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毛玉が異臭を放つ保護犬 極度に「散歩」を嫌がるのはなぜ? 「また棄てられる」と怯えているの? 

まいどなニュース / 2024年4月11日 15時30分

福岡県の動物愛護センターに収容され、収容期限を過ぎ殺処分寸前だったケイちゃん

2023年11月、福岡県の動物愛護センターに1匹のトイプードルの血が入ったミックス犬が収容されました。後に付けられた名前は「ケイちゃん」。福岡県太宰府市を彷徨っていたところを捕獲され、収容されました。

動物愛護センターの職員の見立ては「推定10歳ほど」。明らかに飼い犬であり、意図的に棄てられた可能性が高いです。収容期間中、飼い主からの名乗りはなく、収容期限が切れて殺処分対象となっていました。

10年前後、大好きだったであろう飼い主と過ごしながら、ある日突然棄てられ、ひとりぼっちで彷徨っていたケイちゃんの気持ちを思うと、胸が苦しくなります。このケイちゃんを引き出すことに決めたのが福岡県を拠点に、ワンコの保護活動を行うボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす(以下、はぴねす)。

ケイちゃんは伏し目がちにはぴねすの代表の姿を見つめました。

恐ろしいほど伸び切った爪は肉球に刺さる寸前

ケイちゃんの体はうんちが絡んだ毛玉で異臭を放っていました。爪は伸び、肉球に刺さる寸前でした。

代表がケイちゃんに「おいで」と声をかけると、恐る恐る近づいてきてくれました。はぴねすの支援者からもらったバリカンでけがをさせないように汚れた毛玉をカット。懇意のドッグサロンで綺麗にトリミングしてもらうことにしました。

「散歩」と知ると足元に隠れて震えてしまう

ケイちゃんは代表の家で暮らし、新しい里親さんとの出会いを目指すことにしました。

他の保護犬も数匹過ごしていますが、ケイちゃんは控えめな性格で、他のワンコとの争いごとを極度に嫌がりました。子犬たちがケイちゃんの体にぶつかってきたり、唸っていると、端に避けるほどの争いを好まない穏やかなワンコでした。

お利口さんで控えめですが、一つだけ極度に怖がることがありました。

それは散歩。代表がケイちゃんを散歩に連れ出そうとすると、足元に隠れて震えます。あくまでも想像ですが、「散歩と思って出かけたところ、飼い主に棄てられた」というトラウマがケイちゃんに残っていて、それで散歩となると震えてしまうように感じられました。

たっぷりの愛情を受け心を開いてくれた

まずはこちらを信用してもらうことが先決。ケイちゃんを毎日抱っこして、夜も代表と一緒に眠るようにしました。1カ月ほど経過した頃から、はしゃいだり走り回る姿が見られるようになり、初めてのドッグランでは代表の後をうれしそうに走って追いかけてきてくれるようにもなりました。

トラウマが完全に払しょくされたとはいえませんが、代表のたっぷりの愛情を受け、ケイちゃんは今日も本来の明るさを取り戻すための日々をおくっています。

わんにゃんレスキューはぴねす
https://ameblo.jp/happines-rescue/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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