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「親と一緒なら子どもはスムージー無料」京都の青果店、「おすそ分け」文化が今どきに…その仕組みとは

まいどなニュース / 2024年8月12日 7時0分

スムージーを提供するカウンター。来店した子どもは店に張り出されたチケットを使って飲める(京都市中京区西ノ京職司町・マルシェノグチ)

 親と一緒に買い物にきた子どもたちへ無料でスムージーを振る舞う青果店が、京都市中京区にある。原資は、別の客が事前に善意で購入したチケット。昔ながらの「おすそ分け」の気持ちが今どきの形となり、地域の中で子どもたちへ、親たちへと巡り始めている。

 二条駅近くのマルシェノグチ。野口泰亮さん(49)と忍さん(53)夫妻が2013年に起業、農家から直接仕入れた有機や減農薬などの野菜を中心に扱う。規格外野菜や熟しすぎた果物などを使い切るため、5年前からスムージーを販売している。近所に小児科病院や保育園などがあり、親子で購入する常連客も多い。

 1杯250円だったが、昨年末、原価高騰などから350円への値上げを検討。「今まで親子で500円だったが、700円となると、親は飲まずに我慢するかも」と悩んだ。その際、沖縄の店が来店した子どもにピザを無料で振る舞っていることを知った。事前に「子ども応援チケット」を客に購入してもらい、子どもたちはチケットを使いピザを食べる仕組みだった。

 野口さんも、自分の店で善意の気持ちを循環させる「こども応援スムージーチケット」の導入を決め、今年1月、知人などに50杯分のチケットを事前に買ってもらってサービスを開始。「無料」に戸惑う子連れ客も多かったが、「『それなら私も』と、次に来る子どものためにチケットを買ってくれる親も意外と多くて」。5月末までに200杯以上が振る舞われた。

 スムージーを飲んだ子どもたちには「チケットの裏に何か書いて」とカラーペンを渡す。すると「おいしかったです」などのコメントや笑顔の絵などを描いてくれる。中には「私もみんながえがおになれるしごとについて、みんなに『ありがとう!』といわれたいです」との書き込みも。野口さんは「知らない人からごちそうになり温かい気持ちになれば、誰かに返したくなる。自分のことで精いっぱいの世知辛い世の中ですが、温かい気持ちが回り回って、少しでも地域や世の中がよくなっていけば」と願う。

 こども応援スムージーチケットは5杯分1350円、2杯分500円。ECサイト「ツクツク!!!」内のマルシェノグチのページや店頭で販売中。今後は企業向けに地域貢献と社員の福利厚生を兼ねるようなチケットを販売するなど、次の展開も見据えている。

(まいどなニュース/京都新聞)

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