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ディンプルキーも危ない!簡単に開錠されてしまう…空き巣の「バンピング」に警戒を 防犯のプロが語る最新対策

まいどなニュース / 2024年8月8日 7時20分

長期休暇の旅行中は空き巣の危険が迫る… ※画像はイメージです(ah/stock.adobe.com)

8月に入ったことで、子どもの夏休みやお盆休みなどの長期休暇を利用して遠出する人も多いでしょう。そして長らく家を空けるため「空き巣に入られないだろうか」と心配することもあるかもしれません。

しっかりと戸締りをおこなうのは基本的なことですが、そもそも備えつきの鍵を閉めるだけで昨今の空き巣による侵入を防ぐことはできるのでしょうか。決して怖がらせようとしているわけではなく、戸締りに関する最新の知識を得ることで、最悪の事態を防ぐきっかけになればと思っています。

こういった疑問を解消するべく、防犯アドバイザーや犯罪予知アナリストとして活躍する京師美佳さんに話を伺いました。

空き巣の恐ろしい技術「バンピング」

―熟練の空き巣になるとドアのカギなども開錠されてしまうと思うのですが、備えつきの鍵やチェーンだけでは開錠される可能性が高いのでしょうか。

電子錠でもスマートキーでもどんな鍵であろうと開かない鍵はありません。入ることができる時点で100%防げることはないので、少しでも安全に近づけるために、さまざまな防犯対策を施す必要があります。

現在、多く設置されている『ディンプルキー(防犯性が高いと言われる鍵の一種)』は『バンピング』という手口で数分で簡単に開錠されてしまいます。バンピングはピッキングなどと違い、合鍵のような物を使用して傷をつけずに侵入できるため、『もともと玄関が開いていたから物が盗まれている』という状況になってしまい(防犯カメラなどで映像があれば別)、戸締り忘れによる侵入と判断されてしまいます。

そのような手口を防ぐためには、鍵をできるだけ新しい物にする必要があります。現在は、バンピング対策をしている鍵もあるので、そういった鍵の購入も検討するべきでしょう。

鍵だけではなく、ドアロックやチェーンでも数分で外すことも可能です。そのことを踏まえて、ダブルロック以上の対策が必要です。

高層階でも油断は禁物!

―高層階であれば心配する必要はないと思いますが、例えば1階~5階のマンションなどの場合、窓からの侵入も考えられます。窓やベランダにおいて準備できる空き巣対策を教えてください。

そもそも「高層階だから心配ない」は間違いです。26階でも非常階段から上がって屋上から降りてきた泥棒に、ベランダから侵入されている事案もあります。また高層階でも、隣接するマンションの下から壁をよじのぼって侵入したり、大規模修繕が始まった際には、その足場を使って中層階に侵入されるということもあります。低層、中層、高層、どんな階であっても窓周りの対策は必要です。

まず意識してほしいのは、侵入までにかかる時間を長くさせることです。窓用の補助錠は100円ショップでも売っていますし、できるだけ多く設置してください。同じように数百円で販売されている防犯ステッカーも効果的です。例えそれが安い数百円のステッカーでも相手には防犯意識の高さが伝わるので、その結果、「補助錠がついているかな?」「窓アラームがついているかな?」と空き巣に心配させて未遂に終わることも多くあります。

窓アラームも1000円ほどで購入できます。設置すると窓を開けられた時、または窓ガラスを割られた時にアラームがなります。目撃されたくない犯罪者はその場を立ち去ることになるでしょう。アラームの音は『100dB(パトカーのサイレン音に近い音量))以上』が効果的です。小さすぎると周りに気づいてもらえなかったり、見てもらえないこともあります。

そして、防犯フィルムを貼る、もしくは防犯ガラスに交換することもおすすめします。その際には、ガラスの間に挟み込まれている膜の厚みに注目しましょう。

泥棒は侵入に5分以上の時間がかかれば諦めるという統計データがあります。なので、5分間侵入を防ぐためにも膜の厚みは『350μ以上』必要です。よくホームセンターなどでも『200μ以下のフィルム』が防犯フィルムとして売られていることもありますが、これは正しくいうならば『防災フィルム』です。

割れたガラスで足をケガしないために貼るような物なので、防犯効果は望めません。また30秒~1分半ほどしか持たないので、購入時には気をつけてください

些細なSNSへの投稿が空き巣被害のきっかけに?

―ネットやテレビなどの情報で恐縮ですが、空き巣は犯行に及ぶ家のポストなどに印をつけるという話を聞きました。こういった空き巣による目印をつけるなどの行為は、本当にあるのでしょうか。また、他にも似たような空き巣の行動があれば、ぜひ教えてください。

下見は必ずしますし、自分が次回犯行に及ぶ際にわかるよう、仲間同士で情報を共有できるように「マーキング」をして印を残す場合は多くあります。

例えばアルファベットで老若男女を表したり「家族で住んでいるのか?」「一人暮らしか?」「お金持ちか?」「何時から何時まで仕事で留守にしているのか?」などさまざまなことを記したりします。

また、下見の方法も多彩で、最近はGoogleストリートビューを使い、現地に行かないで下見をする場合もあります。中には駐車場に高級車が4台か置かれているのを見て、犯行に及んだ窃盗団もいました。気になる人は専用窓口に連絡をして、モザイクをかけてもらうなどの対策をしてもらうといいでしょう。

さらにはSNSの投稿も見られています。高級な旅行や食事、買い物などをアップしていると、目を付けられることもあります。SNSの利用にも注意を払うようにするべきです。

◆京師美佳(きょうし・みか) 防犯アドバイザー、犯罪予知アナリストとして、情報番組やNEWS番組などメディアなど多数出演。セキュリティ全般の知識を活かして講演や啓蒙活動もおこなう。2005年京師美佳セキュア・アーキテクト設立。2009年(社)全国住宅等防犯設備技術適正評価監視機構理事就任。建物の防犯診断、プロデュースなど幅広く活動をおこなう。「60歳から絶対やるべき防犯の基本」など著作多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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