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10歳の白猫「謎の糖尿病」が奇跡の完治 病の原因は…仲の悪かったキジトラ猫の存在だった? 「病は気から」は本当か

まいどなニュース / 2024年6月4日 14時20分

ずっと病気だった白猫、元気になったのは…。※画像はAIで生成されたイメージです(ratatosk/stock.adobe.com)

日々の診療で、猫や犬の病気が判明してその説明をさせていただくと、「原因はストレスですか?」と聞かれることがよくあります。人間でもそうですが、ストレスで身体のさまざまな代謝機能や免疫機能が低下して病気になるということはあり得ると思います。ですが、ストレスが直接の原因と言うよりも「風が吹けば桶屋が儲かる」的な原因だろうと私は考えます。

病気になる原因はひとつでは無く、複数の要因が絡み合って発症するものですしね。しかし…。

私がこれまでの診療で一度だけ、これは「ストレスが病気の直接で唯一の原因だったのでは!?」と考えられる猫チャンにあったことがあります。

その猫は真っ白な雄猫で10歳でした。糖尿病になってしまったのですが、インスリン注射による治療を始めるも、全く血糖値のコントロールが出来ませんでした。インスリン注射をすると血糖値が下がりすぎて痙攣を起こしてしまう程の低血糖になったかと思えば、同じ量のインスリン注射をしても全く血糖値が下がらずむしろ爆上がりしてしまう時もあるのでした。

私は頭を抱えてしまい、猫の糖尿病を研究されておられる大学の先生に相談をさせていただきました。

が、その先生もお手上げでした。

そうこうしているうちに、白猫の同居猫、15歳のキジトラ雄猫が急にぐったりして食べなくなりました。このキジトラ猫は大変気が強くて大柄で、動物病院に連れて行こうとすると大暴れするため、14年前の去勢手術以降は一度も動物病院に連れて来られたことがないという強者でした。しかしこのときはかなり弱りはててしまい、ついに14年ぶりに動物病院で診察を受けることとなりましたが、治療の甲斐なくあっという間に天国に旅立ってしまいました。

そんな訳で白猫の診察はしばらくお預けになり、キジトラ猫が亡くなって3カ月ほどしてからやっと診察に来られたのですが、ナント!白猫の血糖値は何度測定してもいつ測定しても、問題のない値でした。つまり、糖尿病が治りました!インスリン注射は不要となりました!

飼い主さんにお話をうかがうと、白猫とキジトラ猫は大変仲が悪く、喧嘩をすれば体格的に小柄な白猫が大抵は折れていたとのこと。飼い主さんと、「白猫にとってキジトラ猫の存在は余程のストレスだったのだろう。糖尿病になっちゃうくらい…」という結論に達しました。

写真は、我が家の気難しい雄の白猫と元気で陽気な雄の茶トラです。この子たちも決して大の仲良しではなく、お互いの行動を監視しあっています。でも、ときどきこうして派手な喧嘩もしているので、「喧嘩するほど仲がいい」ということで糖尿病になることはないかなぁ…とは思っております。

◆小宮 みぎわ 獣医師/滋賀県近江八幡市「キャットクリニック ~犬も診ます~」代表。2003年より動物病院勤務。治療が困難な病気、慢性の病気などに対して、漢方治療や分子栄養学を取り入れた治療が有効な症例を経験し、これらの治療を積極的に行うため2019年4月に開院。慢性病のひとつである循環器病に関して、学会認定医を取得。

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