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クルマで運ばれ遺棄された?山奥を放浪するイングリッシュコッカー 老犬だけど元気いっぱいなあなたに幸せが訪れますように 

まいどなニュース / 2024年9月30日 17時30分

群馬県の山奥で放浪していたイングリッシュ・コッカー・スパニエルのガボット

群馬県の山村。この村に見なれない犬種の中型犬がヨタヨタと歩いていました。よく見れば、イングリッシュ・コッカー・スパニエルです。

本来は優雅な茶色の被毛みが特長ですが、その犬はボロボロに汚れ、ところどころに鎧のように固まった毛玉をまとっていました。

元飼い主が車で棄てに来た悲しい推測

人口の少ない山奥で、珍しい犬種のワンコを飼っている人がいればよく知られているはずですが、かなりの老犬です。老犬が遠方から自力でこの村に来たとは考えにくく、飼い主がこの村にやってきて棄てたと考えるのが自然です。

飼い主は、おそらく車に乗せて棄てに来たのでしょう。10年以上もの長い時間を過ごしたその人はどんな気持ちでこの老犬を車から降ろし、そのまま走り去ったのでしょうか。走り去る車を、老犬はどんな気持ちで見つめていたのでしょうか。

動物病院での検査結果は…

老犬は保健所に収容された後、保護団体・Delacroix Dog Ranchが引き出すことになりました。団体が設立後に初めて保護したワンコが老犬と同じイングリッシュ・コッカー・スパニエルだったこともあり、メンバーは老犬に特別な思いを抱き保護に迷いはありませんでした。

老犬につけた名前は「ガボット」。保護当初は汚れた被毛に加え、口からは異臭を放っていました。まずは汚れた体をきれいに洗い、被毛をカットして動物病院へ。ほとんどの歯が歯石が付着し、一部の歯がグラグラでした。外耳炎を患っていましたが、健康面での問題としてはこの程度でした。

他に重篤な病気はなく、適切な投薬とたっぷりの栄養で程なくして元気を取り戻すだろうという診断でした。

老犬でも「突っ走り」が大好き

程なくしてガボットは元気を取り戻し、本来の性格を見せてくれるようになりました。のんびり穏やかな性格で、他のワンコと争うようなところはありません。いたって協調性のあるお利口さんです。

ハイシニアとは思えぬほどの元気で、何かをきっかけに急に突っ走りだすこともあります。かと思えば、突っ走りをヤメ、電池が切れたようにバタンキューとぐっすりと眠ることもあります。若いワンコにはよくある行動ですが、ガボットは老犬でもまだまだこの感じがあり、言い換えればそれだけ元気なワンコだということです。

ワンコを飼ったことがある人ならわかると思いますが、急に突っ走ったりヤメたりのギャップはなんとも愛おしいもの。ガボットの寝顔を見て「救うことができて本当に良かったな」と胸を撫で下ろす団体メンバーでした。

もう一度人間を信じてくれることに期待

動物病院で推定されたガボットの年齢は13歳ほどですが、年齢を感じさせない元気なガボットは明るくて穏やかです。その余生に寄り添ってくれる家族との出会いを今日も待っています。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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