「11年もお外で頑張った」高齢の猫、待ち続けて…ようやく優しい里親さんとめぐり会い「もう寒い思いも暑い思いも空腹もなくなるね」
まいどなニュース / 2024年6月23日 8時30分
「11年もお外で頑張ったみーちゃん
里親さん今回、Xからお申し出いただき東京のお家に迎えて頂けることになりました」
11年間、お外で暮らした高齢猫に里親さんが見つかりました。高齢猫の名前は、みーちゃん(雌・11歳)。里親さんにつないだshizuyoさん(@shizuyo55)がX(旧Twitter)で報告しました。shizuyoさんは動物の保護活動にたずさわっています。投稿には、みーちゃんがつかんだ“幸せ”に喜ぶ人たちからたくさんのコメントが寄せられています。
「お外で頑張った甲斐があったね」
「里親様の所でこれからの猫生幸せでありますように」
「楽しい、余生が過ごせて幸せだね」
「もう寒い思いも茹だる様な暑い思いも空腹で辛い思いもする事がなくなるので本当に良かった!」
多くの人たちから祝福されたみーちゃん。これまでどのような“猫生”を過ごしてきたのか? 11年間、みーちゃんを見守り続けてきた餌やりボランティアさんにお話を聞きました。
8年前、犬の散歩道で「みーちゃん」と出会ったボランティア…毎日餌やりを続けてきた
――みーちゃんとの出会いは。
「私がみーちゃんと出会ったのは犬の散歩道、偶然でした。8年前、不妊手術もしていない状況で出産した後だったんです。たぶんお腹が大きくて捨てられたのかとも当時考えましたが、真相は不明です。子猫は里親に出されたとご近所から聞いたので、すぐに病院に連れて行き自腹で不妊手術をしました。また獣医師から手術時に3歳くらいといわれました」
――餌やりなど、お世話をするようになったそうですね。
「はい。みーちゃんのほか当時は合計4匹(全員不妊手術済み)いましたが、草むらや地べたに寝ている状況がかわいそうで。すぐに発砲スチロールで全員の子が避難できるベッドをつくり雨、風、寒さをしのげるように寒い日は何度かホッカイロを届けに行くように。それから一日も欠かさず朝晩見守り、ご飯やカイロを届けてきました」
――里親さんにつないだshizuyoさんとのご関係は。
「shizuyoさんが私のポストを見られて『個人ボランティアさんが大変だろう』と昨年ご飯とノミ取り薬など支援物資を送ってくださいました。shizuyoさんとはそれがきっかけでポストで猫たちのことなど毎日話す間柄になりました」
――みーちゃんはどんな猫ちゃんでしたか。
「みーちゃんは本当におっとりして他の年下の猫にも優しい子です。今回お世話をしていた3匹をまとめて里親に出せることになり、本当にうれしくshizuyoさんから電話をもらった時はバンザイってはしゃいでしまうほどでした。里親さんの以前からのポストを娘と二人で読ませていただき、こんな素敵な方に3匹を託せると感激して泣きました」
◇ ◇
投稿主は動物病院の管理者 Xを通じて病院の活動に共感してくれた里親さん
みーちゃんを里親さんにつないだshizuyoさんは、群馬県みなかみ町にある「みらい動物病院」管理者で、財団法人・環境動物福祉「みらい財団」代表の遠藤静代さんです。
「みらい動物病院は犬猫の不妊手術に特化、不幸な命を増やさないこと、家の子、外の子全ての動物が健康でいてほしいと願っています。ただ動物病院全般、健康に必要なワクチンやノミ駆除、フィラリアのお薬も高く飼い主さまの負担が大き過ぎると感じて。動物病院の値上がりが里親になることをちゅうちょさせる原因や多頭のセーブにつながることがないようにワクチン、お薬は原価を割り提供しています。原価を割った部分については『みらい財団』から補助という形で出しています。財団の社会貢献部分と動物福祉両方を満たしていると考え、実行しています。
また『みらい動物病院』の売上に関しては保護犬さん、保護猫さんに全額ご寄付しています。経費分も引いていません。経費分は財団が負担して節約より安全な医療を目標にジェネリックさえも使っていません。当獣医師は素晴らしい医師、技術ですが、100パーセントボランティアで従事してくださっています。みらい動物病院に大きな貢献をしてくれています。里親様募集に関しては今までも子猫から成猫まで無料で引取り無償譲渡で頑張ってきました。これは院長の小林良輔先生の長年の保護活動があり、できることだと感謝しています」(遠藤さん)
またみーちゃんの里親さんが見つかったのは、遠藤さんのポスト(X)がきっかけだったとか。
「私はXのポストで病院の活動、支援悩みや日常、喜び、悲しみと毎日つぶやいています、『みらい動物病院』の活動にご理解といつも励ましのリプをくださる方がポストに『私なら里親になりたいけど独居だから』と遠慮がちに書いてありました。それが里親さんでした。1匹でも引き取り、私の負担を減らしてあげたいと思ってくださったお気持ちと私は解釈しています。
例えば、4月に個人ボランティアさんの運営する人間に虐待された猫ちゃんたちのシェルターが大家さん都合で退去命令があり、行き場をなくしてしまいかわいそうなので全員の居場所をつくるのに私が急きょ古家を購入して生涯住めるところを提供していたポストなどを、里親さんが読んでくださったようです。
また里親さんのポストを見て、お考えや動物福祉に関して立派なご意見を持っている方だと尊敬していました。独居なら何かあれば私が引き取れば良いし、里親さんの年齢や健康といった明日の不確定な心配より、みーちゃんの今日を心配しようと餌やりボランティアさんに話すと同意見でした。ただ里親さんは慎重に選びたかったので、餌やりボランティアさんに里親さんの過去のポストを全て読んでいただき感想をきくと『素晴らしい人だね』とふたりの意見が一致して今回の里親さんにお願いすることになりました」
みーちゃんは11歳で高齢猫。子猫と比べて、里親探しが難しいと言われていますが…遠藤さんはこう訴えます。
「日本の社会は高齢化が進んでいます。そんな高齢者の方にも最期まで寄り添ってくれる猫ちゃんをおうちにお迎えしてほしい。そんな思いもあって、高齢猫ちゃんは子猫と違い飼いやすい、おとなしいなど良い面がたくさんあることをご理解いただくためにXでの発信をしています。高齢猫ちゃんがお外で寒さに震えることなく柔らかいお布団で優しい家族に迎えていただけるため、高齢者の方にもおうちにお迎えできるよう病院ではできるかぎりのバックアップをしていきたいと考えています」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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