「A中学はいじめが多い」? 中学受験の志望校選び…たった1つの「ネットの口コミ」に右往左往 “真実”を見極める方法は
まいどなニュース / 2024年7月27日 10時40分
みなさんは、子どもに関する情報、例えば学校や塾について何で調べていますか? 情報源として、インターネットや知人からの口コミなどがありますが、どの情報を信頼すれば良いのかよく分からないこともあるでしょう。親として最善の選択をしたいと思うのは当然のことですが、悪い情報を見つけてしまうと、それは本当のことなのか、思い悩んでしまうこともありますよね。
▽Tさん/40歳(都内在住)
ネットでいつも情報収集をしています。中学受験をする小学校5年生の娘のために、学校のことを調べていたところ、とある掲示板の学校の口コミをみてから、娘が志望している学校を変更したほうがいいのではないかと思うようになりました。というのも、娘さんが行きたいと思っていたA中学校に対して「学校の雰囲気が悪い」「いじめが多い」ということが書かれている口コミを見てしまったからです。
娘には、やんわりと「A中学校はやめてB中学校にしない?」というと、「絶対A中学校がいい、なんで急にそんなこというの。悪口言わないで」といい、急に私がA中学校を否定することに娘も困惑しています。私もいけないと思いながらも、どうも口コミがひっかかってしまいます。
子育ての情報収集 何でする?
SNSの情報に右往左往してしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
学研教育総合研究所が、小学生の子どもを持つ20歳~59歳の保護者を対象に行った調査をもとにまとめた「小学生白書2023」によると、「教育・学習に関する情報を何で入手していますか」との質問に、学校(33.9%)、インターネットの情報サイト(27.8%)、知人や保護者友人からの口コミ(26.0%)といった回答がありました。ネットの情報を参考にしている人が一定の割合でいることが分かります。
匿名だからこそ書かれている真実もある
ネットが全て嘘とはいいません。実名で書いてあるものもあれば、匿名のものあり、匿名だからこそ本音を書いているともいえます。しかし、ネットの口コミを利用する時には、皆さんも既にご存知のように「100%本当ではない」という前提のもとにみると正しい判断ができそうです。そのためには 以下のことをチェックするのはどうでしょうか。
▽ 1)誰が書いているかを想像してみる
書き込みの内容から、誰が書いているのか想像をしてみましょう。在校生?卒業生?外部の人? なんでこんな書き込みをしているのだろうと考えるといいかもしれません。口コミを閲覧する際には、誰が書いているのかを冷静に考えることが必要です。
▽ 2)偏った意見は、印象に残りやすい
極端に良い口コミや極端に悪い口コミは、頭に残りやすいのです。特にネガティブな口コミは、一部の個人の感情に基づいている場合もあるので、全体的な評価を見ながら判断することが大切です。
少しネガティブな口コミを見つけたら 「ほら、やっぱり」と思うようになり、次第に「そうに違いない」と確信に変わっていくのが早いので 冷静になりましょう。
また他人にとってネガティブな口コミも、取り方によってはポジティブになることもありますし、自分にとってはネガティブではない場合もあるので、どう受け取るか考えてみましょう。
▽ 3)情報の新鮮さを確認
かなり古い口コミもあります。学校は数年すると変わることもありますので、なるべく新しい口コミを参考にすることが重要です。最新の学校の公式情報と比較することで、より正確な判断ができるようになります。
参考として、自分が知っている学校を検索してみて 自分が知ってる事実と口コミがどう違うかを比べてみるのもいいかもしれません。 あなたなりの判断基準をもってみてください。
例えば「勉強量が多すぎて、ついていけない。青春が全くない学校」と書いてあった場合でも、「多すぎるというのはどのくらい?青春がないというのは個人の感想?」といった具合に、少し冷静になることも大切かもしれません。
◇ ◇
ちなみに、ネットの口コミ以外にも「知人やママ友からの情報」というのもありますが
その知り合いというのが、「ママ友の友達のまた友達」という感じで、もうそれが誰なのかわからない場合もありますので、参考として聞くのはいいですが、あくまで収集として考える前提で、たった1つの口コミに惑わされることがないようにしたいですね。
学校ではオフィシャルな学校説明会や見学会などがあります。口コミも参考にしながら、自分の目で確かめことでプラスとして使っていくようにしたいものです。
【出典】
学研教育総合研究所・小学生白書2023/子どもの教育・学習に関する情報を何で入手しているか
◇ ◇
◆くま ゆうこ ネットいじめ、ハラスメント専門家。株式会社マモル代表取締役社長。自身の強みであるWebマーケティングのノウハウを活かし、 いじめや組織のハラスメントを未然に防ぐシステム「マモレポ」を開発する傍ら、学校コンサルティング、いじめ・ハラスメントのセミナー登壇、執筆を行う。
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