズニーアニメは数々の名作を世に送り出し、会社も拡大していきます。ウォルトは非常に創造性豊かですが、良い作品のためなら予算をどんどん上乗せるなど、お金に頓着のない人でした。

 何か思いつくとすぐ兄に資金調達を頼むのがお決まりのパターンでしたが、彼のアイデアをそのまま再現できるようにロイは財政面でサポートしました。また、人に口出しされるのを嫌うウォルトと従業員の間に入り、ストライキや賃金問題の解消の一端も担いました。

 一大プロジェクトとなったディズニーランド計画が立ち上がると、前例のない内容に当初ロイは乗り気でなかったものの、資金繰りに行き詰まると、ABCテレビとスポンサー契約して450万ドルを借りることに成功。これをきっかけに本格的に建設がスタートし、1955年カリフォルニア州アナハイムに世界初のディズニーランドが開園します。

 さらにウォルトは「ディズニー・ワールド」と未来型都市EPCOTの構想をふくらませますが、1966年12月15日に亡くなってしまいます。ロイは弟の遺志を引き継ぎ、退職を延期して建設に取り組みます。社債を大量に発行して無借金で建設費用を調達。1971年10月フロリダ州・オーランドにウォルト・ディズニー・ワールドが開園します。

 パークの名称を弟の名前に変更した理由を「ウォルト・ディズニー・ワールドがある限り、世界中の人びとがこれらを作り上げた男の名を知るだろう」と語っています。そして開業から3か月後の1971年12月20日に息を引き取りました。

 慎重なロイと楽天的なウォルトはしばしば喧嘩もし、数年口をきかない時期もありましたが、ロイが弟を見捨てることはありませんでした。数々の名作やキャラクターを世に送り出したウォルトですが、ロイの献身的なサポートなければ、現在にいたるアニメ作品だけではなくディズニーランド自体も存在しなかったかもしれません。

 シェアリング・ザ・マジック像は、控えめで表舞台に出るのを好まない彼らしく、パークに入ってすぐのワールドバザール入口近くで、ひっそりとゲストを出迎えています。弟に振り回されつつも、ずっとそばで支え続けた優しいお兄さんとして、彼の銅像を見つけたら思いを馳せてみてほしいです。

主要参考文献:『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』(著:ニール・ゲイブラー 訳:中谷和男/ダイヤモンド社)

(マグミクス編集部)

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