突堤育ちの猫たちをTNRと里親探しで救いたい 生き延びることができなかった死骸も 今なお棄てる人への憤り
まいどなニュース / 2024年7月1日 17時30分
和歌山市内の河川敷付近に実家がある男性が帰省中、突堤付近を散歩していると、不妊手術がなされていない猫たちが身を寄せ合いながら過ごしているのを目撃しました。
この場所は住宅街から離れており、地元の人でも散歩やランニング以外では訪れない場所です。ここにいる猫たちはおそらく人間によって意図的に棄てられたものと思われ、その猫たちが繁殖を繰り返して数が増えていることがうかがえました。
餌やりさんが来ている一方、猫の死骸も
男性は事態を憂慮し、地元の保護猫団体・城下町にゃんこの会に相談しました。団体のスタッフが現場に調査に訪れると、定期的に猫たちにご飯をあげる人がいる様子が見て取れましたが、その近くには生き延びることができなかった猫の死骸もありました。
心を痛めたスタッフは、まず突堤付近の猫たちの一斉TNRを決心。繁殖シーズン目前の今年3月、20匹の猫を一斉に捕獲し、不妊手術を実施しました。
術後、大半の猫は元いた突堤付近にリリースされましたが、状態の悪い猫や子猫は「保護」に切り替え、お世話をして「飼い猫」としての未来に繋げることになりました。
突堤出身の子猫の中には「ずっとのお家」に繋がった子も
保護された子猫のあおくんは、生後2カ月ほどでありながら人馴れしており、おそらく突堤まで餌をやりに来ていた人にかわいがられていたのではないかと思われました。後にあおくんは兄弟猫と一緒に優しい里親さんの家に迎え入れられ、現在は幸せに暮らしています。
しかし、今日もなお突堤付近には多くの猫たちが暮らしており、不妊手術をしていない猫も再び見られます。この状況は、人々がまだ猫を棄てに来ることを物語っています。非常に悲しい現実で、強い憤りを感じます。
この突堤付近の猫問題は依然として続いていますが、まずできることはTNRや保護です。不幸な場所で生まれ、行き場を失い、悲惨な末路を辿る猫が1匹でも減っていくことを願っています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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