アキコ、アンヌだけじゃない!昭和ウルトラシリーズの可憐なヒロイン なぜ降板が多い?
マグミクス / 2022年6月5日 9時10分
■アキコ、アンヌ以外の昭和ウルトラヒロインは……ほとんどが「降板」「交代」
大ヒット中の『シン・ウルトラマン』では長澤まさみさん、早見あかりさんの演技に絶賛が集まり、新たなウルトラヒロインの誕生を喜ぶ声も多いです。そしてさらにそこから翻って、昭和のウルトラヒロインたちに再び脚光が集まっているようです。
まずは桜井浩子さんが演じた『ウルトラQ』の江戸川由利子、『ウルトラマン』ではフジ・アキコ隊員。桜井さんはその爛漫でチャーミングな雰囲気は現在も全くお変わりなく、ご自身のSNSやYouTubeチャンネル「ROCO TALK」では積極的に情報を発信しています。そして『ウルトラセブン』でひし美ゆり子さんが演じた永遠の特撮ヒロイン、アンヌ隊員。こちらもアイコニックな存在として、いまだ新規ファンを増やし続けています。さて、ウルトラシリーズのヒロインといえば、まずフジ・アキコ隊員、そしてアンヌ隊員にスポットライトが当たりがちではありますが、それ以降の作品にも当然ながら素敵なヒロインは多数登場してきました。この記事では、『帰ってきたウルトラマン』から『ウルトラマンレオ』までの歴代ヒロインたちをおさらいします。
●ナックル星人のせいで……『帰ってきたウルトラマン』の坂田アキ
『帰ってきたウルトラマン』の防衛チームMATには丘ユリ子(演:桂木美加)という実に可憐で明晰な女性隊員がいましたが、本作における「ヒロイン」となるのは郷秀樹の恋人、坂田アキ(演:榊原るみ)です。少々、怒りっぽい性格ながらも、いつだって郷のことを真剣に心配してくれる素敵なヒロインでした。
だからこそ余計に第37話における悲劇的な降板はショックです。小さい頃は、彼女を殺したナックル星人をひたすら憎んだものでしたが、実際のところは榊原るみさんが別ドラマ『気になる嫁さん』(日テレ系)に出演するため、スケジュール確保が難しくなったがゆえの降板でした。本作に深いペーソスを与えているのは、この降板劇と言えるかもしれません。
●昭和ウルトラを代表する降板ヒロイン『ウルトラマンA』の南夕子
特撮、ひいては昭和ドラマのなかでも最も有名な「降板」と言っても過言ではないのが、『ウルトラマンA』のヒロインである南夕子(演:星光子)でしょう。もともとは北斗星司(演:高峰圭二)とのダブル主演でウルトラマンAに変身する設定でしたが、突如第28話で「実は月星人だった」という強引な設定が敷かれ、そのまま月に帰るという形で降板。北斗との絶妙なコンビネーションが魅力だっただけに、衝撃でした。
のちに星光子さんは「降板は台本で知った」と語っており、かなり唐突なテコ入れだったようです。以降、星さんは『ウルトラマンA』という作品に対し、ポジティブとは言い難い感情を抱いてきたそうですが、2004年に『ウルトラマンA』DVD化イベントでファンの前に「南夕子」として登壇。わだかまりは以降、氷解していきます。
■一年間のスケジュール確保が難しかった?
「アンヌ今昔物語: ウルトラセブンよ永遠に・・・」(小学館)
●途中で「女優」が変わるけれども……『ウルトラマンタロウ』の白鳥さおり
続く『ウルトラマンタロウ』では防衛チームZATの森山いずみ隊員(演:松谷紀代子)、そして主人公・東光太郎(演:篠田三郎)の居候先の長女・白鳥さおりのダブルヒロイン体制になります。森山隊員も茶目っ気の強い女性として描かれていましたが、やはりプライベートでも一緒のさおりの方がヒロインとしては印象的です。
さて「白鳥さおり」は降板こそしませんでしたが、演じる女優さんが途中で変わります。当初は朝加真由美さんが演じていましたが、20話以降は小野恵子さんに。理由は朝加さんの事務所の意向とも言われていますが、定かではありません。どうにも昭和ウルトラヒロインは、なかなか完投が難しかったようです。
●またしても悲劇の降板!『ウルトラマンレオ』の山口百子
さらに『ウルトラマンレオ』の主人公・おゝとりゲン(演:真夏竜)の恋人である山口百子(演:丘野かおり)もまた、悲劇的な降板となったヒロインです。長い黒髪につぶらな瞳が非常に美しい方でしたが、もはやウルトラヒロインの宿命なのか第40話で円盤生物シルバーブルーメの襲撃を受け、あえなく降板となります。劇中、死亡者名簿に彼女の名前があったときの絶望感は相当なものでした。
降板理由に関してはつまびらかにされてはいませんが、視聴率に苦戦しているなかでさらに、石油ショックの煽りをもろに受けた結果と見るのが妥当のようです。
ここまで『帰ってきたウルトラマン』から『ウルトラマンレオ』に登場したヒロインを一気に見てきましたが、大前提としてほぼ途中で降板・交代していることは興味深い点です。約50話からなる大作に出続けるだけのスケジュールを確保するのが、いかに難しいことか。だからこそ、フジ・アキコ隊員、アンヌ隊員の存在感が際立っているのかもしれません。
(片野)
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