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「男女平等なんてウソ、騙されちゃダメ」母親の言葉に困惑 総合職目指す女子学生が直面する、キャリア観の世代間ギャップ

まいどなニュース / 2024年6月12日 12時10分

就職活動で直面した最初の「ジェンダーの壁」は自分の母親でした ※画像はイメージです(UTS/stock.adobe.com)

就職の採用面接で、女子学生はみんな「結婚・出産しても長く働きたいと考えています」と言っているけれど、心の中では「子育てに集中したい」「仕事をやめて専業主婦になりたい」と思っているのでは……そんな“思い込み”を持っている人、周りにいませんか?

特定の生き方や考え方について、みんなが同じように持っていると決めつけること自体が要注意です。これからの社会を担う女子学生が将来のライフスタイルをどのように考えているか、知識をアップデートしましょう。

専業主婦になりたい女子学生はどれくらいいるのか

出産を近い将来のこととイメージして「出産後も仕事を続けられるような環境」を求めて会社選びをする女子学生にとって、育児と仕事を両立するための支援や制度が整っている会社はより魅力的です。

育児休暇を取得・復帰後、時短やリモートワーク制度を使いながら仕事を続ける先輩社員の事例を見聞きする機会も増え、「妊娠したら退職」と考える女子学生は大きく減っています。

株式会社キャリタスが2024年卒を対象にした「キャリアプラン・ライフプランに関する調査」では、女子学生が希望する世帯スタイルについて以下のようなアンケート結果が出ています。

・夫が働き、妻は家庭にいる(専業主婦世帯)……5.5%
・二人とも働く(共働き世帯)......76.7%
・妻が働き、夫は家庭にいる(専業主夫世帯)......0.8%
・家庭を持ちたくない(独身世帯)......17.0%

実は、1993年生まれが中心の2016年卒者では「専業主婦世帯」を希望する女子学生は2割近くの17.8%いましたが、この8年で10ポイント以上減少しています。しかもその減少分は「共働き」が増えたのではなく「独身でいたい」が増えていることにも注目です。

心配してくれているのはわかるけど…

「就職したら絶対にひとり暮らしをしたい」そう決めて就職活動を始めたAさん(関東在住、20代、学生)の最初の「ジェンダーの壁」は自分の母親でした。

というのも、母親はいわゆる「女性総合職第一世代」。実は母親には、男女雇用機会均等法で女性総合職として入社したものの、男性同期と差がつく昇進の実態や、出産・育休を経て復帰した時の、冷ややかな職場の雰囲気に心が折れて、専業主婦になったという過去がありました。そのためか、自分の娘にはことあるごとに「男女平等なんて結局ウソ。騙されちゃダメ。手に職をつけるか、きちんとしたお相手と結婚するかどちらかね」と言ってきたのだそうです。

手に職がつくからと、母親は「看護大学」を勧めましたが、総合大学の経済学部を選んだAさん。将来の夢はマーケティングの知識を活かした仕事に就くことです。しかし、いざ総合職を目指して就活を始めると、母親は毎日のように「女性が総合職で働くことがどんなに大変で理不尽なことか」について語るように。あげくの果てに「こんなに心配しているのに、分かってくれない」とAさんを責めるようにもなりました。

「母も最初は仕事頑張ろう!と思って就職活動をしたんだろうな、と思うと可哀そうだとは思うんですけど、今は時代も変わってて、そんなに女性の総合職が目立つわけじゃないのに、いつまでそんなこと言ってるのかな?と思います」とAさん。「ひとまず内定を得てから、母親を説得します」と、就職活動を頑張っています。

会社によって、職場によっても働きやすさにはまだまだ大きな差があるのも現実ですが、ひとりでも多くの学生が、自分の希望に沿ったキャリアを選べるようになるといいですね。

【参考】
▽株式会社キャリタス/2024卒者「キャリアプラン・ライフプランに関する調査」

◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。

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