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梅雨の時期に登場する「追加プリキュア」 期待を集めるのは「季節感ある演出」?

マグミクス / 2022年7月2日 8時50分

梅雨の時期に登場する「追加プリキュア」 期待を集めるのは「季節感ある演出」?

■追加プリキュア登場に「季節感」を生かした演出も

 今年2022年は例年より早く梅雨明けしましたが、いつもなら6月中旬から7月上旬くらいというと、うっとうしい梅雨の季節です。しかし、この季節を毎年、待ち遠しく思う人たちもいます。それは、プリキュアファンの人たち。どうして待ち遠しく思うのでしょうか?

 この梅雨の季節はプリキュアシリーズにとって、前半の山場とも言える展開、すなわちプリキュア追加メンバーの登場があるからです。

 この梅雨の季節に新しいプリキュアが発表され、梅雨が明ける頃にはチームに仲間入りする……というのが、プリキュアのパターンのひとつです。そして夏休みが始まって、新しいメンバーと旅行や合宿などを通じて交流を深めるのがお約束。追加メンバーが加わったことでエンディングも新しいものに変わり、「後半戦突入」という気分を盛り上げてくれます。

 もっとも、このパターンが絶対かというと、そうでもありません。第1作『ふたりはプリキュア』と第4作『Yes!プリキュア5』は、続編の初期話数で追加メンバーが加わる形になっていました。ただし、名前が現在のように「キュア○○」という形ではないため、正確にはプリキュアとは言えないかもしれません。もっとも違うのは名前程度で、公式的にもほとんどプリキュアと同じ扱いを受けています。

 そういった意味で正式な追加プリキュアは、第6作『フレッシュプリキュア!』のキュアパッションが初めてとなるでしょう。このキュアパッション・東せつなは、もともと敵側のレギュラーキャラであるイースでしたが、主人公であるキュアピーチ・桃園ラブとの出会いにより心が動かされてプリキュアとなりました。

 文字数の都合であっさりと書きましたが、そこに至るまでの葛藤や仲間になる流れを丁寧に描き、どうして仲間になるのかのストーリーを何話もかけて盛り上げています。プリキュアシリーズのファンには、今でも語り継がれる素晴らしい展開でした。

 ちなみに、せつなが初めてキュアパッションになるシーンは雨中の対決の後、一転して青空になるという演出が成されています。スタッフが意図したものかはわかりませんが、筆者には鬱々とした梅雨空の季節らしい、雨のち晴れの清々しさを感じさせる演出だと思いました。

 この梅雨の季節らしい演出はのちの作品に受け継がれ、翌年のシリーズ第7作『ハートキャッチプリキュア!』でも、明堂院いつきがキュアサンシャインに変身するシーンで暗かった空に太陽の光が差し込むようになります。その次回作、第8作『スイートプリキュア♪』でも、セイレーン(黒川エレン)が初めてキュアビートに変身したシーンは雨の降るなかとなっています。

 ただの偶然かもしれませんが、プリキュアの追加メンバーの初登場は季節感ある演出が続いていたイメージがありました。そのため、どんよりとしていますが梅雨の季節はプリキュアファンには待ち遠しい季節と思えるわけです。

■プリキュアが増えなかったチームもあった

「~キュア」と名づけられた最初の追加プリキュアがキュアパッション/東せつなだった。画像は「S.H.フィギュアーツ キュアパッション」(BANDAI SPIRITS)

 しかし、前述したようにこのパターンは絶対ではありません。それは新しいプリキュアが追加されなかった作品もあるからです。

 この時のプリキュアとは、レギュラーとして追加されるプリキュアのこと。実はゲスト扱いで登場したプリキュアは少なくありません。特に最終回間際で、それまでのレギュラーキャラがいきなり変身することは割とありました。その最初のふたりが第3作『ふたりはプリキュアSplash☆Star』の霧生満と霧生薫です。

 このほか、第11作『ハピネスチャージプリキュア!』では世界各地にプリキュアがいるという設定で、数多くのプリキュアが登場しました。また、作品によっては男性もプリキュアになるという展開もありますが、そういったキャラを含めるとキリがないので省略させてもらいます。

 話を元に戻すと、現在のところ公式に追加プリキュアが登場しなかった最後の作品が第9作『スマイルプリキュア!』でした。しかも、追加されなかったのは敵側のレギュラーキャラもです。そして、終盤まで誰も脱落することなく物語は進行していきました。

 このレギュラーが変わらないという展開は一見すると変化の乏しいものに思えますが、本作の波乱万丈な展開は見たことのある人ならば、キャラが追加されなくてもさまざまなストーリーを見せてくれたことを知っていることでしょう。そのキャラ人気の高さはプリキュアだけにとどまらず、放送当時は敵キャラのウルフルンの抱き枕が販売されるほどでした。

 メインとなる変身アイテムの「カラフル変身! スマイルパクト」は、発売3か月で20万個以上を売り上げる大ヒット商品となり、日本おもちゃ大賞2012ではガールズ・トイ部門の大賞を受賞しています。年度売り上げの106億円はプリキュア作品歴代5位でした。

 この数字を見ると、本作が順風満帆な大ヒットだったと誤解する方もいるかもしれません。しかし、実はこの数字は前述の「スマイルパクト」の売り上げがほとんどで、後半は失速してしまったと当時の玩具専門雑誌に取り上げられています。すなわち、失速せずに売り上げを伸ばしていれば、こんなものではなかったと言われていました。

 一説によると、この失速があって「プリキュアにはやはり追加メンバーが必要」となったそうです。事実、翌年の第10作『ドキドキ!プリキュア』では序盤は商品的には苦戦しながらも、追加プリキュアであるキュアエースの登場と新アイテムの追加でV字回復しました。

 男児玩具になりますが、「仮面ライダー」シリーズも「スーパー戦隊」シリーズも中盤で新キャラの追加と新アイテムが登場するので、1年間放送する子供向け番組にはこういった追加キャラは必須なのかもしれません。

 もっとも個人的にはプリキュアシリーズの追加キャラは毎回、「こんな展開になるんだ」という驚きがあるので楽しみにしています。2022年現在放送中の第19作『デリシャスパーティ プリキュア』も、いよいよ追加プリキュアの登場が目前となりました。今年はどんなドラマを見せてくれるのか? 楽しみで仕方ありません。

※作品タイトルのなかの「ハート」マークは、配信先で機種依存文字が表示できない関係で、やむを得ず半角スペースに置き換えています。

(加々美利治)

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