128KBで大容量だった!懐かしのゲーム機専用記憶装置の思い出
マグミクス / 2022年5月21日 17時10分
![128KBで大容量だった!懐かしのゲーム機専用記憶装置の思い出](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_91969_0-small.jpg)
■昔はゲーム機専用だった「外部記憶媒体」たち
ニンテンドースイッチであればMicroSDカード、PlayStation 5やXbox Series X|Sであれば外付けSSDなど、今日におけるゲーム機で用いられる外部ストレージは、PCをはじめとするその他の電子機器でも用いられるものと共通のものが採用されています。
しかし、かつてのゲーム機ではその機器でしか使用できない専用の記憶媒体が数多くリリースされてきました。さまざまなゲーム機専用記憶媒体を軸に、ゲーム機の歴史の一端を振り返ってみましょう。
●ターボファイル
1986年にアスキーから発売された、ファミコン用の記憶媒体です。対応ソフトの数は多くはなく、同社から発売されたタイトルを含む20本程度のみとなっています。
当時の筆者から見た一番の魅力は「『ウィザードリィ』で作成したキャラを別のシナリオ(『ウィザードリィII』や『ウィザードリィIII』)でも使用できる」というものでしたが、当時は小学生だったため手が届かず、指をくわえて見ているのみで終わってしまいました。後年、記憶容量を増やした「ターボファイルII」や、スーパーファミコン用の新モデル「ターボファイル ツイン」などがリリースされています。
●天の声2~天の声BANK
1989年にハドソンから発売された、PCエンジン用の記憶媒体です。名称は同社がリリースした人気RPG『桃太郎伝説』におけるパスワードの名称が「天の声」であったことにちなんでいます。
筆者は1991年に発売されたカードタイプの後続モデル「天の声BANK」の購入に乗り出しましたが、これがどこに行っても品切れ、品切れで入手に苦労したのを覚えています。
●メモリーカード
1994年にSCE(現・SIE)から発売された、初代PlayStation用のカード型フラッシュメモリです。上記「天の声BANK」にも言えますが、当時のゲームソフトはカートリッジからCD-ROMへと移行する過渡期で、さらにゲーム機本体に保存メモリーがないものも多かったため、こうした記憶媒体が一気に日常的なものになりました。容量は1MBit(128KByte)です。前述した通りフラッシュメモリであるため、電池切れによるデータ消失とは無縁になりました。
1枚につき最大15ブロックまで記録できますが、各ゲームのセーブデータが何ブロック使用するかはタイトルによってまちまちであったため、1ブロックで済むリーズナブルなタイトルがある一方で、『A列車で行こう』や『信長の野望』シリーズ、『ときめきメモリアル2』など、1タイトルで15ブロックをすべて使用してしまう作品もありました。シミュレーションゲームにその傾向が強かったように思えます。筆者も何枚購入したか覚えていません……。
本商品に前後して、ネオジオやニンテンドーゲームキューブ、携帯ゲーム機のPlayStation Vitaなどでも専用の「メモリーカード」がリリースされました。
■パワーメモリーにビジュアルメモリ…思い出深いセガ用記憶媒体
接触不良でのデータ消失に泣い、たセガサターン用外部記憶媒体「パワーメモリー」
●パワーメモリー
1994年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)から発売されたセガサターン用のカートリッジ型フラッシュメモリです。サターンはゲーム機本体にもデータを記憶できましたが、それをはるかにしのぐ4MBit(512KByte)の容量を持っており、サターンユーザーはほとんどがこれも購入していたのではないかと思います。フラッシュメモリではありますがファミコンのカセットなどと同じカートリッジ式でもあるため、接触不良によるデータ消失にしばしば泣かされました。
サターンは1996年に本体のワークRAMを拡張(平たくいえばパワーアップさせる)拡張ラムカートリッジをリリースしており、それがパワーメモリーと併用できないため、拡張ラム対応のゲームを遊んでいると頻繁に差し替えが発生しました。そして、それがデータ消失という悲劇をより一層呼び込みやすくしてしまうのです。合掌!
●ビジュアルメモリ
1998年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)から発売された、ドリームキャスト用のPDA(携帯情報端末)型メモリーカードで、容量は1MBit(128KByte)です。液晶画面と方向ボタンをはじめとする各種ボタン、スピーカーを備えているのが大きな特徴で、ビジュアルメモリ単体で遊べるゲームも存在しました。
フラッシュメモリであるためゲームデータの安全性は担保されていましたが、ビジュアルメモリ単体で使用する際はボタン電池での駆動でした。このボタン電池が切れた状態でメモリーカードとして使用する(ゲームパッドに装着してドリームキャスト本体の電源を入れて通電させる)と「ピーーーーーー」という電池切れを知らせる甲高い電子音が鳴るため、そこが一番印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
●ゲーム機第7世代~専用記憶媒体の終焉
時代が下り2000年代中盤になると、各メーカーから俗に第7世代と分類されるXbox 360、PlayStation 3、Wiiなどがリリースされます。この時代までくると各ゲーム機がUSBメモリやSDカードに対応するようになり、ゲーム機専用記憶媒体の歴史は静かに幕を下ろしました。今日の方が便利なのは疑いようもありませんが、たまに本稿で紹介したような専用記憶媒体が懐かしくなります。
(蚩尤)
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