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今?『ゴールデンカムイ』の命がけ状況でも出たギャグの数々 結構無駄なことしたな…

マグミクス / 2022年6月20日 17時10分

今?『ゴールデンカムイ』の命がけ状況でも出たギャグの数々 結構無駄なことしたな…

■マッパなくして『ゴールデンカムイ』はないのか!?

 2022年4月に堂々完結を迎えた『ゴールデンカムイ』は、「感情闇鍋ウエスタン」のキャッチコピーどおり、冒険、歴史、サスペンス、狩猟グルメ、アイヌ文化など様々な魅力に心踊らされる作品です。そんななかでも読者の感情を上下左右に揺さぶりまくるのが、どんな状況でも関係なしでぶっこまれる大胆なギャグ。手に汗握る命がけの場面の真っ最中でも、次ページをめくるといきなりギャグシーン(またはギャグの直後に殺し合いパターンも)という、恐るべき空気の壊しっぷりは当たり前でした。

 作者の野田サトル先生は、2015年の映画評論家・町山智浩氏との対談で「シリアスなシーンが続くと『コレ面白いのかな』って不安になって、ぶち壊したくなっちゃうんです。」と語っており、このテイストは基本的にずっと続いています。今回はアニメ化された巻までで飛び出した、これぞ『ゴールデンカムイ』の醍醐味ともいえる、命がけ場面のどうかしているギャグの数々をご紹介します。

●王道感すらあるマッパ(真っ裸)ギャグ

『ゴールデンカムイ』では、必然性があろうがなかろうが、男キャラがマッパになるのは当たり前。シリアスシーンでのフリチンギャグは定番です。

 たとえば樺太で鯉登少尉、月島軍曹、谷垣、刺青囚人・岩息が、熊より恐ろしいといわれるクズリに襲われ、ロシア式蒸し風呂のバーニャに逃げ込んだときのこと。外にはクズリでバーニャは灼熱という絶体絶命の状況を、さぁどうする? と思ったら次ページは……なぜか4人ともマッパのどや顔で「バーニャ!!」の謎の大ゴマ。しかもカメラ目線です。かつて「ドルチェ&ガッバーナ」の下着広告に出た、パンイチのアズーリたちを彷彿とさせる迫力の大ゴマでした。

 また、杉元、白石、谷垣、キロランケ、尾形、チカパシご一行が露天風呂で都丹庵士率いる盲目の盗賊団に襲われた場面でも、マッパギャグが光りました。そもそも最初からみんなで温泉というシチュエーションが怪しく、ポージング&カメラ目線の見開きまである始末。そして、盗賊襲来で立ち上がった谷垣が敵の方向に振り向くたびに、その股間が白石の頭にぶつかります。命の危機にそぐわない、「ポコン」「ポコン」という音を響かせながら……。

 そして、マッパギャグには、美少女・アシリパ(リは小文字)さんも参加します。真っ暗闇の都丹のアジトを手探りで進むなか、全裸の杉元の尻に触れたアシリパさん。「杉元?」といいながら、なぜか尻ほっぺをぐいっと開いて、肛門をあらわにしてしまうのです(白石の顔マークで隠されてはいました)……なぜ?

 それ以前に、刺青囚人の辺見がレプンカムイ(シャチ)に沖に連れ去られ、杉元が海に飛びこむためにマッパになったときも、最初は両手で目を隠していたアシリパさんですが、次のコマでは指の隙間をあけて凝視し、杉元に「アシリパさん見ないでッ!!」と叫ばれていました。

■もはやギャグありきとしか思えない舞台設定も

死ぬ間際に無駄なことを思い出したキロランケが表紙の『ゴールデンカムイ』DVD9巻(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)

 もちろん『ゴールデンカムイ』のギャグは、マッパがらみだけではありません。

●伝説の剣豪がそんなことを……

 OVAでアニメ化された土方&永倉と尾形が戦った「茨戸の用心棒編」で、刺青人皮と人質の日泥一家の妊婦・千代子を交換する緊迫の場面でした。無事に交換が行われると思った瞬間、尾形の銃弾が千代子の腹を撃ち抜いたのです。が、実はこれは、新選組最強剣士と称された永倉が頭巾をかぶった変装姿でした。永倉が顔を覆っていた頭巾を外すと……なぜか口紅まで塗ってる……。日泥一家の息子・新平の「口紅 意味無いッ」のつっこみもありながら、殺し合いはそのまま継続です。

「あぁ、伝説の剣豪になんてことさせるんですかっ!」と思っていると、その後に永倉がヤクザ・久寿田馬吉と地元の汚職警官たちを一気に切り伏せる、かっこいい見せ場が待っていました。ただ、そんな場面でも永倉の口元にうっすら口紅が残っているのが、『ゴールデンカムイ』らしいバランスです。

●まさかのBL!

 こちらもOVAのみアニメ化、赤毛のヒグマ三頭と戦った「モンスター編」で、キロランケと白石、杉元とアシリパがヒグマに追われて逃げ込んだ農家にいた、怪しげなふたりの男、若山と仲沢。どちらかが競馬でヤクザの指示を無視したキロランケへの刺客ではないか、と全員がピリピリするなか……突然、BL展開に舵が切られたのには、びっくりです。

 彼らはヤクザの組長と子分ながら、「姫」「親分」と呼びあうラブラブの仲であることも明らかになり、今まさにヒグマが迫りくるというのに、全員の頭のなかは「姫!?」で占められてしまうのでした。そして、若山たちは最後まで立派に純愛を貫いています。

●バラエティ番組のお約束も!?

 こちらはアニメ化されていないエピソードですが、隠された刺青人皮を求めて、第七師団と夫婦強盗の「稲妻強盗と蝮のお銀」が入り乱れる油問屋の戦いでは、バラエティ番組の古典的仕掛け「ヌルヌル階段」が発動します。

 銃弾飛び交う危険な現場にも関わらず、食用油を流された階段で、鯉登も月島も二階堂も滑る滑る、また上っては滑る……。「野田先生、絶対コレがやりたくて舞台を油問屋にしましたよね」と思ってしまいます。歴戦の軍人たちが滑っている時の、何とも言えない表情も見ものです。

●いまわの際にもぶっ込む脱力ギャグ

「樺太編」の流氷の上での攻防で、ついに命を落とすキロランケ。杉元たちを裏切りつつも、「ここまでアシリパを連れてきたのは無駄じゃなかった」と旅を振り返るのですが……。

 いまわの際の走馬灯には、白石や尾形と一緒にやったロシアの伝統競技であるスチェンカの試合(アシリパがノリノリで応援している)や、バーニャ(アシリパが小窓からのぞいている)なども浮かんでしまい、キロランケは「いや結構無駄なことしたな」としみじみと思い返すのでした。「杉元たちと同じことしてたんかい」とツッコみたくなる走馬灯、物語のキーとなる重要なシーンさえただでは済まさないのが『ゴールデンカムイ』です。まぁ、人間、「ぷふッ」と笑える思い出を胸に旅立てれば、最高に幸せなのかもしれませんね。

 これからアニメ化される第4期以降の『ゴールデンカムイ』にも、まだまだ衝撃のギャグシーンが満載です。ぜひ、その目で見て呆れて(褒め言葉)ください。

(古屋啓子)

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