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また同じ場所に…棄てられた子猫47匹を保護 袋の口を結んだビニール袋も わずかな時間しか生きられなかったあなたたちを忘れない

まいどなニュース / 2024年6月10日 14時50分

小さいけど、命は命=NOKIさん提供

ビニール袋に生きたまま入れられていた子猫

アロちゃんは、2012年6月6日、千葉県在住のNさんに保護された。生後間もない赤ちゃん猫だった。Nさんは、アロちゃんを保護する前にもなぜか次々遺棄された赤ちゃん猫に出会った。

「場所は、千葉県大網白里市の白里海岸周辺です。九十九里波乗り道路という海岸に沿った道路があるのですが、ここのガード下とこの道路の下は草むらで、藪のようになっていました。妹と私がここにいた子猫たちを何度か保護しました。1度目は、スーパーなどで販売されている米が入っているビニール袋に4匹生きたまま入れられていました。袋の口はヒモできっちり結ばれていました」

Nさんは急いで袋の口を開き、猫を出して温めてながら動物病院に走った。

「目も開いておらず、まだへその緒も付いていました。家に連れて帰り、身体を温めてミルクを与え徹夜で世話をしました。翌日からは仕事の昼休憩の時に家に戻って様子を見たり、息子と交代したりしてなんとか都合をつけながら頑張りました」

ただ、子猫たちは1匹また1匹と、次々に亡くなったという。

1週間頑張って生きた子猫

Nさんは、その後すぐに生後数時間と思われる子猫3匹を保護した。そのうちの1匹は目に虫が湧き死の淵にいたという。

「病院の看護師さんと一緒にピンセットで虫を取り除きました。他の2匹は脱水、衰弱していました。この子たちは、一晩は鳴き声も出して元気そうに見えましたが、次々と息絶えていきました」

その次に保護したのが、アロちゃんを含む4匹の赤ちゃん猫だった。

「どの猫も全て同じ場所で保護しました。今はきれいに整備されていますが、あの頃は雑草が生えてゴミもあちこちに捨てられていました。その場所に今度もまたビニール袋に入れられた子猫が捨てられていて、同じように徹夜で世話をしたのですが、頑張っても2日間が限界でした」

3度目に保護した子猫たちの中に、一生懸命頑張ってミルクを飲んでよく眠り、起きると大きな声で鳴く子がいた。

「この子は助かる!!と思ったのですが、1週間後に眠ったまま静かに呼吸が止まりました。その子がアロでした。他の子猫たちは、実家の庭に深く穴を掘って埋めてお墓を作ったのですが、アロは1週間頑張って生きてくれたので火葬してキチンと葬式をしてやりたい、という息子の意見を尊重しました」

火葬をするには名前が必要だったのでアロと名付けたという。

「特に意味はなくて、ただなんとなく頭に浮かんだ名前でした。右側のピンクの方は成猫の大きさの骨壷なのですが、アロは小さな小さな身体だったので、子猫用の骨壷に全骨が入りました」

その後も同じようなことが続き、結局、Nさんは9月までに合計47匹もの子猫を保護した。妹は外を歩けば子猫を拾ってしまうので怖くなり、少し精神的にも不安定になっていたという。

「みんな明らかに人が遺棄した子猫でした。47匹というのは異様かもしれませんが、当時、この地域では猫を外で飼うことが当たり前だったので、同じ時期に猫の出産が重なり、子猫を見つけたら捨てるということが続いていたんだと思います。どんなに小さな子猫も命なのですから、育てられないなら親猫の不妊手術をしてほしいと思います」

葬式ができなかった他の子猫たちは、父親が菜園をするために買った広大な敷地があったので、そこに埋葬したという。捨てた人への怒りと助けられなかった子猫たちへの申し訳なさ、無力感はいまだにあり、可愛い子猫の動画を見ると複雑な感覚になる。

子猫たちを保護した場所は、今はきれいに整備されていて、捨て猫を見ることはなくなったという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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