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「スパロボ」の原作改変で救われたロボットアニメのキャラたち 逆に「不幸」な結末も…

マグミクス / 2022年6月18日 17時10分

「スパロボ」の原作改変で救われたロボットアニメのキャラたち 逆に「不幸」な結末も…

■スパロボならではの救済処置

 ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズ(以下スパロボ)で話題になることのひとつに「原作改変」があります。不幸な結末に終わったロボットアニメの物語を、オリジナル展開でハッピーエンドに終わらせることなど。いわば『スパロボ』の醍醐味と言われる展開です。

『スパロボ』は、いくつものロボットアニメ作品がクロスオーバーしてシナリオを進めていくシミュレーションゲーム。この夢の共演がファンにもっとも注目されている部分です。そして夢の共演の結果、本来のアニメとは違った流れになり、原典とは異なった物語を生み出しました。それが原作改変へと導くわけです。

 キャラ的な部分で例を挙げると、『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公である碇シンジがもっともわかりやすいかもしれません。アニメではネガティブで、周囲の状況に流されて不幸を一身に背負っているようなシンジですが、それも周囲に頼れる人間が少なかったことが原因で、精神的な成長ができなかったことにあります。

 ところが『スパロボ』では、周りは理解力のある大人や心を開くことのできる同年代の友人が多くいて、支えられることで本来ならありえなかった成長を遂げることができました。ファンから、シンジは『スパロボ』に来てもっとも救われたキャラに上げられることの多い人物です。

 このように相互協力の形で、本来出会うことのなかったキャラ同士の交流によって救われる展開が『スパロボ』の魅力のひとつと言えるかもしれません。

 キャラで言えば、アニメでは非業の死を遂げた者に生存の道がある点も『スパロボ』の救済のひとつです。『機動戦士Ζガンダム』のフォウ・ムラサメ、『機動戦士ガンダムUC』のマリーダ・クルス、『機動戦艦ナデシコ』のダイゴウジ・ガイなどは、登場した『スパロボ』のほとんどで生存ルートが設けられていました。

 また、『機動戦士Ζガンダム』のエマ・シーン、カツ・コバヤシ、『機動戦士ガンダムΖΖ』のエルピー・プルなど、アニメで死亡しているキャラでも普通に生存して仲間にいることが当たり前になっている者もいます。

 こういった流れのなか、アニメでは最終回で精神崩壊してしまったカミーユ・ビダンも、それがイベントとして登場することも少なく、最後までプレイヤーが使えるようになっていました。しかもTVアニメで見せていたようなエキセントリックな行動も、ほとんど描写されていない優等生キャラとなっています。

 こういった優遇処置のことを「スパロボ補正」と、一部のファンの間では言われていました。

■逆に原作より「不幸」になったキャラも…

2021年10月28日(木)発売予定『スーパーロボット大戦30』(バンダイナムコエンターテインメント)

 実はスパロボ補正には逆の面もあります。それは原典のアニメよりひどい目に合うキャラがいること。いわばマイナスのスパロボ補正があることです。

 このマイナス補正が必ず毎回あるキャラが『闘将ダイモス』の三輪防人でした。アニメでは数々の犯罪行為のために逮捕されて退場という末路を迎えていますが、『スパロボ』では、ほぼ戦いのなかで死亡するキャラとして知られています。

 その理由は、味方でありながら非道な行為の数々におよび、敵よりも憎むべき存在としてアニメでも描かれていたからでした。当時のアニメファンからも、なぜ生きたままなのかとまで言われたキャラですので、『スパロボ』で哀れな末路を迎えるのも、ある意味でファンの期待に応えた結果と言えるかもしれません。

 この他にもアニメでは生きのびているのに、『スパロボ』では死亡してしまったことのあるキャラに『機動戦士Vガンダム』のカテジナ・ルース、『機動新世紀ガンダムX』のフロスト兄弟などがいます。根っからの悪役は生きていても仲間になることはむずかしいと判断されたのでしょう。

 もっともカテジナは、最新作の『スーパーロボット大戦30』で、よもやの改心して味方への参入という展開を見せてくれました。最近ではジェリド・メサやヤザン・ゲーブル、バーン・バニングスといった敵役も仲間入りすることもあったので、今後はスパロボ補正でどんなキャラが味方へとなるか想像もできません。

 こういった敵キャラへのマイナス要素はありましたが、多くのスパロボ補正は前述の通り、プレイヤーにハッピーエンドを迎えさせるための悲劇回避が目的です。たとえばアニメでは全滅エンドを迎えた『伝説巨神イデオン』や『宇宙戦士バルディオス』は、原典通りのバッドエンドも用意されていますが、それとは別に登場人物が誰ひとり死なないハッピーエンドが迎えられるようになっていました。

 これらの原作改変という手法を快く思っていないファンも少なからずいると思いますが、『スパロボ』はゲームならではのハッピーエンドを用意してくれるのですから、あくまでも「IF」として楽しめばいいのではないかと思います。

 最新作『スパロボ30』でも参戦作品の多さからか、これまでにない「IF」の世界が楽しめました。まさかのテム・レイの救済処置など、DLC(ダウンロードコンテンツ)シナリオならではの展開が用意されています。

 これからもファンを驚かせるような展開を次々と見せてくれるであろう『スパロボ』シリーズ。はたしてスパロボ補正による、どんなIFを見せてくれるのでしょうか?

(加々美利治)

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