声優の無駄遣いにツッコミたいアニメ3選 「やられ役」が豪華すぎる！

■突然の大御所に驚き！　贅沢な「ひと言出演」も

　人気声優や大御所声優の配役と言えば、メインキャラや重要な役どころを思い浮かべる方もいるでしょう。しかし、作品によっては「なぜそこで？」「それだけ？」と言いたくなるような「声優の無駄遣い」をしているものも。この記事では、「声優の無駄遣いにツッコミたいアニメ」を3作品ご紹介します。SNSでも「クセがとてつもなく強い」「声優が怖いほど豪華」と評判です。

●『ド級編隊エグゼロス』（2020年7月～放送）

　人類の緩やかな滅亡を狙い、人間のエロスの源「H（エ）ネルギー」を吸い取る侵略者・キセイ蟲（きせいちゅう）。高校生の炎城烈人（えんじょう・れっと／CV：松岡禎丞）は、キセイ蟲から地球を守るために、ヒーロー「エグゼロス」の一員として戦っていました。

　ある日、とあることから心を閉ざした初恋の相手・星乃雲母（ほしの・きらら／CV：加隈亜衣）に、キセイ蟲が襲い掛かります。烈人はたまらず助けに入ったもののーー？

『ド級編隊エグゼロス』は、同名マンガ（作：きただりょうま／集英社）を原作としたアニメです。原作の単行本累計発行部数は、2020年6月時点で135万部以上。「映像化不可能」と言われた思春期「H」EROコメディが、堂々のアニメ化を果たしました。

「キセイ蟲を倒すと、ヒーローの服が破れる」「H（エ）ネルギーをXEROギア（ゼロギア）によって力に変換し戦う」という設定からも分かる通り、笑えるエロスが満載の本作。敵であるキセイ蟲たちに、毎回有名な女性声優を起用しています。

　第一話に出てくる敵・キセイ蟲X役は、『キルラキル』鬼龍院皐月役でおなじみの柚木涼香さん。「なんてドエロい人間なのだ！！」と星乃の「H（エ）ネルギー」の大きさに驚き、叫びにも似たセリフとともに爆発します。

　そのほか、「リリカルなのは」シリーズ・高町なのは役の田村ゆかりさん、「ひぐらしのなく頃に」シリーズ・竜宮レナ役の中原麻衣さん、「Fate」シリーズ・遠坂凛役の植田佳奈さんなど、そうそうたるメンバーがやられ役に抜てきされました。

　アドリブも飛び交った「豪華蟲キャスト」たちの熱演を、ぜひツッコミながらご覧ください。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「Amazonプライム・ビデオ」などで見ることができます。

●『よんでますよ、アザゼルさん。』（2011年4月～放送）

『よんでますよ、アザゼルさん。Z』Blu-ray VOL.3（キングレコード）　 (C)久保保久/講談社・芥辺探偵事務所Ｚ

　アルバイトとして芥辺（あくたべ）探偵事務所で働く女子大生・佐隈りん子（さくま・りんこ／CV：佐藤利奈）。ある日、りん子の雇い主である芥辺（あくたべ／CV：浪川大輔）は、『グリモア』という魔術書を使って、悪魔を召喚します。芥辺の裏の顔は、「悪魔探偵」だったのです。

　召喚されたアザゼル（CV：小野坂昌也）は、「特技：セクハラ」という、とんでもなく下品な悪魔でした。アザゼルは芥辺にもらったいけにえと引き換えに、とある女性の「夫を浮気相手と別れさせて欲しい」という依頼を受けることになり――？

『よんでますよ、アザゼルさん。』は、同名マンガ（作：久保保久／講談社）を原作としたアニメです。原作は、2017年時点で累計発行部数300万部を突破した人気作品。ダイレクトな下ネタと、ひんぱんなスプラッター表現が特徴のブラックコメディです。本作は15分ほどのショートアニメにもかかわらず、ふざけたキャラクターに豪華キャストを多数起用しています。

　まず、『テニスの王子様』桃城武役でおなじみの小野坂さんは、隙あらば佐隈にセクハラしようとする、ゲス度満点のアザゼル役を担当。糞を食べるという特殊な魔界の貴族・ベルゼブブ役には神谷浩史さん、偏見に満ちた熱い男・サラマンダー役に中井和哉さんと、癖の強いメインキャラに有名声優がキャスティングされています。

　さらに、第2期にあたる『よんでますよ、アザゼルさん。Z』では、死ぬほど深刻な痔をわずらうマルコメ役に大塚明夫さん、その恋人ナース役には大塚さんの元妻・沢海陽子さんを起用。そのうえ、放送コードギリギリなド変態・変人48面相役に三木眞一郎さんを抜てきしています。やりたい放題感あふれるキャスティングが「無駄遣いすぎる」と、SNS上でも話題になりました。

　この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。

●『日常』（2011年4月～放送）

『日常』ディレクターズカット版 DVD-BOX（角川書店）

　相生祐子（あいおい・ゆうこ／CV：本多真梨子）は、ちょっと夢見がちな女子高生。仲良しの長野原みお（ながのはら・みお／CV：相沢舞）、水上麻衣（みなかみ・まい／CV：富樫美鈴）と平凡な暮らしをしているはずですが、急にこけしや赤べこが降ってくるなど、その日々はちょっと不思議。

　一方、彼女たちの高校の近くにある東雲研究所では、8歳のはかせ（CV：今野宏美）と、彼女が作った人型ロボ・東雲なの（しののめ・なの／CV：古谷静佳）、猫の阪本さん（CV：白石稔）が一緒に暮らしていて――？

『日常』は、同名ギャグマンガ（作：あらゐけいいち／KADOKAWA）を原作としたアニメです。原作は2015年に「SUGOI JAPAN」マンガ部門で第6位を獲得した人気作品で、日常ものでありながらロボや鹿が急に登場する、シュールで型破りな展開が持ち味。日常と見せかけた「非日常」を、おもしろおかしく描いています。そんな本作は、次回予告のナレーションに、豪華声優陣を起用しています。

　第一話の次回予告には、「なのちゃんの足の親指役」に桂玲子さんをキャスティング。桂さんは、国民的アニメ『サザエさん』の波野イクラ役でおなじみです。声優界の大御所を起用しておきながら、「容量は1ギガです！　もうちょっとほしいところですよね～」と、次回の内容に全く関係ないセリフなのも、ツッコミポイントといえそうです。

　そのほか、『ドラゴンボールZ』セル役の若本規夫さん、『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役の緒方恵美さん、『ドラえもん』野比のび太役の小原乃梨子さんと、毎回別の大御所が次回予告に登場。「次は一体どんな無駄遣いを見せてくれるのか？」とわくわくすること請け合いです。この作品は、「dアニメストア」「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」などで見ることができます。

＊　＊　＊

　思わずツッコんでしまう「声優の無駄遣いアニメ」を楽しめるのは、人気声優たちの出演があってこそ。「もっと仕事選んで！」と思いつつ、「いいぞもっとやれ！」と応援してしまうのは、アニメファンのサガかもしれませんね。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

（新美友那）