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保護した子猫が教えてくれた“猫吸い”の幸せ 病気で歩行が困難、てんかんで失明も…大変な日々だけど楽しい

まいどなニュース / 2024年9月5日 15時0分

キジ白猫あるふぁちゃん

「歩けるように頑張ろう、ファイト!」の意味を込めて、「あるふぁ」という名前を贈った――。そう話す飼い主さんのhi_sn_8000さんにとって、愛猫あるふぁちゃんは人生で初めて迎えた猫です。

あるふぁちゃんは目が見えず、小脳に異常が生じて歩行が困難になる「小脳形成不全」。飼い主さんは出会った子があるふぁちゃんであったからこそ、一緒に暮らそうと思えたと言います。

TNR活動中に出会った親子猫が気になって

野良猫を保護して不妊手術を行い、繁殖を制限するTNR活動を行っていた飼い主さんは、2023年4月頃、あるふぁちゃんと母猫に出会いました。

「その時は、かわいい子猫だなぁと思ったぐらいでした。歩けませんでしたが、子猫だったので不思議には思いませんでした」

その後、飼い主さんは1週間ほど、あるふぁちゃんたちにご飯をあげていましたが、一向に歩けないあるふぁちゃんの姿に違和感を覚えます。怪我でもしているのだろうか。そう心配は募ったものの、住んでいる物件はペット飼育不可で保護は難しかったそう。

もどかしい思いのまま、しばらく様子見をしていると、あるふぁちゃんたちは姿を見せなくなりました。

「亡くなったのかな…、自然のことなので仕方ないなと思っていました」

「小脳形成不全」と診断されて…

ところが、2カ月後の6月23日。飼い主さんは偶然、あるふぁちゃんのお母さんと出会え、TNRのため捕獲。傍にいたあるふぁちゃんも保護し、TNR活動の時に頼っている動物病院へ駆け込みました。

「亡くなったと思っていた子猫が生きていたと分かって、なんとかしてあげたいと強く思いました」

病院では獣医師から「小脳形成不全」と告げられましたが、飼い主さんは前向き。

「当時は生後2カ月で 500gぐらいだったので、今後もしかしたら歩けるようになるかもと思いました。でも、病気も個性だと思っているので、特に気にはなりませんでした。むしろ、小脳形成不全のあるふぁでなかったら、一緒に生活することはなかったです」

飼い主さんは、あるふぁちゃんの飼育許可を貰うため、何度も不動産屋へ。部屋の片づけも徹底し、あるふぁちゃんが暮らしやすい環境を整えもしました。

「ケージは最初、猫用を購入しましたが、しっくりこなかったので犬用も買いました。かなり大きかったのですが、入れるとすぐに『出して~』と叫んでいました(笑)」

トイレも猫用では段差を超えることが難しいため、段差があまりない広くて浅いものを購入。

「帰宅して名前を呼ぶと、あるふぁは『にゃー』とお返事してくれるようになりました。1日も欠かすことなく。それが毎日の楽しみでした」

突然、愛猫の目が見えなくなった

ところが、2024年7月3 日、思いもよらぬ事態に。20時頃、あるふぁちゃんは突然、いつもとは違った鳴き声を発し、泡を吹いて痙攣や失禁。その後、失明しました。

病院でMRI検査をすると、てんかんの診断。飼い主さんは7月4日から14日まで仕事を休み、つきっきりで看病しました。

「動けず、寝たきりでした。正直、亡くなるのでは…と不安でした」

しかし、あるふぁちゃんの生命力は強く、7月20日頃からは普通の生活ができるように。飼い主さんはその回復力に驚きつつ、嬉しさを噛みしめました。

目が見えなくなってからは自力で水を飲むことが難しくなったため、飼い主さんはドライフードにウェットフードやお湯を入れて与えたり、1日数回シリンジでお湯を飲ませたりと配慮。一方で、トイレなど自力でできることは優しく見守っています。

飼い主さんによれば、あるふぁちゃんはトイレまで連れて行くと、自力で排泄をしてくれるのだとか。

また、ふらつきはあり、時にはぶつかったりこけたりするものの、部屋の中を自力で移動し、時にはダッシュもしてくれるそう。

「ヒヤヒヤしますが、すごいなと思います。配置が頭に入っているのかもしれません。帰宅時のお返事は目が見えなくなってから聞けていませんが、またしてくれることを願っています」

大変なこともあるけれど「幸せ」が勝る

心の底からあるふぁちゃんを溺愛している飼い主さんは一緒に眠りたくて、毎日布団まで連れていくそう。しかし、その願いはなかなか叶わず。あるふぁちゃんは猫らしい性格であるため、基本的には別の場所で眠ります。

「たまに一緒に寝てくれる時には、腕をペロペロしてきます。それが、すごくかわいい」

小脳形成不全や盲目、てんかんと色々重なり、大変ではないと言えば嘘になるけれど、それ以上に幸せ。だから、あるふぁも「幸せ」と思ってくれていたら、それでいい。

そう話す飼い主さんはあるふぁちゃんを迎えてからというもの、“猫吸い”の楽しさを知り、ハマってしまったそう。

「最初は、猫吸うって何?と思っていましたが、初めて猫吸いしてからは1日も欠かすことなく、吸っています(笑)」

互いを必要とし合い、愛を深める飼い主さんたち。その日常に、たくさんの幸がありますように。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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