子どもが「商売」と「お金」について体験できる野菜栽培キットって!?「おもしろそう」「スゴい目のつけどころ」
まいどなニュース / 2024年10月3日 11時40分
日々マーケティングや経済に関するさまざまな情報を収集してXに投稿している「なんぼー | Taishi nambo」(@architectizm)さんの8月27日のポストが注目されました。
「子どもを『お小遣いから卒業させる』という触れ込みの野菜栽培キット。
スゴい目の付け所…
・注文したら野菜キットが届く
・子どもは野菜を育てて、家族に売って収益を得る(アプリ決済)
・アプリ上では野菜以外にも、手伝いなどを売れる
・子供を経営者に
確かにサイクルを経験できる。」
この野菜栽培キットは「ユニコーンラボ」という商品です。お小遣いをなくして、子どもが室内で水耕栽培の野菜を管理して育て、両親や祖父母にその野菜を販売することで収入を得られるようにするというもの。販売は専用アプリでおこない、仕入れから野菜の栽培、収穫、販売を工夫しながら循環させることで「売上収入」や「利益」などを知ることができます。
今回この商品を紹介した理由について、なんぼーさんは「最近NISAなど国が投資を奨励するなど、以前と比べてあらゆる人にとって『お金の運用』が身近になっていると思います。また終身雇用の概念が減退し、スタートアップが増加する中で起業・経営も以前より身近です。そんな中で、子どものころから『商売』と『お金』に関して自然な形でエコシステムを体験できるこの仕組みがとても面白いと思ったのです」と話します。
また「私はもともとメルカリにいたのですが、メルカリでも、フリマアプリを使ってお子さまに商売を体験してもらうという施策をやっていました。早くから『自分が作ったものやサービスに需要がある』という体験をするのはとてもいいことだと思っています」と、自身でも使ってみたいと思ったそう。
この投稿に、さまざまなコメントが寄せられました。
「なるほどうち(農家)の子供の頃の『キャベツ出荷用段ボール箱組み立て1個〇円ひと束〇〇円』とかの普通家庭版」
「小学校の頃は、お手伝いでポイントを貯め多分欲しいものを買ってもらえるシステムだったのを思い出す。でも『お手伝いや野菜を売る』までは行ってなかったから面白いな〜と思ってる」
「まさに『魚を与えるのではなく、釣り方を教えよ』じゃんか」
「『世話するから犬飼って』とかいきなり言い出す前にこういうのやっとくといいかも」
面白い商品だという感想のほかに、使い方について疑問も寄せられています。
「競合(スーパーとか)との比較をされて買い叩かれる未来」
「野菜キット代は負債ということにするのかな?w」
「我が子は飽きっぽいから無理そう」
「『親がちゃんと約束を守って嘘つかない』が大前提」
商品を開発したのは、大学生が中心のメンバーです。2022年に話題になった重いランドセルをキャリーバッグのように運ぶアイデア商品「さんぽセル」を開発したメンバーと同様に、「悟空のきもちTHE LABO」がアイデアをサポートしています(「さんぽセル」についての記事はこちら)。社外取締役の永野弘樹さんにお話を聞きました。
野菜栽培キット「ユニコーンラボ」について聞いた
──育てやすく開発されたキットで、いろいろな野菜が18日くらいで収穫できるのですね。収穫したら、どうしたら高く売れるかを考えたりできるのも面白いです。
社会で活躍するために勉強ってすると思うんですが、ユニコーンラボは、勉強以外に活躍できる道を作るものって考えています。もちろん売買や経営で、社会や経済も学べますが、受動的な授業と違い、売上を上げる過程で、主体的に工夫し才能が育つというところが、一番新しいんです。
──今回の予約が6期ですが、これまでの反響は?
毎回生産分の予約受付の形式で、現在第6期(9月下旬納品分)の受付をしています。お客様へ送るほどに、利用者から 兄弟や友達、ほかの孫への購入など利用が広がっている状況で、発表以来ずっと、予約待ちが続いている状況です。まだお届けできていない分も含め現在、受注合計で約450台になっています。
──すでに一定期間使っている子どももいるのですね。
いまユニラボで工夫をはじめた子が、アイデアにめざめ、小学生ながら大人のビジネスコンテストに出て賞を取ったりもしています。
──一方で、親に「買い叩かれるのではないか?」というコメントもありました。
頑張っても、保護者側が不当に買い叩くと子供たちの収入は増えず、子供のやる気もなくなっていく…日本社会の縮図のようなことが、実証実験で起こり、確定チャージという方式を採用しました。
確定チャージは、お金を刷り流通量を増やす日銀など国の経済政策を参考にしていて、保護者側が一定額(1000円~)を毎月確定でチャージしてもらうことで、家族の経済圏内にお金が余りやすくなり、景気が良くなる(子供へ支払いやすくなる)といった循環で、毎月増える収支を見ながら、子供たちはやる気を出していきます。
──「フェアトレードの概念があるの何気に感心した」と言う人もいました。保護者や祖父母にしか販売ができないのですか?
保護者が招待した人でないと子どもから買うことはできないアプリ仕様ですので、基本的に子どもから買える相手は、保護者が認めた人のみになります。
──最初の野菜栽培キット(29800円)自体は誰が購入するのでしょうか。
どなたが払っているのかを把握はしていませんが、購入の問い合わせの4割程度は祖父母の方々になっています。SNSの声を見ると、両親が支払い、お子様に貸しあたえてキットの収益で子どもから毎月返済させることで、金融教育の一環にしている例もあります。
──紹介ページにもあったように、運用の仕方について家族で話し合ってコミュニケーションを増やすことも大切そうですね。
弊社代表も、小学生時代にお小遣いがなく、ケーキを親や祖父母に売っていた経験から、ケーキ作りの才能が開花してスイーツ系のSNSでフォロワーが65万人になりました。日本では否定的に考えられがちですが、「売ること」って良いことだと知っていただきたいです。
■なんぼー | Taishi namboさんのプロフィール
電通にてストラテジックプランナーとして活躍。その後上場前のメルカリに入社し、マーケティング/PRチームマネジャー、新規事業立ち上げのマネージャーを経て独立し株式会社manage4を立ち上げ。消費者トレンド・インサイトを横断的に分析しながらマーケティング戦略・ブランディング・事業開発の両面で事業成長を支援。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)
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