放課後にたまりたい、アニメ・マンガの「部室」4選 グランプリ1位は！？

■最も居心地のよい部室はどこにある？　「理想の青春」を体現する部室たち

　フィクションにおける「部室」のうらやましさたるや、です。華やかな青春を送った人であろうと、教室の隅で寝たふりをし続けた人であろうと、この認識は同じのはず。アニメやマンガのなかに登場する部活動（とりわけ文化部）の部室は、どこか秘密基地めいた魅力的な場として描かれるもの。ありったけの青春を詰め込んだ空間です。

　ということで誠に勝手ながら、2000年代以降のアニメ・マンガに登場する部室のなかで最も魅力的なものはどこかを決定する「部室-1」グランプリを開催します。

●冒頭にちらっと登場したあの部室　『呪術廻戦』

　まずは超絶人気アニメ『呪術廻戦』（原作：芥見下々）からエントリー。果たして虎杖らが在籍する呪術高専に「部室」などあったかといえばそちらではなく、注目すべきは虎杖がかつて所属していた杉沢第三高校の「オカルト研究会」の部室です。在籍人数わずか3名ながら広さも十分。壁一面に並んだオカルト系の資料はオタクならではの知的熱量が感じられる素晴らしい空間でした。ただし生徒会長から即刻退去を命じられてしまったので、居心地の上では玉に瑕なのです。

●『映像研には手を出すな！』のボロッボロの小屋

　アニメ『映像研には手を出すな！』（原作：大童澄瞳）の「部室」もまた最高にそそるものがあります。ボロながらもプレハブの2階建てという普請。「部室」をとびこえて制作プロダクションです。青春を捧げる砦として、こんなに魅惑的な空間もないでしょう。

　風に揺れ、おそらくは冬さむく夏は灼熱、この快適とはほど遠い環境もまた尊さを加速させます。とはいえ彼女らはいつだって金策や納期やら追われているため、西日さす放課後にゆったりと談笑、というわけにはいかないところが奥ゆかしいところです。

●おそらくは真打　『けいおん！』の部室

　アニメ『けいおん！』（原作：かきふらい）の軽音部の部室を見てみましょう。足音のひびく木造階段をあがった先にある、向かうまでからしてすでにエモいのがこの部室。もともとは音楽準備室（音楽室）だったという背景もまた味わい深いです。

　なかは談笑用のテーブルはあるし、バンド練習できるスペースは確保されているし、気付けばスッポンモドキが泳ぐ水槽が設置されているし、あまりにも理想すぎて逆に失うのが怖くなる、そんな付け入る隙のない部室でした。モデルとなった滋賀県の豊郷小学校旧校舎群ではこの部室が再現されています。追体験できてしまう点もふくめ、他の追随を許さないのです。

●不法占拠だけど…『ゆるゆり』の「ごらく部」

『けいおん！』の部室に太刀打ちできるかどうかはアニメ『ゆるゆり』（原作：なもり）にかかっているかもしれません。『ゆるゆり』のメンバーが所属する「ごらく部」の部室はまさかの一軒家。それはもう立派な茶室なのです。旅館さながらの和空間に「ごらく部」メンツはお菓子を持って集まってきます。なんて、贅沢な青春でしょうか。いったいどうしてこんな部室を獲得することができたのかといえば、そもそも廃部になった茶道部の茶室をそのまま不法占拠したもの。厳密にいえば「ごらく部」は認可もされていないため……無念の「失格」です。

　この記事においては『けいおん！』に軍配を上げますが、他にも『涼宮ハルヒの憂鬱』（原作：谷川流）の「SOS団」部室、あるいは『君は放課後インソムニア』（原作：オジロマコト）の天文部の部室などなど「ここで青春を送りたかった！」と思わせる部室は数多く存在します。皆さんは、どの部室で放課後を過ごしたかったでしょうか。

（片野）