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多頭飼育崩壊で、悪臭漂う室内から救出した猫たち→里親に引き取られ、美しい姿をとりもどす

まいどなニュース / 2024年6月20日 14時20分

ふんわりした被毛、目の輝きを取り戻したさしこさん=NPO法人ねこけん提供

悪臭漂う室内で暮らしていた猫とブリーダー

2020年3月、ペルシャチンチラのブリーダーが多頭飼育崩壊した。愛護団体NPO法人ねこけんが現場に立ち入ると、ほとんどの猫の目や皮膚に異常がみられたという。

「ブリーダーさんは廃業すると言っていました。体調を崩し入院をしなければならないほど病気が悪化していたらしく、猫のお世話もままならないようでした」

室内に入るためドアを開けると強烈な悪臭が鼻をつき、汚れた床の上で大きな毛の塊がうごめいていた。さらに奥へ進むと、あらかじめブリーダーに「病院へ連れて行って」とお願いしていた猫がいた。ブリーダーは、「明日連れて行きます」と約束してくれたが、その約束は果たされていなかった。

「最優先で保護しなくてはならない危険な状態の子でした」

メインの生活スペースのリビングには大型のケージが並べられていたが、どれも掃除や手入れをした形跡はなかった。さらに、ブリーダーは、糞尿まみれの室内に布団を敷いて寝起きをし、生活をしていたという。

「猫たちは同じ空間で生活をしていましたが、どの子も目や皮膚に異常がありました。それでも、繁殖用に飼われていたメス猫たちは妊娠していました。愛情をかけてケアさえできていれば、彼らは光を失うこともなく、体中の毛が引きつる痛みに耐える必要もなかったのです。やせ細り、じっと死を待つような状況になることもありませんでした」

メンバーたちは、「なぜ」「どうして」という感情を押し殺しながら、猫をキャリーに入れて行った。ブリーダーは廃業すると言いながらも、「落ち着いたら1ペアでも飼えないか?」と聞いてきたり、「私も食べないとならないから」と、ねこけんに差し出した数枚のお札を抜き取ったりしたという。

美しい姿を取り戻した猫たち

レスキューから1年数か月、ほとんどの猫たちに新しい家族ができたが、虹の橋へと旅立った子やいまだに預かりメンバー宅で生活している猫もいる。

そんな中、ねこけんに「『祝!』うちの子一周年!」という報告が届いた。そこには、レスキュー当時から全盲だっためめこさんが満面の笑みで写っていた。

メンバーのHARさんが預かっていたさしこさんも病院へ通い、手厚いケアをしてもらった。

「鎧のような毛玉を脱ぎ、マラセチアの治療や乳腺腫瘍の治療、貧血の治療など、私と一緒に乗り越えようとがんばってくれました。だんだん意思の疎通ができるようになったり、わがままを言えるようになったり、好きなおもちゃで遊べるようになったり、当たり前のことのようですが、この子達にとっては素晴らしい進歩です」

さしこにとっては、HARさんの優しい笑顔が何よりの薬。どんどん元の姿を取り戻していったという。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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