「抱っこすると騒ぐ」と飼育放棄されたミックスの子犬 保護後は夜鳴きもなくお利口さん「遊ばせてもらえずストレスだったのかな」
まいどなニュース / 2024年5月25日 15時30分
「我が家の家族」として迎えいれたにもかかわらず、飼育放棄する人が後をたちません。2023年5月、犬保護団体・restartdog LIEN(以下、リアン)に引き取られることになった生後8カ月のチワワとダックスのミックス犬・ガーナちゃんも元飼い主から飼育放棄されたワンコでした。
「夜鳴きがひどい」「抱っこすると大騒ぎ」
ガーナちゃんが飼育放棄された理由は「あまりに夜鳴きをするため、夜眠れないから、どうしても飼えない」「何カ月も我慢したけど、もう無理」「抱っこすると、騒いで大人しくしてくれない」といったものでした。
しかし、ガーナちゃんはまだ生後8カ月の子犬です。一番元気のある頃に、遊ばせてあげないとストレスが溜まり、鳴いたり騒いだりすることは当然あります。元気が有り余っているときに「大人しく寝てなさい」とケージに入れられたら、出してほしくて騒ぐこともまたよくある話です。
ガーナちゃんが飼育放棄された理由を聞き、複雑な思いを抱くリアンのスタッフでしたが、ここで悲しんでいても、ガーナちゃんの未来が明るくなるわけではありません。努めて明るく、ガーナちゃんのお世話をし、新しい里親さんへと繋げられるようにがんばろうと心に誓いました。
当初聞いていたものとはまるで違う行動に「?」
ガーナちゃんは、リアンと提携する優しい預かりスタッフの家に迎え入れられましたが、ある程度予測していた「夜鳴き」は一度もありませんでした。そして、神経質な性格でもなく、むしろ穏やか。夜中にどこかで物音がしても騒ぐこともありません。さらに抱っこも普通にさせてくれ、騒ぐことなくうれしそうな表情を見せてくれます。
ただ、散歩だけは上手とは言えませんし、散歩中のマーキングなどもしません。しかし、スタッフと一緒であれば固まったりすることなく、うれしそうに外を歩いてくれます。
元飼い主さんがガーナちゃんを熱心に散歩に連れていっていたかどうかはわかりませんが、ちゃんと愛情をかけて、根気強く向き合えば、心を開いてくれる明るく優しいワンコだとスタッフは思いました。
保護からわずか数週間で幸せをゲット
健康面、性格ともに良好なガーナちゃんですので、スタッフは「新しい里親さんへのマッチングにはそう時間がかからないだろう」と思っていました。その予感は的中し、なんと保護からわずか数週間で里親希望者さんが現れました。もともとチワワとダックスのミックス犬を飼っていた経験のある優しそうな夫婦でしたが、元飼い主のエピソードから「相性面」での不安がないわけではありません。
そのため「念には念を」として、一度トライアルとしてガーナちゃんを里親希望者さんに預け、一定の期間を経て正式譲渡をすることにしました。
このトライアルの間も、やはりガーナちゃんは里親希望者さんのお家でもお利口に過ごしていたと言います。里親希望者さんのお家は、高層マンションで広々。まさにシンデレラストーリーを掴んだガーナちゃんでしたが、新しいお家では「レアちゃん」という新しい名前をもらい、楽しく健康に過ごしていると言います。良かったね、ガーナちゃん!
幸せにリスタートできるワンコを1匹でも多く
一度は「我が家の家族」として迎えいれたワンコが、手放される場合、そのほぼ全てがワンコではなく人間の側に問題や事情があります。今回ご紹介したガーナちゃんもまた、当初聞いていたエピソードとはまるで違う性格や行動、そして笑顔を見せてくれました。
ガーナちゃんのように心ある人たちの連携により、本当の幸せを掴むことができたワンコはまだ良いですが、残念ことにそうでないワンコもまだまだたくさんいるのも現実です。
リアンでは、こういった行き場を失ったワンコたちを、もう一度人間を信じてもらえるよう、幸せへと繋ぐ活動を行なっています。ぜひ今後の活動の様子も、公式ブログなどからチェックしていただければ幸いです。
犬保護団体 restartdog LIEN
https://ameblo.jp/liendog/
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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