飼い主が突然死 不安を抱えての脚の大手術 苦難を乗り越えたポメラニアンに幸あれ 痛みも消えてお散歩トレーニングに励む日々
まいどなニュース / 2024年5月23日 17時30分
愛知県を拠点に行き場を失ったワンコたちを幸せへとつなぐ活動を続ける一般社団法人SORA小さな命を救う会(以下、SORA)。2023年10月、ある相談が持ちかけられました。「飼い主が突然死を遂げ、飼っていたオスのポメラニアンが行き場を失うことになったので引き取って欲しい」というもの。
引き取りに向かったスタッフが見たのは飼い主を失い不安そうな表情の真っ白なワンコ、シリアルくん。3本足でぎこちなく歩いていました。
右足の骨格異常で筋肉が90度以上の回転も
すぐに動物病院で診てもらったところ、後ろ両足の膝蓋骨脱臼(しがいこつだっきゅう)との診断。この影響で3本足で歩いていたようでした。特に右足は骨格異常と合わせて筋肉の拘縮(こうしゅく)が著しいといいます。
ただ、手術すれば改善が見込めるそうで、スタッフは迷わず手術を依頼。大腿骨の骨軸修復するため、骨切り術併用でプレート固定、ボルト挿入といった大手術となりましたが、手術は無事終了。シリアルくんは入院することになりました。
4本足で歩けるようになり笑顔を浮かべた
退院後も、頻繁に通院する必要がありましたが、この間の献身的な世話などを経て、シリアルくんはやがて笑顔を見せてくれるように。術後の経過も順調で4本足で歩けるようになりました。「すごいね! シリアルくんががんばったからだよ」と声をかけると、うれしそうに尻尾を振るシリアルくんでした。
不安が解消されたからでしょうか、シリアルくんは本来の性格も見せてくれるようになりました。好奇心旺盛で体を動くことも大好き。興味のあるものを見つけては、迷わず向かっていく明るく元気なワンコでした。
他のワンコとの協調性も抜群で、SORAのシェルターにいる仲間たちとも仲良し。遊びながら楽しく過ごすようになりました。
長年の癖で足を上げてしまうことはあれど…
長年の癖でたまに足を上げてしまうことがありますが、痛みは全くないようで、いつも機嫌よく過ごしています。散歩の経験は乏しいため、現在はトレーニング中。少しずつ歩ける距離を伸ばしていき、第二の犬生へと向け、日々がんばっています。
飼い主と突然の別れ、不安を抱えての大手術を経験したシリアルくん。近い将来、「ずっとのお家」をつかんでくれ、幸せな生活を送ってほしいものです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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