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「メッチャ斬新!」高校野球和歌山大会で注目集めた“レゲエ校歌” 給与未払い、教職員ボイコット、生徒募集停止…苦難の高校の新校歌だった

まいどなニュース / 2024年7月19日 12時45分

野球部は現在10人のメンバーで頑張っている=和歌山南陵高校提供

「和歌山南陵高校の新校歌めちゃくちゃ爽やかなレゲエなんやけど!?!?!??これが令和の校歌なんか」

高校野球の和歌山大会を見たFM802のDJハタノユウスケさん(@Hatano_dj)がXに投稿したところ、同じく気になっていた人も多かったようで、大きな反響を呼びました。試合中継映像では真っ黒に日焼けした球児たちが爽やかなレゲエ調の新校歌を歌う姿が映し出され、多くの人々の心を打ちました。

斬新なレゲエ校歌への称賛

この投稿には、「メッチャ斬新、これを認める高校が凄いね」「校歌は数年に1回更新して時代に合わせてほしいとは思っていたので、こういう新しい校歌は羨ましい」「かっこいい!卒業式でこういう校歌流れたら号泣する」など、多くの称賛のコメントが寄せられました。「いいね」は12万件を超え、和歌山南陵高校の新校歌は一躍注目の的となりました。

困難を乗り越えて生まれた新校歌

和歌山南陵高校は、和歌山県日高川町にある高校です。2022年には給料未払いを理由に教職員が授業をボイコットする問題が発生し、理事長が交代、旧経営陣が全員退任するという激動の時期を経験しました。生徒の募集も停止されていますが、教職員への未払いの給与や滞納していた公共料金の支払いも目処がつき、経営の改善が求められる中で、新しい校歌の誕生が大きな希望となったそうです。

甲斐三樹彦理事長が「新しい校歌を作りたい」と旧知の仲であるレゲエミュージシャンの横川翔さんに相談。横川さんはその思いを受け、infinity16(インフィニティシックスティーン)、WARSAN(ワーサン)と一緒に無償で新校歌を作りました。

「校歌はどこも似たり寄ったりですが、その固定観念を壊して、生徒や保護者、地域の皆さま、誰もが口ずさめる校歌にしたかった」と語る甲斐理事長。熱い思いがレゲエ校歌に込められています。

新校歌は希望の象徴

今年6月6日に新校歌がお披露目されると、甲斐理事長をはじめ全員がノリノリで楽しむ姿が見られたそうです。7月16日に開催された高校野球和歌山大会2回戦には3年生のみ10人の全選手が出場し、4対0で紀北農芸高校に勝利。全員で校歌を斉唱する様子がテレビ和歌山で放送され、その斬新な校歌が大きな注目を集めることになりました。

新興の高校ではありますが、和歌山県では2年連続4強入りしていて、23日には伝統の強豪校智弁和歌山との3回戦が控えています。

観戦した同校の職員は「今なお生徒募集が停止されたままという苦しい状況ですが、これから頑張っていこうぜ、一歩一歩進んで行こうという思いが込められている歌詞が私たちにぴったり。感動しました」と語りました。

和歌山南陵高校の新校歌は、生徒や職員の希望にもなっています。これからも生徒たちがこの校歌を歌いながら成長し、学校全体が再び輝きを取り戻すことが期待されます。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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