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一応味方だけど…『キングダム』桓騎将軍の悪の魅力!残虐でも惹かれてしまう天才

マグミクス / 2022年5月30日 19時10分

一応味方だけど…『キングダム』桓騎将軍の悪の魅力!残虐でも惹かれてしまう天才

■残忍極まる性格ながら怪しげな魅力にあふれる桓騎

 春秋戦国時代末期が舞台の歴史バトルマンガ『キングダム』には数多くの印象的なキャラクターが登場しますが、そのなかでも桓騎(かんき)将軍の放つ怪しげな魅力は際立っています。

 桓騎が始めて登場したのは第203話、単行本では19巻にあたります。秦と魏の戦の際に蒙ゴウ(もうごう)将軍の副将のひとりとして王翦(おうせん)とともに登場した桓騎は、もともとは大野盗団の首領であり、性格は残忍そのもの。野盗時代の気性の荒さが抜けきれず、未だに投降兵たちを殺しまくり、ある城邑(じょうゆう・城壁にかこまれた町)を攻め落とした際に自ら住人全員の首をはねたなど、物騒な紹介をされていました。

 事実、魏との戦でも殺害した兵士の目玉をくりぬき袋詰めにして魏軍に送りつけており、その残虐性が事実であることを示しています。しかしただ残虐なだけではなく、軍略家として名高い玄峰の策の裏をかき、逆に玄峰の陣へと潜入し首を取ることに成功しており、戦場での有能さを証明しました。

 桓騎の次の出番は、秦国最大の危機となった「合従軍」編です。要衝である函谷関(かんこくかん)に蒙ゴウ、張唐(ちょうとう)の両将軍とともに配置された桓騎は、魏国の井闌車(せいらんしゃ)に火をかけ焼き尽くし、もう一台を利用して逆に地上へと降り立ち敵の大海原を堂々と渡るという大胆不敵な戦術で、張唐が韓の将軍・成恢(せいかい)を討ち取るアシストを務めました。

 このとき蒙ゴウからは、桓騎はかつて秦に存在していた伝説の将軍たち「六大将軍」級の才能を持つと評価されましたが、張唐とのやりとりで桓騎は「秦が滅びようがどうしようが俺の知ったこっちゃねェんだよ」と秦の武将としてはありえないセリフを吐いています。しかし死を迎えようとした張唐は桓騎が己の力で戦に勝つ快感にはまっていることを見抜き、それは「名武将の持つ気質そのもの」であると評価しました。馬上で息絶えた張唐が落馬しそうになったときには体を掴んで支えており、自分の才能を認めた人間には必ずしも残虐一辺倒というわけでもないようです。

※ここから先の記事では、『キングダム』単行本未収録の話の情報に触れています。ご了承の上お読みください。

■気になる桓騎の過去とは

その後、趙との黒羊丘(こくようきゅう)の戦では総大将となり飛信隊を傘下に入れますが、桓騎を間近に見た信は反射的に剣を抜いてしまうほどの強烈な拒絶を感じています。凄惨な戦歴を持つ桓騎が、まっすぐ前を向いて進み続ける信とは対極に位置する存在であることを示したシーンと言えるでしょう。また、尾平は「男の俺がドキっとするほどカッコよかった」と語っており、異様な魅力を放っているのも間違いないようです。

 黒羊丘では一時は軍略を読み切られ危機に陥りますが、元野盗の兵たちが独自に窮地を切り抜け立て直しました。そして、趙軍を振り回すために集落の略奪虐殺を行うなど相変わらずの残虐ぶりを見せつけながらも、軍の損害を想定以下に収める大勝利を挙げています。飛信隊との断絶も決定的となった戦いではありましたが、当時の飛信隊ではとてもかなわない相手であることもまた明らかになりました。しかし、このときの戦いを見分していた李牧が、「桓騎の弱点を見抜いた」と呟いていたのが気がかりなところです。

 現実問題として、史実での桓騎は紀元前233年に李牧と肥下の地で戦い、敗れて戦死したとされています。また、敗戦の処罰を恐れて燕国に亡命し、樊於期(はんおき)と名を改めたという説も存在していますが、『キングダム』ではアイ国編で同名の将軍が登場しているためこの線はなさそうです。

 近年の連載では新生六大将軍のひとりとなった桓騎の根っこの部分には「底知れぬ怒り」があること、桓騎軍の一番の古株は拷問を担当する砂鬼一家であることなど、少しずつ詳細な情報が明らかになっています。趙との戦でも大きな損害を承知で趙の切り札である扈輒(こちょう)将軍を討つ武功を挙げながらも10万の捕虜を殺害する暴挙を働くなど、いろんな意味で存在感抜群です。

 しかしながら、最新の展開では宜安に向かった桓騎が李牧の罠にはまり、一方的に不利な状況へと置かれています。史実では宜安の占領には成功していますが、桓騎が敗北した肥下は宜安のすぐ近くであり、もしかしたらもうすぐ桓騎は敗れるのかもしれません。とはいえ『キングダム』は、完全に史実そのままというわけではないので、このまま退場とも限らないでしょう。残虐非道な人物であるのは理解していてもなお、少しでも多く活躍を見たくなる、桓騎はそんな魅力を持っている将軍です。

(早川清一朗)

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