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ゴミ屋敷で4年も、小1息子と住むシングルマザー→意を決して「お片付け」 業者のビフォーアフターで、息子から感嘆の声!

まいどなニュース / 2024年7月4日 6時55分

4年にわたって蓄積したゴミ。なんとかしたいという思いはあるのに、母親が抑うつ状態で片付けられず…(YouTube「スッキリンお片付けチャンネル」より)

「4年前からストレスでゴミ屋敷になってしまったシングルマザーのお客様
子どものためにしっかりしないとという意識が強い分、自分を責めてしまい、次第に抑うつ状態に…
苦しくて悔しくてどうしようもない
どうしたらいいのかもわからない
お母さんの人生のリスタート」

家の片付けや不用品回収などの業務を営む【スッキリン】お片付けさん(@sukkirin_okataduke)がInstagramに投稿した動画に大きな反響が寄せられています。 

使用後のおむつが部屋いっぱいに積み上げられている様子からスタートし、食べ物の空き袋、空き箱、ゴミが入っているナイロン袋、ペットボトルの山で全く隙間のないリビングが映され、台所のシンクやその周りもゴミであふれかえっています。お風呂場も同様、洗濯機は使える状態になく、清潔な生活ができる環境ではありません。

「子どもが小学生に上がるタイミングで、ベッドや勉強机を用意してあげたいなと思ったけど、できないっていうことにすごく悔しくなってしまって…」と話すお母さん。

そこでまったく足の踏み場がなかった状態からスタッフさんがテキパキと清掃。作業終了後、部屋に入ったお子さんからは「え…えっ…!!すげぇ!!」と感嘆の声が上がりました。

今回の依頼者はシングルマザー。お子さんと3LDKの家に住んでおり、ゴミが溜まっていった最初のきっかけは、4年前の職場でのパワハラだったそう。

清掃を担当した株式会社スッキリン(兵庫県西宮市)の代表取締役である西岡巧貴さんと、同社で現場責任者兼YouTuberとして活躍される池上さんに、依頼主や清掃についてお話をお聞きしました。

「子どもに手料理をつくりたいのに」できない自分

「今回の依頼者は、『私がしっかりしないと…』という責任感や意識の強さを持ちながらも、職場でも家庭でも気が休まる暇がなく、疲弊し続けていったそうです。そんな中、緊急事態宣言が発出され、一気にネガティブな感情になったとお伺いしました」と池上さん。

感染防止のために親子で家に閉じこもり、「子どものために…」と思いながらも「ちゃんとできない自分」を責め続けた結果、抑うつ状態となり、次第に片付けや洗濯など身の回りのことができなくなってしまい、ゴミに埋もれる生活に。

苦しくて悔しくてどうしたらいいのかもわからなかったそうですが、「子どもに手料理をつくりたい」「勉強机を買ってあげたい」という思いと、「ご近所にバレないようにコソコソ生活させてしまっていた」お子さんのために、勇気を出してSOSを出されたとのこと。そして「同じように悩んでいる人に何か伝わることがあるなら」と、撮影に協力してくれたそうです。

インターホンが鳴っても恐くて、ドアが開けられない…

――今回のご依頼は何がきっかけで?

弊社のYouTubeチャンネルでは許可をいただいた家の清掃のビフォーアフターを紹介しているので、その内容をご覧になり、お問い合わせを頂きました。

――依頼者さんも様々な思いや不安、葛藤を抱えながらだったのですね。

まずご相談があってから初見・見積もりのためにお家に伺うのですが、その際に泣き崩れておられました。何かが弾けたというか…ゴミ屋敷の状態になって以来、インターホンが鳴ってドアを開けたのが初めてだったという印象です。恐怖心や恥ずかしさ、不安などがかなり溜まっていたように見えました。

――どのように見積もりを?

見積もり相談の時点で物量やゴミの種類などから経験則的にだいたい分かるのですが、実際にすべてのお部屋を見せていただいて今回は作業人数8人、所要時間7時間で見積もり、作業日程を決定しました。

今回の場合は、室内のほとんどが食べ物のゴミやペットボトルであり、依頼者さんが捨てるものと残すものを明確に認識されてらっしゃったので、実際のお片付け当日はもっと短時間で終了しました。ゴミの総量は2tトラック2台分くらいでした。

もちろん、過去には失敗経験もあり、作業工数の算出ミスや、物量の見積もりミスによりトラックに積み切れないといった場合もあります。こういった場合などは無料で追加回収しています。

――金額は?

税込で45万円です。経済的な問題から一括でのお支払いが難しい状況だったので、半額を頭金とし、残りを半年間で分割払いしていくことになりました。

完済していただく方が大半ですが、分割払いは支払いの遅延リスクや入金確認における事務作業の工数増加など、採算性としては低く、リスクも高いです。経営視点では慎重にならざるを得ない部分なのですが、弊社の事業の社会的意義を考えた上で、今回のような依頼は積極的に受けていきたいと考えています。

――家を丸ごと一掃する中で、一番大変だったことは?

大変だったポイントは2つあります。1つ目は「近隣住人の方にばれたくない」ことや、お子さんの小学校が徒歩5分ぐらいのところにあったため、「下校時間までに終わらせたい」といったご要望にお応えする事でした。

2つ目はお風呂場の掃除です。お子さんのし尿が固まってしまっており処理が大変でした。トイレ自体が「ゴミ箱」となってしまうため、詰まりが発生し、用を足せなくなってしまったのだと思われますが、メンタルを患っていらっしゃる方の家ではよくあるパターンです。

和室(おむつとタバコの部屋)が1番最初にゴミ屋敷化していたのですが、軽いゴミが中心で、依頼者さんが普段から殺虫剤を撒いていたこともあり、虫やニオイが無かったため作業自体の心身への影響や大変さはなかったです。他の現場ではやはり虫や害獣がいたり、臭いが強烈だったり、特殊清掃などかなり厳しい場合もありますので…。

――清掃後の嬉しそうなお子さんの様子がとても印象的です。依頼者さんのその後の生活などをお伺いする機会は?

今回は分割でのお支払いのため、月に一度コミュニケーションをとらせて頂いております。ゴミ屋敷は非常に再発しやすいため、お客様のご要望があれば弊社と提携している心理カウンセラー(臨床心理士)を付けていただく事も可能です。心の部分までの完全な解決を目標としているため、アフターケアなど片付け以外の部分にも注力しています。

やはり、「片付けを頼む」という所までが一番心理的な障壁が高い部分であるかと。実際に作業をしている中で立ち会ってくださる方は結構心を開いてくださる方も多く、その壁を超えると追加の依頼や「ここをこうして欲しい」など新たに依頼されることも多いです。

――場合によっては、福祉や行政へ繋ぐことも?

もちろんあります。生活保護を受給するための窓口や高齢者であれば地域包括支援センター、児童相談所など専門の窓口に繋ぐことはかなりあります。

――ちなみに、コロナ禍がきっかけとなった同様のケースのご依頼はこれまでにも?

非常に多いです。コロナ禍以降、ゴミ屋敷以外にも遺品整理(特殊清掃を含む)なども激増しています。

私たちの業界トレンドは人々のライフスタイルの変化に敏感なため、それだけ外に出られなくなった方や人とのお付き合いが減ってしまった方、例えば集合団地における老人会のゲートボール大会のような社交場が無くなってしまった方などが多いのかなと思います。

今後もゴミ屋敷(物屋敷や汚部屋を含む)の件数は増加していくと考えています。そのなかでどうやって解決していくか、様々な事情に徹底的に寄り添えるように尽力していきたいと思います。

◇ ◇

今回の動画は360万回以上再生され、
「なんとか子どもの為に、ギリギリのところで頑張って、掃除の為にお金も貯めたんですね。シングルで鬱病もあって、これはものすんごい努力で出来たことですよ!!」
「大丈夫、これから何度だって変えていける。こうやって行動起こしたんだから。孤独に感じると思うけど、お母さん独りじゃないよ。素敵なお子さんもいるから、頑張ろ」
「お母さんきっと、こんな部屋業者さんでも見せたくないと思っただろうけど、よく決断してくれたと思います。幸せになってほしい!」
「オムツの山ゴミの山など見ると相当臭いもあっただろうに…ここで幼い子が生活してたと思うと胸痛いですね…ママもとても辛かったと思います。だけどどんな時も【子供の為に】とお子さん優先に考え行動が出来て素晴らしいママさんですよ」
「福祉やこういったサービスは色々利用し、1人で背負わず頼っていい事だと思います」
「一人で抱え込まず周りの人に頼ってみてください 物理的にも精神的にも助けてくれるお掃除のお仕事、素晴らしいです」
など、親子の環境を心配する声、お母さんの勇気とこれからの生活を応援する声がたくさん寄せられています。 

この反響について西岡さんは「エンタメ目線で厳しいコメントを残していくパターンと、同じ境遇にあるシングルマザーの方が共感してくれたり、お母さんの立場に立ってメンタルの面にも寄り添ってくださるパターンと2つあるのだなと思いました。後者の方々は、身の回りでそういう環境にある方がいれば対処法を提示してくれたり、どうすれば良いのかとポジティブな方向に変えていってくださる方々なのだろうなと。たくさんの方が観てくださって、実際にこういう事例が存在するんだと認識してくださったと考えています。そういった意味でも動画を公開していく意義があることを感じられました」と感想を話してくださいました。

スッキリンでは今回の片付けの一部始終をYouTubeでも公開。前編・後編に分けて、お母さんへのヒアリングの内容やインタビューをはじめ、お部屋の状態と真摯に向き合いながらテキパキと片付けていくスタッフさんたちの様子、ビフォーアフターや費用についてなどを詳しく紹介しています。

一人ひとりの人生やその最期に寄り添うサービスを提供し、人生における新たな再スタートのきっかけをも担う「スッキリン」のお仕事。これからも動画を通してあらゆる角度から社会に一石を投じてくれるのではないでしょうか。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 真弓)

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