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クレーマーを一発撃退 魔法の言葉は「ご連絡先を教えて下さい」 企業のカスハラ対策あれこれ

まいどなニュース / 2024年10月6日 18時0分

「ご連絡先をお願いします」個人情報を求めると…

顧客が企業に対して理不尽なクレームをつけたり、威圧的な行動や侮蔑的な言動をしたりする行為「カスタマーハラスメント」。企業側もカスハラ防止のため、さまざまな取り組みを始めており、コンビニやスーパーなど、暮らしに身近な店舗の「接客の現場」でも対策が広がっています。

立入り禁止のチェーンとプラスチック防護板

Aさん(関西在住、30代、主婦)が最近「あれはいいカスハラ対策だな」と感じたのが、近所のスーパーのサービスカウンターの入り口に付けられた「立ち入り禁止」の看板と黄色いチェーン、それから銀行にカウンターにあるようなプラスチックの防護板です。

そのスーパーでは昔から「モンスタークレーマー」がレジやサービスカウンターで大声出したり、従業員に掴みかかったり、殴りかかる真似をするなどのトラブルが年に数回あり、パトカーが出動しているのを見たこともあったそうです。

「やっぱり、物理的に距離があるのって大事ですよね。それが付けられてから、従業員さんがクレームにきっぱり対応している感じがしますし、難癖をつける客も減った気がします」

確かに、暴行など重大な事件に従業員が巻き込まれるのを防止する姿勢があるお店のほうが、安心ですね!

防犯カメラの設置位置がポイント!

カフェを経営しているBさん(関西在住、40代、カフェ経営)は、ここ1年ほど理不尽なクレームをつけてくるお客様に悩まされてきました。

「珈琲が冷めていたんだけど!?」
「お釣りの千円札が皺だらけなんて失礼!!」
「今日は急いでいるのに遅い!」

大声で怒鳴るため、他のお客様もビックリしてしまうし、何よりどんどんエスカレートしてくのでは……と不安になったBさんは、防犯カメラを導入することにしました。

親戚のお店で防犯カメラをわかりやすく設置したところ、明らかにカスハラが減ったよという言葉に半信半疑でレジの正面にカメラを設置、モニターも見やすく配置しました。

設置した直後に来店したクレーマーはカメラを一目見て嫌な顔。その後クレームは時々言うものの、録音を気にしてか大声を出さなくなったそうです。

「ご連絡先を教えて下さい」が効果抜群

人気の居酒屋でアルバイトをしているCさん(関東在住、20代、大学生)は当初、モンスタークレーマーやカスハラという言葉に怯えながらも高い時給に惹かれて応募を決めたそうです。

確かに酔っぱらって気が大きくなったり、ちょっとした勘違いが増えたりといった「カスハラ」を招く要因が多そうな居酒屋ですが、Cさんの働く居酒屋ではしっかりしたカスハラ対策で大事になることはほとんどないのだそうです。

一番の対策は、カスハラの気配を感じた瞬間、他のスタッフが『お客様、大変申し訳ございません。事の経緯をしっかり確認して責任者からお詫びするため、防犯カメラの映像を確認後、後日お客様にご連絡させていただきますので、ご連絡先をお願いいたします』と申し出ることなのだとか。

「防犯カメラ」と「個人情報」という言葉に我に返り「いやいや、そんなに大事じゃないから…気をつけてくれればいいから…」と矛を収めてくれる人がほとんどだそうです。

さらにクレームを受けたスタッフ、間に入ったスタッフそれぞれに「慰労金」として30分分の時給がプラスされることで、Cさんは「またクレームこないかな~」とむしろ楽しみに。

ちょっとした工夫で従業員の「しんどさ」も解消できるなんてすばらしい職場ですね!

カスハラ対策や取り組み有無は「半々」

株式会社帝国データバンクによる「カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査」によると、カスハラや不当な要求への対応策や取り組みを実施している企業は大企業で57.4%、中小企業で48.8%、全体で50.1%と過半数を超えているものの、その具体的な取り組み内容にはバラツキもあり、従業員を守るための取り組みはまだまだ広がる余地がありそうです。

【参考】
▽株式会社帝国データバンク/カスタマーハラスメントに関する企業の意識調査

◆沼田 絵美(ぬまた・えみ)人材業界や大学キャリアセンター相談業務などに20年以上携わる国家資格キャリアコンサルタント。

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