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ペットボトルをグビリ→3日で3.5キロ増…そんな増えるなんて 16歳から一生続く「透析」、SNSで「あるある」発信する理由とは

まいどなニュース / 2024年5月23日 6時40分

風呂上がりには「コアップガラナ」が一番?(提供:かさごんさん)

暑い日が続き、たくさん水分でのどを潤したいところですが、好きなだけ飲み物を飲むことができない人も。治療に仕事、TikTokerを両立する、24歳のかさごんさんに話を聞きました。

学生の頃から週3回人工透析を受け、「透析あるある」をTikTokなどで発信しているかさごんさん。(kasagon_0302)。ほんの1日油断しただけでも、体重が増えるという「あるある」動画が話題に。

風呂上がりに北海道民が愛する清涼飲料「ガラナ」をペットボトルからグビリ。父親に飲み過ぎを心配されても「明日、透析だし大丈夫」とのんきな様子。翌朝、学校で友達に600mlペットボトル入りのカルピスを奢ってもらい、昼休みまでに飲み干してしまいました。

短時間で飲み切ったことを心配する友達。「どぉ~ってことないって」と言うかさごんさんですが、病院の透析室で看護師に体重が3.5キロ増えていたことを告げられ、「今度からは少し控えなね」と注意されてしまうのでした。

透析について知っている方から、「体重のコントロール難しいよね」「もはや3kgなら抑えた方だと思っちゃいます笑」「透析の方よく職業柄関わりますけど大変そうだなって思っちゃいます」など、ねぎらいの言葉が寄せられました。

なぜ、飲み物だけでそんなに体重が増えるの? なぜダメなの?

かさごんさんが受けている「人工透析」は、血液中の不要物や老廃物をろ過して尿にする腎臓が「ろ過」の機能を充分果たせなくなった時、老廃物などを取り除くために行う治療です。

腎臓の機能が人工透析を必要なほど低下している人は、摂り過ぎた水分を尿として出しづらく、体に溜まった水分量がほぼそのまま体重に反映されます。

水分が増えすぎると、むくみ、呼吸困難、血圧上昇などの合併症状につながり、悪化すると心不全や肺水腫の原因にも。看護師が体重増加にシビアだったのには理由があったのです。

また、人によって体重の変化の基準は異なります。透析をはじめる際、透析で体内の余分な水分を除いた後の達成すべき目標体重「ドライウェイト」を設定し、それを目安に体重や摂取する水分量を管理します(数値は定期的に検査で変動、医療情報メディア【medicommi】『透析を受けている人がムリなく水分制限できるようになるには?』参照)。

かさごんさんは透析が中1日の場合は、3キロ未満までの増加に設定されているため、今回は0.5キロもオーバーしてしまったのでした。

ほか、水分量だけでなく、塩分の量も制限する必要も。また、たくさん汗をかいた時は基準の量を超えて水分を摂取することになりますが、体重を量りながら少しずつ飲まなければならないそうです。

とは言え、水分補給だけでは味気なく、ひんやりとした味覚を楽しみたいのは誰もが同じはず。かさごんさんはどんな工夫で暑い時期を乗り切っているのか、聞きました。

「氷を舐めてしのいでる時もありますね」

かさごんさんは2歳の時に腎臓などに障害が出る遺伝性のアルポート症候群であることが判明し、投薬で透析を受けるのを遅らせていたそうです。しかし、2016年1月に事態は急変。

「高1の冬に風邪をひき、運悪く溶連菌というものにかかって腎機能が一気に下がり、血尿が出て入院し透析になりましたね」

夏場の水分補給や塩分の制限への対策として、「水分に関しては氷を舐めてしのいでる時もありますね。塩分は基本的に外食しないこととお菓子を食べないことですかね」とかさごんさん。

なんともストイックに思えますが、時にはアイスクリームを食べたり、スポーツドリンクを飲んだりすることも。ほかの人のように暑いからといって冷たいものを漫然と飲んだり食べたりはせず、我慢とご褒美のメリハリを効かせているようです。

放課後、仕事後…ずっと通わなければいけない透析

16歳で透析を開始したかさごんさんは、授業が終わった放課後に病院に行き、透析を受けていました。人工透析は一度始めると腎移植をしない限り一生続けることになります。

社会人となった現在は、仕事が終わってから透析を受けており、休みの日は昼頃から病院に行っています。

職場で配慮してもらえるとうれしいことは、「透析だと早く帰ったりするので、そこはわかってくれるとありがたいですかね」。歓迎会や忘年会など就業時間外での催し物は参加していないとのことです。

飲み物や食べ物、職場などと折り合いをつけて付き合うことで、生活を充実させているかさごんさん。周りにできるのは、病気や治療について理解したうえで、本人の意思ややり方を尊重することなのかもしれませんね。

かさごんさんはTiktokのほか、YouTube、Instagram、Xで、透析患者の日常の様子や高校時代のエピソードをわかりやすく動画で発信。少しでも透析についての知識を広めるため、「良ければフォローお願いします」とのことです。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・谷町 邦子)

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