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『シン・ウルトラマン』とともに見返したい、「メフィラス星人」ら人気怪獣&星人たち

マグミクス / 2022年5月13日 12時30分

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■禍威獣や外星人と戦うウルトラマン

 空想、浪漫。そして、友情。

 企画・脚本は庵野秀明氏、監督は樋口真嗣氏という、『シン・ゴジラ』(2016年)のヒットメーカーコンビが放つ、実写映画『シン・ウルトラマン』が2022年5月13日(金)より、いよいよ劇場公開されます。

 4月18日には1分21秒の新しい予告編が、劇場やネット上で披露されました。禍威獣(カイジュウ)と呼ばれる巨大生物や外星人が日本に襲来し、禍特対(カトクタイ)が立ち向かうことが明らかになりました。

 斎藤工さん扮する神永新二がウルトラマンに変身する『シン・ウルトラマン』とともに、ぜひ見返しておきたいのが、1966年~67年にTBS系でテレビ放映された空想特撮シリーズ『ウルトラマン』です。予告編で注目を集めたザラブ星人やメフィラス星人が初登場したオリジナルエピソードを振り返ります。

■人びとの信頼関係を壊してしまうザラブ星人

 ザラブ星人がその凶悪ぶりを見せたのは、『ウルトラマン』の第18話「遊星から来た兄弟」です。地球を訪れたザラブ星人は、地球人の兄弟だと名乗り、友好的な態度を見せます。

 科学特捜隊の基地にも出入りするようになるザラブ星人ですが、フレンドリーな顔はまったくの芝居でした。しかも、ザラブ星人が化けたニセウルトラマンが街で暴れ、ウルトラマンの地球における信頼を貶(おとし)めようとするのです。

 これまでもザラブ星人は、多くの星を滅ぼしてきたそうです。人びとの信頼関係をぶち壊すことで、その星を自滅に追い込むというのがザラブ星人の常套手段です。目のつり上がったニセウルトラマンと本物のウルトラマンが激突する、印象的なエピソードとなっています。

■アキコ隊員を巨人化させたメフィラス星人

 悪質宇宙人・メフィラス星人が地球を好き放題に蹂躙(じゅうりん)するのは、第35話「禁じられた言葉」です。「暴力は嫌いだ」と紳士を装うメフィラス星人ですが、背筋が凍るような心理ゲームを地球人に仕掛けてきます。

 メフィラス星人は、フジアキコ隊員の弟・サトル少年に「地球をあげます」と言ってくれれば乱暴はしないとささやきます。しかも、戦争もなく、死ぬこともない天国のような星へ、サトル少年を連れていってあげると持ちかけるのでした。もしも、サトル少年が「地球をあげます」と口にしたら、地球はいったいどうなるのでしょうか。脚本家・金城哲夫氏のSFセンスが冴えわたるエピソードとなっています。

 この回はアキコ隊員が巨人化して、ビル街を破壊した上に、メフィラス星人の支配下にあるバルタン星人、ザラブ星人、ケムール人も出現する、とても見どころの多い回としても知られています。

 メフィラス星人は知能指数が非常に高く、さらに戦闘能力もウルトラマンとまったくの互角でした。ゲーテの戯曲『ファウスト』に登場する悪魔・メフィストフェレスが名前の由来となったメフィラス星人は、本当に恐ろしい侵略者です。

■日本のエネルギー施設を狙うネロンガとガボラ

「ムービーモンスターシリーズ ネロンガ(シン・ウルトラマン)」(バンダイ)

 透明怪獣ネロンガは第3話「科特隊出動せよ」、ウラン怪獣ガボラは第9話「電光石火作戦」に登場しました。普段は透明で、姿の見えないネロンガは、電気を吸収するときだけ肉眼で見ることができます。固い殻で顔を覆っているガボラは、好物のウランがあるウラン貯蔵施設を襲います。

 現代の日本を舞台にした『シン・ウルトラマン』では、発電所や核廃棄物がネロンガやガボラに狙われることになりそうです。禍威獣として蘇ったガボラは、『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒を思わせる新デザインとなっています。また、ネロンガが透明状態のまま戦ったら、かなり手強いはずです。日本のエネルギー政策が、物語のモチーフのひとつになりそうなところも見逃せません。

 宇宙飛行士が変貌してしまったジャミラの悲劇を描いた第23話「故郷は地球」、ウルトラマンや科特隊に倒された怪獣たちへの祈りが捧げられた第35話「怪獣墓場」なども『ウルトラマン』の忘れがたいエピソードですが、やはりファンの脳裏にはっきりと刻まれているのは最終話「さらばウルトラマン」でしょう。

 宇宙恐竜ゼットンの前に、正義のヒーローであるウルトラマンが敗北を喫するという衝撃的なフィナーレでした。今ある平和は絶対的なものではないこと、正義が必ず勝つとは限らないことを、ゼットンに倒されたウルトラマンの姿から子供たちは学ぶことになったのです。ゼットンが『シン・ウルトラマン』に登場するかは分かりませんが、他にも意外な禍威獣や外星人が登場する可能性はありそうです。

■混迷する日本社会を再構築する庵野作品

 昭和時代の子供たちを熱狂させたウルトラマンは、令和時代にどんな物語として生まれ変わるのでしょうか。企画・脚本を手がける庵野氏は、1960年(昭和35年)山口県宇部市生まれです。『ウルトラマン』をリアルタイムで視聴して育ち、「オタク第一世代」と呼ばれています。

 大ヒット作『シン・ゴジラ』では「3.11」後の日本の在り方を、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(2021年)ではTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が放送された1995~96年以降の「失われた時代」を、庵野氏は独自の視点から再構築したSFドラマにしています。

 オリジナル版『ウルトラマン』が放映された1966年~67年は、日本が高度経済成長期にあり、みんなが汗を流して努力した分だけ明るい未来が待っていると信じられていた時代でした。また、成田亨氏がクリーチャーやメカデザインを手掛けた『ウルトラマン』が口火となり、日本独自のポップカルチャーが花開くことにもなりました。庵野氏が生まれ育った昭和時代を、『シン・ウルトラマン』はもう一度見つめ直すような物語になるのではないでしょうか。

 空想、浪漫。そして、友情。

 そんなキャッチコピーが謳われている『シン・ウルトラマン』の公開が楽しみです。大人になって、すっかり忘れてしまっていた大切なものを、もう一度思い出させてくれる作品になっていればいいなぁと思います。

(長野辰次)

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