ファミコン時代の「ジャンプ名作ゲーム」3選 悟空、ケンシロウら夢の共演!
マグミクス / 2022年5月14日 15時10分
■まだレッドリボン軍までだった 最初の『ドラゴンボール』ゲーム
ジャンプマンガのゲーム化といえば、何を思い浮かべますか? 定番の『ドラゴンボール』や、今なら『鬼滅の刃』を遊んでいる人も多いでしょう。そのルーツをたどっていくと、ファミコン時代にはすでにたくさんのマンガがゲーム化され、大変な人気を誇っていました。
今回はそんな、ファミコン時代にゲーム化されたジャンプマンガの作品について語っていきます。
数えきれないほどたくさんのゲーム化作品が発売されている『ドラゴンボール』ですが、記念すべき1作目は1986年発売の『ドラゴンボール 神龍の謎』。主人公の孫悟空を操作するアクションゲームですが、スーパーサイヤ人になったりはしません。『ドラゴンボール』の連載開始が1984年、当時はまだ子供時代の悟空がブルマやウーロンたちとドラゴンボールを集め、レッドリボン軍と戦っているあたりです。
敵を倒すと落とすポイポイカプセルのなかからアイテムが出て、如意棒で戦ったり、筋斗雲でワープしたり、カメハメ波を撃つこともできて、当時の子供たちが悟空になりきって遊ぶ要素が満載でした。狼牙風風拳(ろうがふうふうけん)を操るヤムチャ、触るだけで相手をニンジンにしてしまうウサギ団など、原作初期の敵もたくさん登場します
ただし、原作がレッドリボン軍までしかありませんので、ゲームを進めていくと途中から敵がオリジナルキャラになり、原作とは全く関係のない展開になってしまうのは少し残念だったかもしれません。しかしこれが大ヒットし、その後数々の続編が発売されることになります。
●秘孔をついてあべしを取れ!? 『北斗の拳』
ドラゴンボールと同時期に発売されたジャンプのゲーム化作品には、『北斗の拳』があります。横スクロールのアクションゲームで主人公のケンシロウを操作してユリアを救う旅に出ます。
『北斗の拳』といえば「あべし」や「ひでぶ」といった独特の断末魔が有名ですが、ファミコン時代では音声で再現はできませんでした。その代わりに、雑魚敵を倒すと「あべし」という文字が浮かんで上方向に飛んでいくので、それをケンシロウが取るとパワーアップするシステムになっていました。あべしを7つ集めると上半身裸になって最強の状態になるのですが、よく考えるとあまりにシュールな絵面で笑ってしまいます。
ステージを進むとボスが待ち受け、ハートにはじまり、サウザーや、最後はラオウとも戦えます。ボスは攻撃をあてることで体力を減らして倒しますが、特定の攻撃を決めると残り体力に関わらず秘孔を突いて相手を爆発四散させることができ、「北斗百裂拳」といった必殺技が表示されます。『北斗の拳』らしく、それでいてアクションゲームとしてもオリジナリティのあるシステムに仕上がっていました。
■小宇宙で戦うターン制バトル!『聖闘士星矢 黄金伝説』
縦に長いカートリッジに歴代ジャンプヒーローがギッシリ描かれていた『ファミコンジャンプ 英雄列伝』
ジャンプマンガの華といえばやっぱりバトルマンガですから、アクションゲームをイメージする人は多いでしょう。そんななかでアクションアドベンチャーとコマンド式のRPG要素をかけ合わせた異色作が『聖闘士星矢 黄金伝説』です。
移動や探索、そして雑魚との戦闘は横スクロールのアクションアドベンチャー、しかし聖闘士同士のバトルではターン制バトルが採用されています。しかもそのバトルも独特で、小宇宙(コスモ)をA Pow(アタックパワー)、H Pow(ハートパワー)といった4つのパラメーターに振り分けて戦います。小宇宙をたくさん消費することでペガサス流星拳などの必殺技が使えます。
主人公の聖矢が青銅聖衣(ブロンズクロス)を手に入れるところから始まって、サンクチュアリで黄金聖闘士(ゴールドセイント)との闘いまでを描きますが、最後は原作と全く違う展開で終わっていきます。というのも『ドラゴンボール 神龍の謎』と同様に、ゲーム発売時点では原作がサンクチュアリでの激闘を描いた「聖域十二宮編」がまだ終わりを迎えていませんでした。その後、改めて「聖域十二宮編」だけを再現した『聖闘士星矢 黄金伝説完結編』が発売されることになります。
●ジャンプ20周年記念作品は歴代ヒーロー大集結
最後に、ファミコン時代のジャンプゲームとして外せないのがジャンプ20周年を記念して制作された『ファミコンジャンプ 英雄列伝』でしょう。ピッコロ大魔王に乗っ取られたジャンプの世界を救うべく、バラバラになった勇者を集めるストーリーで、その名の通り、歴代ジャンプのヒーローが集う豪華なゲームになっています。
当時人気だった『ドラゴンボール』や『キン肉マン』はもちろん、『アストロ球団』や『男一匹ガキ大将』といったゲーム発売当時からさらにさかのぼって過去のマンガ作品も登場します。人気キャラの共演に胸が熱くなる一方で、劇画のバトルマンガである『北斗の拳』のケンシロウと、ギャグマンガ『ついでにとんちんかん』のぬけさく先生が一緒に旅をするという、凄まじいギャップがおかしくもあり、面白くもあるゲームになっていました。
マップを探索して敵キャラクターにあたると、アクションバトルが始まるというゲームシステムでしたが、ラストバトルのみそれまでに集めたジャンプヒーローたちが次々に出てきて必殺技を使うコマンドバトルになっていました。暗殺拳である北斗神拳の使い手ケンシロウが北斗百裂拳で秘孔をついたかと思えば、日本のサッカー少年である大空翼が「ドライブシュート」を敵にぶつけ、挙句の果てにヌケサク先生が「へんたいギャグ」を繰り出すという、豪華で不思議なバトルが繰り広げられました。
ジャンプマンガ作品のファミコンゲームタイトルを振り返りました。ファミコン時代ですから、ゲームや設定としてはおおらかな部分もありますが、どの作品も子供の心をしっかりとらえて、その後続々と登場するジャンプゲーム化作品の礎となったタイトルだったと言えるでしょう。
(田下広夢)
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