『エヴァ』『ナウシカ』にも影響大!唯一無二の漫画家・諸星大二郎の絶対読むべき作品
マグミクス / 2022年6月27日 18時50分
![『エヴァ』『ナウシカ』にも影響大!唯一無二の漫画家・諸星大二郎の絶対読むべき作品](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_97629_0-small.jpg)
■人気アニメの陰にも諸星あり!?
奇才と名高い漫画家・諸星大二郎先生ですが、名前は知っていても作品は読んだことがないという人は案外多いのではないでしょうか。独特な画風に躊躇しているのだとしたら、実にもったいないことです。各界のクリエイターたちにリスペクトされ、多大な影響を与えている諸星作品は、一度読んだらハマること必至の名作だらけなのですから。
今回は唯一無二といわれる諸星ワールドの魅力と、絶対に読むべき作品をご紹介します。
諸星大二郎先生がいかに特別な存在かは、先生をリスペクトし、影響を受けた顔ぶれからもうかがえます。『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督は「僕は諸星先生の作品で自分の基礎ができている」と語っていますし、宮崎駿監督も諸星先生の話を始めると止まらなくなるほどの大ファンで、マンガ版『風の谷のナウシカ』も諸星先生の影響を色濃く受けていると言われています。また髙橋留美子先生は『うる星やつら』の主人公・諸星あたるの苗字を、諸星先生からとったのだそうです。
そんな諸星作品の魅力は、神話、民俗学、考古学、奇祭などを題材に描かれる、妖しくも神秘的な世界観です。異能や異形のモノたちが登場する作品も多く、ページをめくった瞬間にそこには「諸星ワールド」という異世界が広がっています。日常生活を描く作品であっても、小さなゆがみが存在し、そこから読者は異世界へと引き込まれてしまうのです。
さらに、独特の画風が「諸星ワールド」の色を決定づけます。浦沢直樹先生がその特徴を「確定した線を描かない」「とても曖昧な線になっている」と語るように、細かなタッチを重ねた独特の画風は、作品全体に得もいわれぬ不安感を醸し出しています。それは「マンガの神様」手塚治虫先生にも「僕が唯一描けないのは諸星大二郎の絵だけだ」と言わしめたほどの、唯一無二の筆致なのです。
■まずは読んでほしい!おすすめしたい諸星作品とは
諸星大二郎作品の実写化映画『ヒルコ 妖怪ハンター』ビジュアル (C)KEIKO KUSAKABE・MAKOTOYA CO.,LTD/SHINYA TSUKAMOTO・KAIJYU THEATER ALL RIGHTS RESERVED. (C)2009 DAIJIRO MOROHOSHI/SHUEISHA
1970年のデビューから50年以上、独特な「諸星ワールド」を描き続けてきた諸星大二郎先生の膨大な作品のなかで何を読めばいいか迷ったら、まずはこの3作品からおすすめします。
●『暗黒神話』
『暗黒神話』は1976年に「週刊少年ジャンプ」で連載され、「伝奇マンガの金字塔」とも呼ばれる初期の代表作です。主人公の少年は父の死の謎を追ううちに、宿命の渦に飲み込まれていくのですが、物語にはヤマトタケル伝説や、神話、遺跡、宗教などの要素が緻密に組み込まれています。さらに話は宇宙の成り立ちにまで及ぶという、壮大なストーリーです。
庵野秀明監督は諸星先生との対談で、ひとりの少年が世界を背負うという設定に「ものすごく惹かれた」と話していますが、これはまさに『エヴァ』の碇シンジと通じるところでしょう。また、旧劇場版『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』のラストシーンにも『暗黒神話』の影響があると話しており、『エヴァ』ファンにもぜひ読んでいただきたい1冊です。
●『妖怪ハンター』
沢田研二さん主演で映画化(『ヒルコ 妖怪ハンター』)もされた『妖怪ハンター』は、考古学者の稗田礼二郎が、日本各地で遭遇する奇怪な現象や事件を、古文書や伝承などから読み解いていく物語です。『妖怪ハンター』というタイトルではありますが、妖怪とのバトルがあるわけでなく、歴史ミステリーの要素が強い連作です。
題材は、平家伝説、瓜子姫伝説、河童伝説など興味深いものばかりですが、なかでも隠れキリシタンを題材にしたエピソード「生命の木」は、名作中の名作。「おらといっしょに ぱらいそさ いくだ!!」の名ゼリフは忘れられません。
●『マッドメン』
この作品は、古代日本とパプアニューギニアを結ぶ謎を追う物語です。島の伝説、少年の刺青の秘密、大いなる精霊の存在、そして日本の神話とのつながり……など、舞台を南の島にしても、やはり諸星ワールドが炸裂しています。宮崎駿監督の『もののけ姫』にも影響を与えたと言われ、ミュージシャンの細野晴臣さんは、この作品に触発されて「THE MADMEN」という曲を書き上げたそうです。
他にも、手塚賞を受賞したものの、あまりの完成度に無名の新人の作品とは思えないと盗作を疑われた初期作『生物都市』、西遊記をモチーフとした超大作『西遊妖猿伝』など、ご紹介したい作品はまだまだあります。ぜひ、諸星作品の扉を開けて、その世界に触れてみてください。
(古屋啓子)
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