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「やっぱり飼えません」 トライアル先から戻された元繁殖犬は不整脈 ゆっくり散歩トレーニングを頑張ってるよ

まいどなニュース / 2024年10月16日 15時30分

里親希望のトライアル先から保護団体に戻されたミニチュアシュナウザーのトモちゃん

推定3歳ほどのメスのミニチュア・シュナウザーのトモちゃん。元繁殖犬で、これまでに複数回の妊娠・出産を繰り返してきたワンコです。

長崎県内のとある保護団体が地元の繁殖場に介入し、これまでに複数の繁殖犬を保護してきましたが、トモちゃんもそのうちの1匹でした。

「飼えません」と返された理由はトモちゃんの不整脈だった

保護後、トモちゃんの元に「うちにおいで」の声がかかりました。聞けば「シュナウザーだったら、どんな子でも良いから迎えたい」という里親希望者で、ほどなくしてトモちゃんはこの家でトライアル。ところが避妊手術のために受けた検査で、トモちゃんが不整脈であることがわかり破談。トモちゃんは再び団体に戻されることとなりました。

団体側ではこの時期、保護犬のキャパシティがオーバー。トモちゃんのお世話を改めてする余裕がありませんでした。これを受けて、トモちゃんを引き取ることにしたのが福岡県のボランティアチーム、わんにゃんレスキューはぴねす。長崎県から福岡県に移動し、団体代表の家でお世話を受けることになりました。

激しく体を動かすと呼吸が止まる可能性がある

代表の家に来てからのトモちゃんは、元気いっぱい。人間を前にうれしそうにピョンピョン飛び跳ねますが、獣医師によれば「激しく体を動かすと、呼吸が止まる可能性がある」とのことで、できるだけ興奮させないように接する必要がありました。

当初は家にいる先住の保護犬たちを強く威嚇。トモちゃんがガウガウと唸ることで、普段は穏やかな先住犬たちも応戦。喧嘩になってしまうこともしばしばありました。

しかし、トモちゃんが環境に馴れると、それまでの威嚇が嘘のように他のワンコたちと仲良しに。さらには他のワンコとも並んで寝る様子も見せるようになり、本来のトモちゃんが人間も他のワンコも大好きだということがわかりました。

さらに「洞不全症候群」の一歩手前という診断も

さらなる検査でわかったのが、トモちゃんが「洞不全症候群」の一歩手前であること。「洞不全症候群」はミニチュア・シュナウザーに多いと言われる、洞結節の働きに異常をきたし、本来の働きが低下すると徐脈や心停止が生じる病気です。

重度に至った場合は投薬治療だけでなく、ペースメーカーの挿入が必要になる大変な病気ですが、今のところは一歩手前。後に発症した際、これらの対策を行う必要があることがわかりました。

持病も含めて迎えてくれる「本当の家族」との出会いを待ち続ける

推定3歳ほどにして、繁殖犬という過酷な生活を送り、良縁に恵まれず、さらには重篤な持病も見つかったトモちゃん。

散歩はまだまだ苦手で、ハーネスをつけると大暴れ。興奮すれば呼吸が止まる可能性があるので、できるだけ興奮させぬよう、少しずつゆっくりと散歩トレーニングを行う日々を送っています。

こんなに明るく元気ながんばり屋のトモちゃんの元に、持病も含めて迎え入れてくれる「本当の家族」との出会いがあると良いなと思います。トモちゃん、持病に負けずいつかきっと幸せな犬生の一歩を踏み出してね。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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