アニメ主題歌を発車メロディーにしている鉄道駅たち 意外な採用理由も…

■国民的アニメの主題歌が聴ける駅は？

　駅で電車を待っているときや、発車の際に聞こえてくるメロディー。知っている曲が流れたら、少し嬉しくなりませんか？　それが大好きなアニメの曲なら、なおさらです。

　日本全国には、アニメの主題歌やBGMを採用している駅が多数あります。一度は現地で聴いてみたい、アニメファンにはたまらない駅メロを紹介します。

　まずは東京都のJR高田馬場駅、埼玉県のJR新座駅の駅メロに採用されている『鉄腕アトム』の主題歌「鉄腕アトム」。実はどちらの駅も手塚治虫が自ら設立した会社・手塚プロダクションの所在地で、高田馬場には本社が、新座にはスタジオがあります。メロディーのアレンジは駅によって違いがあるため、聴き比べてみてはいかがでしょうか。

　続いては東京都の西武新宿線・上井草駅の駅メロ。『機動戦士ガンダム』主題歌の「翔べ！ガンダム」が流れます。上井草駅は『ガンダム』を作ったアニメ制作会社・サンライズの最寄り駅。駅前には、作中の名シーンを再現したガンダムのブロンズ像も飾られています。

　神奈川県のJR登戸駅では、『ドラえもん』の「ドラえもんのうた」をはじめとする藤子・F・不二雄作品のアニメソングが駅メロに採用されています。番線によって曲が使い分けられているので、駅メロを聴いただけでどのホームから電車が発車するのか判別できるはずです。登戸駅は藤子・F・不二雄ミュージアムの最寄り駅。同じくミュージアム周辺の小田急線・向ヶ丘遊園駅、JR宿河原駅、そして小田急線の登戸駅でも藤子・F・不二雄作品のアニメソングが流れています。

　鳥取県のJR由良駅も、アニメファンにはたまらない場所。『名探偵コナン』のメイン・テーマを駅メロにしています。由良駅がある鳥取県北栄町は、コナン生みの親である青山剛昌先生の出身地。由良駅は「コナン駅」の愛称でも親しまれており、青山剛昌ふるさと館の最寄り駅になっています。

　ここまで紹介したアニメ関連の駅メロは、作品ゆかりの地で使われていたものばかり。しかしなかには曲のイメージが評価され、全国で広く使われているアニメソングもあります。

■名曲「銀河鉄道999」は全国に！

劇場版『銀河鉄道999』主題歌は駅メロとしても大人気。画像はBlu-rayジャケット　(C)松本零士・東映アニメーション（東映）

　神奈川県JR淵野辺駅、山陽新幹線の新神戸駅・岡山駅・広島駅・小倉駅・博多駅、東京都の西武池袋線・大泉学園駅など多くの場所で採用されている駅メロが劇場版『銀河鉄道999』の主題歌「銀河鉄道999（The Galaxy Express 999）」です。

　大泉学園駅は『銀河鉄道999』ゆかりの地。近くにはアニメ制作を担当した東映アニメーションのスタジオがあります。駅構内や街中には車掌やメーテルの像が飾られており、フォトスポットとしても人気です。

　淵野辺駅や山陽新幹線の駅では、駅メロ決定までの経緯が少し違っていた様子。「宇宙のまち」として街づくりをしていた淵野辺では、2014年に「はやぶさ2」打ち上げの後押しをしたいと地元住民の発案により駅メロを変更したそうです。駅利用者に希望曲のアンケートを行った結果、「銀河鉄道999」が選ばれました。

　山陽新幹線は開業40周年を記念した企画のひとつとして発車音に「銀河鉄道999」を採用。幅広い世代に親しまれていること、未来に向けて走って行く力強さなどが評価され、駅メロに選ばれました。鉄道がキーとなる作品の曲だけに、駅メロとしての人気も高い「銀河鉄道999」。今後も駅メロに採用する場所がさらに増えていくかもしれません。

　今回紹介した場所以外にも、アニメの曲が流れる駅は多数。旅行や出張でいつもと違う電車に乗ったときは、駅メロに耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。

（ハシビロコ）