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10月から先発薬の自己負担額が上がる!対象は1000品目も→リアルな金額を薬剤師に聞いた「知らないと損する!」

まいどなニュース / 2024年6月20日 7時0分

「後発品」とは、すなわち今話題のジェネリック医薬品のことです(画像提供:中野昇さん)

「10月から自己負担額が25%上がる薬たち」

このコメントと共にX(旧Twitter)へ投稿された動画が話題となっています。投稿したのは、薬局で繰り広げられるさまざまな出来事をわかりやすく、面白く解説してくれることで人気の薬剤師・中野昇さん(@sho_molth)。

「この言い方だと語弊がありますね、先発と後発の薬剤料の差の25%が自己負担ですよー」とのツッコミに「ほんとですね!ご指摘ありがとうございます」と言い換えていますが、この投稿に多くの人たちが「ええっーー」「まじかいな」「たいへんだー」と反応。

気になる動画の内容は、知っておきたいことばかり!

約1000品目の薬が対象に!!!

「今年の10月から自己負担額が上がる薬が1000品目くらいあります。『ヒルドイド』『デパス』『モーラステープ』『リンデロンV』『ガスター』などなど、よく使われている薬がたくさん対象にあります(※1)」と語り始める中野さん。

※1)厚生省 長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について 対象医薬品リストより引用

約1000品目も対象とは……と驚いていると、その理由が明らかに。

「これなんでかっていうと、もちろん医療費を削減するためです。対象の薬は半分以上の人が後発品を使っている薬で、そういった薬は理由がない限り後発品にして、薬剤費を減らしましょうという方針なんです」

増え続ける日本の医療費を少しでも減らすため、国は理由がない限り先行品より安いジェネリック医薬品をできるだけ多くの人に利用してもらうよう、薬局に働きかけているといいます。この話は先日中野さんに取材をした「薬局で「ジェネリックに変更しますか?」どう答えるのが正解?」にて、詳しく紹介しています。

先発品と後発品の薬剤料差の25%が自己負担に!

約1000品目も対象!?どんだけよ……と驚いていると、さらに追い打ちをかける負担額の値上げ率の高さ!

「どれくらい増えるかでいうと、先発品と後発品との差額の25%が増えます!」

価格全体の25%分値上げではなく、先発品と後発品との価格の差額に対して25%分が値上げされるということです。でも、それにしても価格上昇感が否めません。しかも、対象となる薬の中には、一般的によく使われているものも多数。

「例えば『ヒルドイド』、3割負担の人が100グラム処方される場合、変更前555円→変更後813円。結構高くなりますよね」ヒルドイドは、一般的な皮膚疾患に処方される軟膏です。

「ただ、医療上必要だと判断される場合の先発品は、増額の対象じゃないのと、流通が悪くて後発品を使用するのが困難な場合なども除外するか国が現在検討中みたいです。後発品は効果が落ちるっていう声も、前回の『なんで薬局はジェネリックっていつも聞いてくるんですか』の投稿のコメントにも多くあったので、その場合とかは必要に応じて対象外になるかもしれないので、覚えておくとよいですね」

……と、今回も面白く&わかりやすく解説している中野さんの動画には、コメントがたくさん寄せられていました!

「物によっては後発品が合わない(その逆も)ことがあるので、その辺をしっかり相談できる薬局や薬剤師さんだとありがたいですね。子どもの薬でそのようなことがあり、薬剤師さんに薬を変えてもらった経験があります」

「ジェネリックが効かないって祖母が言ってた薬もあるのですがやっぱり合わないとかあるんですかね?」

「ジェネリックはメーカー変えても薬疹が出るので怖くてほぼ使えません」

これらのコメントからもうかがえますが、一部の人たちは先発薬でないと体に合わない人がいるのも現実のようです。そういったジェネリック医薬品がNGな人への対応や、負担額がどれぐらい増えるのかなどについて、中野さんに聞きました。

どうやって対象薬を知ることができる?

ーー今回の動画で紹介されていた薬以外に、どのような薬が対象か、知る方法はありますか?

「厚生労働省のウェブサイトにある『長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について』の対象医薬品リストを参考にしてみてください。風邪をひいたときによく出される『ムコダイン』や、花粉症などに使われる『アレグラ』など、ほぼ全ジャンルに対象薬があります」

ーー「先発品と後発品の価格差額の25%分、自己負担額が増える」ということですが、具体的に計算式を教えてもらえますか?

「3割負担という想定で、ヒルドイドの場合の計算をしてみますね。ちょっと複雑ですが、詳細にお答えすると、以下のように算出します。

処方量: 100g(※2024年6月13日現在の薬価 後発薬がニットーの場合で計算)
【先発薬】ヒルドイド:18.50円/g
18.50円/g×100g=1850円
【後発薬】ニットー:3.2円/g
3.2円/g×100g=320円

差額は1850円ー320円=1530円。この差額の25%が「選定療養部分」と言われるもので、そこにさらに消費税を加えた価格となります。
【選定療養部分】1530円×0.25=382.5円
【選定費用部分の消費税】382.5円×0.1=38.25円
【選定費用部分+消費税】382.5円+38.25円=420.75円 ≈ 421円

【3割負担基準額】1850円ー382.5円=1467.5円
【3割負担額】1467.5円×0.3=440.25円 ≈ 440円
【患者負担総額】421円+440円=861円

【現在のヒルドイド負担額】1850円×0.3=555円
【現在と10月以降の負担額差】861円ー555円=306円
この計算のように、ジェネリック医薬品ではなく先発薬のヒルドイドを使用する場合、現行の負担額から306円増加することになります」

ーー確かに一見すると小さな額にも思えますが、定期的に常用している薬の場合は、意外と負担額が大きくなりますね。それでも、諸事情により先発薬を希望することは可能ですか?

「医師の判断や薬剤師による判断も考えられます。本人の希望に治療上の正当性などがある場合や、医療上必要な場合などについては増額対象にしないということも検討されているようです。でもまだ、そこまでの詳細が告知されていないですね」

ーー今後もこうした値上げ対象薬が出てくる可能性はありますか? 

「あると思います。今回のものでいうと、大多数の方が後発品を使用しているものということなので、同じように後発品の使用比率が高い薬剤については、切り替えのための施策があると思います」

対象の薬は増えることがあれど、減ることはなさそう。自分の常用薬について不安や疑問がある場合は、早めに医師に相談しておくのが良さそうですね。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)

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