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『トイ・ストーリー4』が地上波初放映 ファンの間で賛否が割れた「驚きの展開」

マグミクス / 2022年6月24日 20時30分

『トイ・ストーリー4』が地上波初放映 ファンの間で賛否が割れた「驚きの展開」

■「金ロー」にてノーカット&初放映

 もしも、子供部屋にいるオモチャたちがそれぞれ人格を持っていて、人間が見ていないところで自由自在に動き回っていたら……。そんな想像力を心地よく刺激してやまないのが、ピクサー・アニメーション・スタジオ制作の人気アニメ「トイ・ストーリー」シリーズです。

 カウボーイ人形のウッディと宇宙のヒーローであるバズ・ライトイヤーとの名コンビ誕生を描いた『トイ・ストーリー』(1995年)は、世界初の長編3DCGアニメとして各国で大ヒットしました。シリーズ化され、ピクサーを代表する人気作となっています。

 2022年6月24日(金)の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)では、地上波初となるシリーズ第4弾『トイ・ストーリー4』(2019年)がノーカット放映されます。アクションシーン満載で、日本の興収だけで100億円を突破した大ヒット作『トイ・ストーリー4』ですが、往年のファンの間では評価が割れているようです。なぜ、賛否を呼ぶことになったのでしょうか?

■自己評価の低い新キャラクターの「フォーキー」

 ウッディやバズは、人間の少年・アンディが所有するオモチャでした。オモチャを大切に扱うアンディ少年ですが、それでも新しいオモチャが発売されると目移りしてしまいます。アンディのお気に入りのオモチャの座をめぐって、ウッディたちの悲喜こもごもなドラマが繰り広げられてきました。

 6月17日に「金ロー」で放映された『トイ・ストーリー3』(2010年)は、少年だったアンディが大きくなり、大学進学のために家を離れ、オモチャたちとお別れする物語となっていました。アンディの成長を願うウッディたちの想いに、多くの視聴者が感動したことでしょう。

 美しいフィナーレを飾った『トイ・ストーリー3』でしたが、同じくピクサーが制作した『インサイドヘッド』(2015年)などの脚本を担当したジョシュ・クーリー監督によって、9年ぶりの新作となったのが『トイ・ストーリー4』です。実家を出たアンディからオモチャを譲られた少女・ボニーの家で、ウッディたちおなじみの顔ぶれは新生活を送っています。

 4歳児のボニーは幼稚園に通うことになりますが、内気な性格でなかなか人間の友達ができません。そんなボニーは、手作りのオモチャ・フォーキーを工作します。

 このフォーキーは、プラスティックの先割れフォークとモールの切れ端で作られており、ウッディやバズに比べると見た目はまったくかわいくありません。そのことはフォーキー自身も自覚しているようで、自分のことを「ゴミ」だと思い込み、すぐにゴミ箱に飛び込もうとします。自己評価がめちゃくちゃ低いキャラクターです。

 これまでウッディやバズたちの胸を熱くする冒険と友情の物語を楽しんできたファンにとって、幼稚園児のボニーが作ったフォーキーは、すぐには感情移入しにくい存在です。

 フォーキーのような珍妙なキャラクターを、新しい仲間としてファンは受け入れることができるのか。風変わりなフォーキーの存在を認めるかどうかは、言葉を言い換えれば「多様性のある社会」を受け入れるかどうかでもあります。『トイ・ストーリー4』は社会的テーマを内包しているようです。

■ウッディの将来を左右する陶器人形のボー・ピープ

ウッディたちと再会したボー・ピープ(右)は、不在の間にたくましく自立したオモチャになっていた

 シリーズを当初から観てきたファンには、懐かしいキャラクターも登場します。ボニーたち一家はキャンピングカーに乗って出かけ、ウッディたちもお供をすることに。しかし、フォーキーが車の窓から外に飛び出したため、責任感の強いウッディは探しに向かうのでした。

 フォーキーを連れ戻そうと苦闘するウッディが再会することになるのは、羊飼い人形のボー・ピープでした。ボー・ピープは『トイ・ストーリー2』(1999年)以来となる久々の再登場です。

 かつてはウッディと「いい感じ」の仲だったボー・ピープでしたが、別人のようにたくましくなっています。アンディの家を離れたボー・ポープは特定の子供の所有物にはならず、いろんな子供たちと遊ぶようになっていました。自分の意思で子供を選ぶ、孤高の「野良オモチャ」となっていたのです。

 他にも多彩なオモチャたちが登場します。アンティーク店にずっと飾られている「おしゃべり人形」ギャビー・ギャビーは、自分を必要としてくれる女の子との出会いを待っています。スタントマン人形のデューク・カブーン、移動遊園地の射的場の主となっている「ぬいぐるみコンビ」ダッキー&バニーも大いに活躍することになります。彼らの動きを観ているだけでも、ワクワクします。

 新キャラたちの出番が増えた分、カウガール人形のジェシーやポテトヘッドたちの出演場面は限られてしまっています。往年のファンは、そのへんも寂しく感じたようです。

■シリーズの大前提がラストシーンで揺らぐことに

 近年は人工知能の進化が著しく、2045年には人工知能が人類の知能をしのぐことが予測されています。大きく異なる世の中になると想像されます。

 ウッディたちオモチャが、いつから意識を持つようになったのかは定かではありません。でも、ウッディはアンディやボニーら人間の子供たちと遊ぶことで、人格が形成されていきました。そして『トイ・ストーリー4』ではボー・ピープと再会したことで、自立した存在へと目覚めていきます。

 オモチャを所有する子供と空想の世界で一緒に遊ぶことが、オモチャたちにとって最高の幸せであることが、これまでのシリーズでは繰り返し語られてきました。でも、その大前提から、ウッディは解き放たれることになるのです。

 かなりぶっ飛んだ展開になっているため、これまでのシリーズに親しんできたファンのなかには抵抗を感じてしまった人もいるようです。でも、ウッディたちをオモチャではなく、独自の人格を持つ存在として考えた場合、必然的な結果だったのかもしれません。

 バズやジェシーといった強い絆で結ばれた仲間たちと、ウッディはこれからも一緒に過ごすかのか。それとも自意識を持った存在として、新しい世界への冒険に旅立つのか。ラストシーンで、ウッディがどんな決断を下すのかも大注目です。

(長野辰次)

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