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11歳まで繁殖 保護されたビション・フリーゼは悲しげな瞳だった 抱き上げると腕の中ですやすや 「うちにおいで」と優しい家族にめぐり会えた

まいどなニュース / 2024年6月17日 17時30分

11年間も繁殖犬として酷使され続けたオスのビション・フリーゼ、ふわくん

ある繁殖場に1匹のオスのシニア犬がいました。ビション・フリーゼのふわくんというワンコで11歳。この歳になっても繁殖に使われていましたが、ある保護団体によって助けられ、後に静岡県の保護団体、スリール~犬達の幸せ探し~(以下、スリール)にその未来が託されました。

抱き上げると腕の中でスヤスヤと眠った

保護当初のふわくんは悲しそうな表情で、スタッフの顔をじっと見つめていました。

「僕に何か悪いことをする人じゃないよね?」「またあんな辛いことをさせる人じゃないよね?」

そんなふうにふわくんが訴えているようにも映りましたが、スタッフが抱き上げると安心するのか、体をすり寄せながらニンマリ。そのうちに腕の中でスヤスヤと眠ります。素直で穏やかなふわくんを前にスタッフは「必ず幸せな犬生へと繋げてあげたい」と誓いました。

「うちにおいで」の申し込みが

ふわくんは11歳。シニア犬なので月齢の若いワンコに比べれば、里親希望者とのマッチングのハードルは高めです。それでもスタッフは諦めず、ふわくんと寝食を共にし、世話を続けました。そして保護から2カ月が経過したある日、「うちにおいで」と里親希望者さんから申し込みがありました。この方は過去に何匹ものワンコと生活した経験があり、その上でふわくんの生い立ちを知り、「これからはうちで一緒にのんびり暮らそう」と声をかけてくれたそうです。

11歳にして出会うことができた「初めての家族」

正式譲渡前に実施したトライアルで、里親希望者さんはこれまでどこにも遊びに行ったことがないふわくんのために、お花見に連れて行きました。犬用リュックに入ってもらい、ふわくんはあちこちにお出かけしました。

こうした愛情を感じたふわくんもすぐに心を開き、めでたく家族になることが決まりました。

ふわくんはこの家族から「ななくん」という名前をもらいました。家族みんなからの愛情を一身に浴び、保護当初よりもはるかに表情が豊かになりました。もう不安げな顔をすることはありません。ふわくん改めななくん、優しい家族のもとでいつまでも楽しく過ごしてね!

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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