保護団体メンバーの勤務先に謎の電話 トイプードルを知人に託した飼い主のSOSだった 「一緒に死のうと思っていました」と女性は涙した
まいどなニュース / 2024年7月26日 17時30分
2024年春、北関東のある会社に電話がかかってきました。電話の主は高齢の女性でした。彼女は一方的に話し始めました。
「息子が飼っていた犬を引き取って育てていましたが、私は施設に入ることになり、飼えなくなりました。今は知人の家に預けていますが、なんとか助けてくれませんか?」
その会社の事業は動物保護とは無関係でした。しかし、不思議なことに社員の一人は犬保護団体restartdog LIEN (以下、リアン)の関係者でした。誰かに会社の番号を教えたこともなければ、勤め先を公表したこともありません。偶然に女性のSOSを受けることになったのです。
女性高齢者の話は本当?
リアン関係者が電話を代わり、詳しく話を聞くと、女性の説明はあやふやで、「イタズラ電話かもしれない」と思いました。それでも、もしその話が本当ならば犬のことが心配です。数日後、保護メンバーと共に女性から聞いた電話番号にかけ直しましたが、話は行ったり来たりで要領を得ません。
保護メンバーは一か八か「うちで引き取ります」と言いました。すると、電話の向こうで女性は突然号泣しました。
「私が太らせてしまったので、かわいい子じゃないかもしれませんよ。見てもらってダメならダメで大丈夫ですから」
「死ぬよりマシでしょ!」
半信半疑でしたが、保護メンバーはひとまず保護に向かうことにしました。女性が預けているという知人宅に着くと、確かにその犬がいました。女性の言葉通り太り気味ですが、人懐っこくかわいいトイプードルです。
しかし、犬がいたのは、吹きさらしの小屋の中。エサはフードが乱雑に置かれているばかりで、適切な世話はされていません。知人に話を聞くと、「この犬? ここに置いてるだけだよ! 死ぬよりマシでしょ!」と言い放ちました。
保護メンバーは言葉を失いましたが、冷静さを取り戻すと、すぐにこのトイプードルを連れ帰ることにしました。
「ワンコと一緒に死のうと思っていた」
このトイプードルの名前はりぼん。推定年齢11歳ほどのシニア犬で、幸い健康状態は良く、預かりボランティアさんにもすぐ懐きました。笑顔で甘えてくる性格良好のワンコです。
その後、保護メンバーは再び施設に入った高齢女性に連絡しました。「りぼんが元気に過ごしていること」「後にりぼんの余生に寄り添ってくれる里親さんを探すこと」を伝えると、女性はまた涙を流しました。
「本当はりぼんと一緒に死のうと思っていた。それまでに美味しいものをお腹いっぱい食べて欲しいと思って、与えられるだけ与え続けていました。でも、施設に入ってからもりぼんを思い出すと眠れなくなるのです」
保護メンバーはこの話に複雑な気持ちになりましたが、「新しい里親さんのもとでの余生が幸せになることを一緒に願ってください」と伝えました。
現在、りぼんはダイエットをしながら元気に暮らし、新しい里親さんとのお迎えを待ち続けています。この偶然の電話が、りぼんにとって幸せな未来への一歩となることを願っています。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
涙を浮かべる元繁殖犬のプードル 酷使された体にはいくつもの乳腺腫瘍と重い皮膚病 手術と治療と愛情で笑顔を取り戻した
まいどなニュース / 2024年7月27日 15時30分
-
引き取られたチワワの呼吸が荒い 「いつ死んでも…」判明した心肥大やフィラリア陽性 困難を乗り越えた先に幸せが待っていた
まいどなニュース / 2024年7月25日 15時30分
-
飼い主が死去 行き場と笑顔を失ったシニア犬 「最期を迎える日まで寄り添います」運命の人が現れた
まいどなニュース / 2024年7月23日 17時30分
-
「飼い主さんはどこに行ったのかな?」周囲をキョロキョロする保護チワワ 優しい家族に迎えられた矢先の悲劇
まいどなニュース / 2024年7月23日 15時30分
-
冬の東京をさまようシニアのトイプードル 視力はなく肺水腫で咳が止まらない 老犬を救った人々の愛と勇気
まいどなニュース / 2024年7月2日 17時30分
ランキング
-
1恋人としては良いけど… 男性が「結婚をためらう女性」の特徴とは
ananweb / 2024年7月27日 20時15分
-
2これは今すぐ試したい!岡山県が提唱する、驚くほど簡単で綺麗な桃の切り方とは。≪実際にやってみた≫
東京バーゲンマニア / 2024年7月27日 19時9分
-
3出会った男性は100人以上…「婚活中毒」な35歳女性。目当ての男性から避けられる“残念な理由”は
女子SPA! / 2024年7月27日 15時47分
-
4老眼も眼精疲労もこれで防衛できる…眼科医直伝どんなに忙しい人でも毎日続けられる"両目の自己回復習慣"
プレジデントオンライン / 2024年7月27日 10時15分
-
5「スバルのエンジン」何がすごい!? 他メーカーがマネしない「水平対向エンジン」が誕生したワケは? ただの「変態設計」ではない「必然性」とは
くるまのニュース / 2024年7月27日 15時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください