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小さな名車ホンダ・モンキー 原点は今はなき多摩テック 原型Z100は遊園地の遊具だった 

まいどなニュース / 2024年6月7日 18時30分

現行モデルの「モンキー125」

ホンダのレジャーバイクの筆頭「モンキー」。1967年の市販以来、国内はもちろん世界でも知られる小さな名車。2017年に旧タイプは生産終了になりましたが、2018年に「モンキー125」としてリニューアル。57年に及ぶロングセラーです。

このモンキー、知られざる秘話がありました。なんでも市販前のモデルは「かつては遊園地の遊具だった」そうです。ホンダモーターサイクルジャパンの内山史朗さんに話を聞きました。

「遊具」だった原型モデルがまず海外で評価を受けた

モンキーの原型となった「Z100」というモデルは1961年に誕生。当時Hondaが運営していた遊園地「多摩テック」の遊具として開発されました。「スーパーカブ」のエンジンを搭載し、気軽にまたがれるレジャーバイクとして人気を博し、多摩テックでのパン食い競争などに使われることがあったようです。

「当時のHondaは、『健全に日本国内のモータリゼーションを広げていこう』といった思いで多摩テックを運営していました。モンキーの原型のZ100の他、水陸両用車とか豆スクーターなどを遊具として開発し、園内でゴーカート感覚で楽しめるようにしていました。後に海外のモーターショーに出展されたZ100を見た海外の人から『これを欲しい』というご要望をいただき、後に輸出向けモデルを開発しました」

初期モデルはハンドルを折りたたんで車に積める仕様

なんと、モンキーは日本国内ではイチ遊具に過ぎなかったものの、海外での評価を受けて後に日本国内でも市販されるようになったというわけです。当時の輸出国はアメリカ、ヨーロッパでした。

「特にアメリカだと、広大な敷地や牧場などを持っている方が『敷地内でお子さんを遊ばせる乗り物』としてのニーズが高かったようです。結果的に1967年に日本国内で販売されることになったモデルも、ここまでの海外からの評価やニーズを受けて車載できる仕様でした」

特別な工具なしにハンドルを折りたため、車に乗せて移動。キャンプ地などのアウトドアレジャーの現場に着いたところでバイクを降ろし再びハンドルを起こして、現場でトコトコ乗って楽しむ。「モンキー」はそんなコンセプトの上で開発されました。

後に車載仕様モデルは廃盤になりますが、以降もレジャーバイクの代表として日本国内でも絶大な人気を博し続け、今日でも各時代のモデルともに中古車市場で高値傾向にあります。

旧タイプ生産終了の翌年に登場した125ccモデル

旧タイプのモンキーは、登場から50年になる2017年まで生産されましたが、ここでいったん生産終了になりました。モンキーに一度でもまたがったことがある人はもちろん、多くのミニバイクファンが悲しみましたが、翌2018年にはモンキー125というリニューアルモデルが登場。半世紀にわたるモンキーのデザインを現代風に昇華させ、さらに旧タイプにはなかった125cc仕様でした。

「2010年代の後半は原付2種の支持が高まっていました。そこで開発されたのがモンキー125でした。50年続いた旧タイプとは異なるものでしたが、それでも旧来からのユーザーの方も多く受け入れてくださいました」

「モンキーは今も変わらずレジャーバイクです」

当初は「遊具」として登場したモンキーですが、半世紀以上の月日をかけてホンダのレジャーバイクとして確固たる地位を築いたというわけです。

ここまでの変遷も含め内山さんは最後にこう話してくれました。

「現行の125ccモデルであってもモンキーは今も変わらずレジャーバイクです。当初の遊園地の遊具から形は変えても、今日にいたるまで私たちが考えるレジャーバイクとは『趣味の遊び道具としてのバイク』です。今後もモンキー125に気軽にまたがっていただき、楽しんでいただけるとうれしいですね」

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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