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職場で梨のおすそわけ→喜んでたら、ほとんどが「いらない」 その理由に愕然…家庭での「果物離れ」でも、パフェなら人気?

まいどなニュース / 2024年10月3日 7時0分

梨を“1人1つどうぞ”と言われて喜んだら…エッみんないらないの? 写真はイメージです(正之 倉金/stock.adobe.com)

「職場に“1人1つどうぞ”って梨が置いてあったので、喜んで選んでいたら“私は食べないからあげる”って人が何人もいて、たくさんもらえた。タダでもらえる果物を何でもらわないの? “剥くのが面倒”“そうそう、カットフルーツがいい”“ご飯のおかずにもならないし”…よく分からない」

介護福祉士として働く日暮れひぐれんさん(@higureshuuen 以下日暮れさん)は、この夏「果物離れ」を職場で実感。昨今は、金銭的な理由もあって、「くるま離れ」「旅行離れ」「和牛離れ」がありますが、無料でも欲しくないとは…。

X(旧twitter)で自らの体験を明かすと、約5.6万件のいいね!が付き、「ウチの職場で、柑橘類がたくさん置いてあった時にも同じ事が」との意見も含めて反響が続々。

「日常のささいなできごとをつぶやいただけなんです。なぜ、このポストが話題に?」と戸惑う日暮れさんに話を聞くとともに、実際に「果物離れ」が進んでいるのか、果実の生産者支援や消費拡大に取り組む公益財団法人中央果実協会(以下中央果実協会)の調査結果を紹介します。

皮むきが面倒だから食べない? 

日暮れさんによると、「わざわざ剥いてまで、家で果物食べない」と答える人たちが多く、梨の他に桃も余っていたそう。「私はいらないから、あげるよ」と言われ、日暮れさんは4つも余分に梨を持って帰ることになりました。「梨も桃も買えば高いのにな~って思いました。でも、面倒くさい方が上回るみたいです」。

持ち帰らない人の中には「自分で桃なんか剥いたことがない。親がやってくれないとできない」と話す人もいたそうで、「桃の皮は手でも剥けるよ」と伝えても持って帰る人は少なかったと言います。

「私は40代後半のおばさんだから(笑)、高い果物がもらえるなら喜んで持ち帰って、自分で剥いていただきます。でも、40代でも親と同居している独身の人は、男性も女性も持ち帰ってなかったですね。1つだけ持ち帰って、親に剥いてって頼むのもめんどうなのかな?そこまで詳しくは聞きませんでしたが」。

職場に置かれていた梨の個数は職員の数より少なかったはずなのに、3日ぐらい残っていたそうです。

今回の日暮れさんの投稿には、「果物って高いのに…喜んで持って帰る」「皮を剥く価値が、梨にはある」といった果物大好き派もいる一方で、「剥いてまで食べたいって思わないんですよね 」「うちの職場は、事務員さんが剥いてくれる。皮剥いてなかったら多分貰わない」「最近は皮ごとブドウとか、簡単に食べられるものに流れがち」など、やはり手間と感じる人も少なくない。

「フルーツが高くて買えないから始まったんだと思う。買えないから食べないを続けていたら果物を剥いて食べるって文化そのものが消失してしまった」「スーパーでも、カットフルーツが良く売れているそう」と原因を考察するコメントもありました。

果物を食べない人の理由とは?

農林水産省は「毎日くだもの200グラム運動」(たとえば、みかん2個、りんご1個がくだもの200gに相当)を提唱。また、厚生労働省の「健康日本21(第三次)」(令和6年4月から適用)では、令和14年度の果物摂取量の目標値を200グラムとしています。

中央果実協会が年に1度実施する果物消費アンケートの最新版(令和五年度果物の消費に関するアンケート調査結果)によると、果物を毎日は摂らない人にその理由を聞くと「他の食品より高い」「日持ちしない」に次ぎ、「皮を剥くのが面倒」という声がありました(※1)。

また、今後果物を食べる機会を増やすために「多少外観は悪くても割安な果物」「皮が剥きやすい、皮のまま食べられる、種がないなど簡単に食べられる果物(品種)」を望む声も。やはり、ひと手間がハードルとなっているようです。

買わないけれども…意外に若者が?

月1回以上果物を食べている人をベースとした調査では、果物を一日平均200g以上摂取できている人は、 全体の13.6%。興味深いのが、「1日平均200g以上摂取している割合を年代別でみると、『20代』がそれ以外の年代と比べて高めとなっている」という結果です。

ただ、厚生労働省の国民健康栄養調査によれば、20代の果物摂取量は全世代平均の92.5グラムのおよそ半分52.5グラムとなっており、20代の果物摂取量は全体として見ると、かなり少ないのが現状です。

購入頻度を見ても、全体では「ほとんどが買わない」が高く、次いで「週1〜2日」。20代は「ほとんど買わない」の割合が4割台半ばで、他の年代と比べても高くなっています。

そのなかで注目したいのがフルーツパフェのアンケート調査結果。1カ月に1回程度以下食べる人が7割台半ばも。また、フルーツパフェを食べる理由として、「甘いものが好きだから」「贅沢な気分になるから」に加え、「フルーツが好きだから」「フルーツパフェを味わうことで幸せな気分になるから」「季節のフルーツを味わいたいから」とフルーツそのものに魅力を感じる理由が上位に挙がっています。

そして、20代はパフェを「好き」と答えた人の割合が66.9%と、他の年代より高い結果が。「果物摂取量が200g以上の層」では、パフェを食べる頻度を「1カ月に1回程度」以上と答える人が3割に届きそうでした。さらに「果物摂取量が多いほど1000円以上の割合が高くなる傾向」となっており、そう考えると、フルーツパフェの値段と果物の値段の「高さ」への認識が異なるのかもしれません。

最近は果物が主役のスイーツ専門店で、桃がまるまる1個のっているものや、数え切れないほどのいちごが山盛りのフルーツパフェなどが登場しており、カフェでも季節限定でレア感を打ち出したフルーツパフェを提供。当然、SNSでもインパクトあるビジュアルが好まれ拡散され、行列になるものや、予約が取れないほどの店もあります。そういった店舗では、金額も2000〜3000円というのも珍しくありません。

例えば、1885年に創業、1900年から果実を専門としてきた「新宿高野」が展開する「タカノフルーツパーラー」。これまで静岡産マスクメロン、いちご、桃、シャインマスカットなど旬のフルーツを使ったパフェを提供し、季節限定メニューを楽しむ様子がSNSで続々と投稿されています。10月23日には、8店舗目となるアトレ吉祥寺店が開店予定で、オープニングメニューの「マスクメロンと岡山県産冬美白のパフェ」(2750円、10月23日~)を待ち望む声も。

また、「老舗青果問屋三代目がつくる秋のフルーツパフェ」が人気の「Adam's awesomePIE」は7月からフルーツパフェを開始したばかりですが、梨がまるまる1個トッピングされているなどのインパクトで、「お陰様で連日大好評を頂いております。創業70年の歴史で培った人脈や知識を武器に老若男女楽しんで頂けるパフェにして提供しています」とのことで、客層は女性を中心に幅広く、週末は行列ができているそうです。

その季節にしか出会うことのできない果物をパフェやデザート仕立てにして味わうことで、果物の魅力を再確認している人もいることでしょう。

果物は「おいしい、甘い、栄養も豊富」ですが、「自宅で自分で、皮を剥いてカットして食べる」ものではなくなってきている…。果物を多く食べている人は、果物の皮を剥くことを厭わず、そういった人たちがフルーツパフェを多く食べているという考察も。それと同時にSNSの反響や、フルーツパフェやフルーツに特化したブッフェの人気を考えると、剥かないけれど、食べたい人に向けての需要も感じます。

「果物をそのまま食べるだけでなく、フルーツパフェなど加工食品への利用を通じて、少しでも果物の消費が増えればいいと思っています」と同協会。日本には春夏秋冬それぞれに旬を迎える果物があり、海外から注目を集めるほどの魅力がある独自の品種も。ご自身のスタイルに合わせて、ぜひ味わってくださいね。 

(※1)公益財団法人中央果実協会『令和五年度果物の消費に関するアンケート調査結果』
全国から2062名(20~70歳未満の男女)を抽出 有効票:2000サンプル
調査期間:令和5年10月26日(木)~10月30日(月) 

■アダムスオーサムパイ(Adam's awesome PIE) 立川本店、東大和店

「本店」東京都立川市緑町4-5 コトブキヤビル204
「東大和店」東京都東大和市向原6丁目1413-5

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・宮前 晶子)

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