車に轢かれた瀕死の子猫 亡き愛猫に似ていると聞き「うちに連れて帰って来て」 絶望の淵から家族の愛で奇跡的に復活
まいどなニュース / 2024年10月12日 17時32分
「本日、お昼過ぎに子猫を保護したと旦那から連絡が。とりあえず病院に連れて行ったが厳しいかもと。後はこの子の生命力にかけるしかない。頑張れ頑張れ」
8月4日、X(旧Twitter)ユーザーのちぱこさん(@Airu14Uni05)は、この緊迫したコメントとともに、車に轢かれ横たわる子猫の写真を投稿しました。この投稿は瞬く間に1.3万人の心をつかみ、多くの人々が子猫にエールを送っています。
この日に出会った子猫「うにちゃん」は、その後どうなったのでしょうか? 飼い主さんにその後の経緯を詳しく伺いました。
瀕死の子猫との出会い
うにちゃんは、女の子。飼い主さんが保護したときは、生後推定45日くらいでした。
「現在は、生後推定3カ月くらいになると思います」と、飼い主さんは語ります。うにちゃんが保護された時点で、非常に幼い命だったことがわかりますが、どのように命を繋ぎ止めることができたのでしょうか?
うにちゃんが飼い主さん家族の一員となったのは、投稿日当日のこと。その日の正午頃、飼い主さんの夫が交通量の多い交差点で道端に倒れている子猫を発見しました。
「急いで用事を済ませて再び、子猫のもとへ戻ると、男性がうにを助けようとしていたそうです。声をかけたところ、その男性は仕事柄、猫を飼うことができないことがわかりました。そこで、夫が保護することを決めたのです」
夫から連絡を受けた飼い主さんは、その子猫が5月9日に14歳で虹の橋を渡った愛猫「アイル」くんによく似ていると聞きました。「思わず『うちに連れて帰って来て』と夫に伝えました」と語ります。
当時、うにちゃんは呼吸が荒く、目を閉じたままで命の危機に直面していました。あいにくその日は、日曜日。市内の動物病院はすべて休みだったため、隣県の動物病院まで急いで連れて行きました。「『厳しいかもしれない』と言われた時は、本当に心配でした」と飼い主さんは振り返ります。
それでも、うにちゃんは奇跡的な回復を見せました。
命の危機を乗り越えたうにちゃん
翌日、飼い主さんと娘さんは市内の動物病院にうにちゃんを連れて行きました。
「車にぶつかった可能性がある。前頭部に血腫があり、しっぽが車に轢かれて力が無い状態」と診断され、治療を受けたうにちゃん。その後、家に戻り治療を続けていると、翌日には呼吸が落ち着き、さらにうちに来て3日目には目を開け、少しずつ動けるようになりました。「目が開いて動けるようになったときは、本当に驚きました」と飼い主さんは感動を振り返ります。
その後も懸命なケアは続きました。
「大変だった事は食事です。一般的に当時の月齢ならウェットフードを食べることができるはずでしたが、少量のミルクしか口にすることができませんでした。仕事を休むことができなかったため、家族全員で協力して交代しながら昼休みにうちへ戻ってミルクを飲ませるなどお世話をしました」と飼い主さんは、うにちゃんのケアに苦労したことを語ります。
また、保護してから2週間後、尻尾がちぎれてしまい、家族全員がパニック状態に陥ったとも話しています。「車に轢かれて尻尾が壊死したことが原因です。すぐに動物病院を受診し、投薬、軟膏処置、排泄物の洗浄などをしました」と当時の様子を振り返りました。
そんな困難を乗り越え、うにちゃんが元気を取り戻した時の喜びは、家族にとって忘れられないものとなりました。「うにが動けるようになって、走ったときはとても嬉しかったです」と語る飼い主さんにとって、その瞬間は忘れられない思い出になったようです。
先住猫もびっくり…元気いっぱいに成長中!
飼い主さんのおうちには、4匹の先住猫が暮らしています。14歳の「チッパ」くん、12歳の「トメ」くん、8歳の「武士子(ぶしこ)」ちゃん、推定12歳前後の「ブリオ」くんです。
新たに家族の一員となったうにちゃん、現在はどのような様子なのでしょうか?
「いろいろなことに興味津々で、触ったり飛びついたりしています。よく食べるようになって、体重も増えました」とうにちゃんの成長ぶりについて語る飼い主さん。特に「とても活発で、ずっとひとりで遊んでいます。最近は、娘の足を追いかけて一緒に遊ぶのが大好きです」と、うにちゃんの性格にも触れ、家族との絆が深まっていることを嬉しそうに話しています。
一方で、先住猫たちはまだうにちゃんに慣れていないようで、「うにが近くに来ると逃げたり、高い場所から観察したりしています」と、うにちゃんと他の猫たちの関係について飼い主さんは冷静に見守っています。
奇跡的な回復を遂げたうにちゃん。今では家族の愛情を一心に受け、少しずつ大きく、そして元気に育っています。これから、うにちゃんがどんな成長を遂げていくのか、そして先住猫たちとの関係がどう深まっていくのか、飼い主さん一家は楽しみにしています。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)
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