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助けた黒猫にはいくつもの重い病気 「穏やかに過ごすため手術を諦めましょう」 獣医師の言葉にボランティアは決意した

まいどなニュース / 2024年6月8日 17時30分

多くの人たちからの愛情を受け、スヤスヤと旅立ったことねちゃん

2023年10月、千葉県内のとあるエリアに出没する黒い外猫がいました。よく見ると、右後ろ脚の付け根に傷があり痛がっている様子。

「ちゅーる」を与えてみると、警戒心は薄く、近くまで来てくれました。しかし今夜の天気予報は雨。このまま放っておくわけにもいきません。すぐに自身が参加する地元の団体、ねこ友会のグループLINEに「なんとかできないか」と投稿。これを受けた他のメンバーが現場に行き、この黒猫を保護することにしました。

右後ろ脚の怪我だけでなく複数の重篤な病気を抱えていた

後にこの黒猫につけられた名前は「ことねちゃん」。保護時、右後ろ脚のけがだけでなく、かなり衰弱しており、か細い声で鳴くのがやっとでした。

保護翌日、メンバーは朝一番で動物病院で診てもらいました。右後ろ脚のけがはけんか傷でしたが、体のあちこちに病気があるとのこと。そのままことねちゃんは入院することになり、動物病院で医療ケアをしてもらうことになりました。

「残された時間を少しでも穏やかに」

「多少時間がかかっても良いから、いつか元気になってね」

獣医師の懸命の治療で1カ月が経過するころ、元気な表情を見せてくれるようになりました。

しかし、ことねちゃんが抱えていたいくつもの病気は重篤でした。たとえ一つずつ手術に踏み切ったとしても、ことねちゃんの体への負担は相当重く、それを考えると「リスクしかない」という診断でした。「仮にことねちゃんが自分の家猫だったとして考えても、残された時間を少しでも穏やかに過ごしてもらうことを目指し、手術は諦めたほうが良い」と獣医師は語りました。

そう長くは生きられないことねちゃんが、その生涯を終えるまでたくさんの愛情を注ぎ世話をする。そうスタッフは決意しました。

虹の橋の向こうでも不安なく過ごしていてね

退院後、ことねちゃんは預かりボランティアさんの家で過ごすことになりました。心配されたことねちゃんは、外で生き抜いてきただけあって、先住のボス猫の場所を奪い鎮座。そして、他の猫にエサを奪われることもなくしっかり食べる日々を送っていました。

「多少勝ち気なことねちゃんだけど、こんな毎日が少しでも続いてくれれば」とボランティアさんは願いましたが、2024年3月26日ことねちゃんは旅立ちました。スヤスヤと眠るように顔をしていました。

長くは生きられないことを承知の上で預かったボランティアさんは、旅立つまで安心して過ごせる環境を心がけ、保護から年をまたぎ桜の花を愛でる時期まで一生懸命生き抜いてくれたことねちゃんに感謝しました。

外猫として過酷な環境を生き抜いたものの、晩年にはメンバーからの深い愛情をもらい安心して過ごせたことねちゃん。虹の橋の向こうでも穏やかに過ごしてね。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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