小学生時代の粘土細工、父「間違って捨ててしまった」と再依頼 40代になった息子が準備したのは…「それ程大事なものだったんですね」
まいどなニュース / 2024年6月13日 7時15分
「義父から『〇〇(夫)が小学生の時に粘土で作ったトトロとねこバスを間違えて捨ててしまいました。もう一度作ってください』というLINEが来た」
デさん(@NamidaAfredel)がXに投稿したお義父さんからのLINEの内容に大きな反響が寄せられています。
「捨ててしまいました、ごめんなさいではなくもう一度作ってくださいって!?40過ぎた息子に!?!?」と家族でビックリ。そのときの様子を聞きました。
デさんの旦那さんのご実家に数十年間飾ってあったという「トトロとネコバス」。「突然無くなってしまったから寂しいのかもしれないけれど、ちょっと笑ってしまった」とデさん。リクエストされた旦那さんは「怖すぎる」と言いながらも父の願いを叶えるべく早速Amazonで紙粘土を発注していたのでした。
そして、材料を一式そろえ、約2時間くらいで成形を完成させていた様子。トトロの毛並やぷっくりした感じが細部まで表現され、あとは乾かして、色付けするのみ。
それだけに留まらず、ゴールデンウィーク期間を使ってネコバスや愛犬のニーチェくんも含め、すべて色付けをして完成させた旦那さん。トトロが持つ傘の小物までセッティングし、そのクオリティや質感、色味などはまさしく「となりのトトロ」の世界観そのものです。
デさんと旦那さんにお話を聞いてみました。
大人の財力、知識、スキルでもってリベンジを(旦那さん)
――旦那さんは早速紙粘土を発注されたのですね。
デさん:「面白いから作ったら?」と言ったら「えー」とか言ってたくせに…と届いた時には思いました(笑)。しかも粘土だけだけじゃなく本格的な工作用のヘラとかも買っていたので、本気じゃん…と。
――新たに道具まで!
旦那さん:Amazonで石粉粘土、アクリル絵の具12色セット、UVライトを。100均でヘラ、筆セット、アルミ針金、樹脂粘土、UVレジン(クリア)、ミニチュア傘…と制作に必要な道具は全て新たに買い揃えました。
――かなり本気を出されたのですね。最初に制作した小学生当時の記憶は?
旦那さん:3、4年生くらいのときに近所の図書館に展示されていたトトロの紙粘土ジオラマに感化され、夏休みの自由研究として制作することにしました。制作中にネコバスの頭や足が何度ももげ、トトロの耳ももげ、泣きながら作ったのを覚えています。
なんとか完成までこぎつけたものの、造形も塗りも図書館の展示品とは程遠い出来栄えでした。親は上手と褒めてくれましたが、自分の中ではもっと上手く出来ると思っていたので悔しかったのを覚えています。再制作依頼をすんなり受け入れられたのは、当時の悔しさがよみがえり、大人の財力、知識、スキルでもって悔いの残る作品のリベンジを果たしたいと思えたからです。
――完成した作品のクオリティの高さにびっくりしました。
デさん:もともと手先は器用で、「作って」というとなんでも作ってしまうタイプではあります。仕事が激務でなかなか普段そういう時間は取れないのですが、多分時間ができたらDIYとかをやりだすんじゃないかと。お義父さんが失くしてしまった元々のトトロも、小学生の作品にしてはかなりクオリティが高かったので小さい頃から器用だったんでしょうね。
――完成したトトロたちは既にお義父さんに?
デさん:まだ渡してません!(笑)。実家が少し遠いのと、なんかあげるのがもったいなくなってきてしまい…。夏に帰省するので(仕方なく)持っていこうと思います。LINEで写真を送ったら喜んでいました!
――お義父さんと旦那さんの関係性はどんな風に見えますか?
デさん:元々はそこまで仲のいい親子ではなかったと思うのですが、お義父さんも歳をとり体調を崩すなどもあり、夫も大人になり息子を持ち色々と関係性の変化があったと思います。今はお互いを思いやる関係になっていると思います。
――今回のエピソードに大きな反響がありました。
デさん:私自身も小学生の親なので、親が子供の作品を大切に思う気持ちは理解できます。皆さんのそんな思い出を引き出すエピソードだったのかなと思うと嬉しいです。親御さん世代の方も、たとえ失くしてしまっても再依頼すればいいのか!と思っていただけたら(笑)。
◇ ◇
この投稿が738万回表示され、「それ程大事なものだったんですね…時を超えてリメイクですね」「子どもの作品って捨てられなくて いつのまにか愛着湧いて間違って捨てたらワタシも作って欲しいな」「親にとっては『子どもの作品』ってのは「当時の記憶を呼び覚ます装置」でもあるから、見えなくなると忘れちゃうのがたぶん嫌なんよ」と、子どもの作品を大事にする親からの共感の声とともに、「力作ですね」「すごいクオリティ!」と作品そのものへの称賛の声が寄せられています。
我が子が作った作品を何十年も大事に飾っていたお義父さん、依頼を受けぼやきながらも当時を思い出しすぐに再制作に取り掛かった旦那さん、お二人の思いや優しさを想像して心が温かくなりました。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)
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