「算数80点、すごいですね!」…なぜこの人、うちの子の成績知ってるの? 『成績スパイ』親が潜む中学受験“情報戦”
まいどなニュース / 2024年12月5日 7時20分
今秋、韓国で社会現象を巻き起こした受験戦争を描くドラマ「スカイキャッスル」が、日本版としてリメイクされ、大きな話題を呼びました。名門校への進学を目指すセレブ妻たちが「敏腕受験コーディネーター」に依頼しながら繰り広げる“マウントバトル”は、一見ドラマチックに見えますが、実はどこか現実の延長線上にあるからこそ、多くの人の共感を呼んでいるのかもしれません。
塾の保護者会での出会い
神奈川県に住むSさんは、大学付属の中高一貫校を目指し、息子が小学3年生のときから中学受験塾に通わせています。塾には近隣の小学校数校から子どもたちが集まってきていて、近年の中学受験の盛り上がりもあり、同級生90人ほどが在籍しています。毎月1回クラス分けテストが行われ、成績別のクラス分けがあります。
5年生の中盤になってくると、クラスのメンバーはほぼ固定され、塾の友達は学校の友達以上に仲良くなっていきます。ある日、塾で保護者会が開かれ、Sさんも出席。息子の会話で度々名前が上がっていた仲の良い友達の親御さんと初めて対面することができました。
その親御さんは、夫婦揃って出席しており、見るからに中学受験に対して熱心な様子。軽い世間話をしているうち、衝撃の事実が明らかになりました。
なぜ知っている?ほかの子どもの成績
会話の途中、その親御さんが突然、「前々回のテスト、A君(Sさんの息子)は算数が80点だったそうですね。とてもすごいですね!」と言ってきたのです。
「え、どうして知っているの?」と心の中で叫びながらも、冷静さを装って「ありがとうございます」と答えたSさん。成績は子どもたちそれぞれの個人情報なはず。各家庭でしか分からないはずなのに、なぜ伝わっているのでしょうか。
しかも、その親御さんは「Bちゃんは下の方のクラスだったのに、最近、成績が良くなってクラスも上がってきましたよね」「Cさんはいつも国語の点数が安定してますね」など、次々とほかの子どもの成績について、話し始めたのです。
塾の情報戦争、裏で何が起きているのか?
どうやらこの親御さん、塾に通う子どもたちの成績について、こと細かく把握している様子。しかし、なぜそのようなことが可能なのでしょうか? 塾側からは、テストの成績で保護者が一喜一憂しないよう伝えられていたので、Sさんもあまり気にしておらず、まして、ほかの子の成績については興味がありませんでした。
最近、仲良くなった別の保護者から聞くところによると、この親御さんは、送迎時に子ども同士の会話から細かい情報を聞き出し、それを分析しているのではないかとのこと。聞き出して分析するなんて、それはもう「成績スパイ」といえるのではないでしょうか。
中学受験における“情報力”の重要性
Sさんがネットで調べると、「中学受験は子どもにとって厳しい戦いであると同時に、保護者間でも見えない情報戦だ」と書かれています。誰がどのくらいの成績で、どこの学校を志望しているのか。どの学校が人気なのか、どれくらいの成績で合格できるのか…。情報力のある保護者は、わが子の成績を伸ばすヒントを探るため、ほかの子がどんな勉強をしてどのように成績を上げたのか、真剣に調べています。
この親御さんのように、他の子どもの成績を知ることで子どもの受験を戦略的にサポートする保護者もいるのでしょう。Sさんは、我が子の成績のことを深く気にせず、ただ「頑張ってね」と言っているだけだったのですが、それでは中学受験の厳しい現実に対応できないのかもしれないと、少し不安になりました。
◇ ◇
この記事のように「なぜそんな情報を知ってるの?」と驚いたエピソードはありますか?
▼40代・東京都
友人のご家庭はお父さんが頭がいいようで、塾のテキストや模試の問題は全てお父さんが解いてから、分析して、娘さんに教えているそうです。
それは別にいいのですが、この前話した時に「〇〇中学は、2年前に理科は地学が出たから、今年は物理かな?」とか、「〇〇中学は、3年おきに理科は雲の動きがでる」などと問題の傾向をよく語ってます。どうやら過去問を全て解いて、学校毎に頻出の単元を絞り込み、細かく分析しているようです。しかも志望校の5校全て数年分も!情報を知りたいのはやまやまですが、私にはとてもできないです。
▼50代・神奈川県
うちの息子の塾の友だちのお父さんは、うちの息子の苦手分野を分析してくれました。会う度に「計算力をもっとつけるために、短時間で正確にできるように訓練したほうがいい」とアドバイスしてくれて、計算力が上がるテキストまで教えてくれて、塾の先生より適切でした。おかげで息子の算数の成績があがったので感謝しています。
ただ、どうしてそこまで詳しく知ってるのだろうと今でも不思議です。
▼40代・埼玉県
とにかく情報通なママ友がいました。受験ブログを読み漁っていて、「この参考書のおかげで成績が上がった」とか「この問題集がいい」等会う度にアドバイスをくれました。また塾では誰がどんな参考書を使っているか聞き出し、暗記してるようでした。自分が耳にした問題集は全て買っていたようですが、結局子どもはそれをこなす余裕はなくて、受験が終わった後、未使用のままフリマアプリで売ったそうです。
(まいどなニュース特約・松波 穂乃圭)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
最終局面の中学受験「気高き12歳に満開の桜を!」 無鉄砲な突撃は危険!終了組からのアドバイス
東洋経済オンライン / 2024年12月4日 8時50分
-
息子の志望大学、なぜバレた?…招待されたママ友LINE「京大志望グループ」に困惑する親たち
まいどなニュース / 2024年12月3日 11時25分
-
受験直前に朝型にするメリットは何もない 体調管理は大事だが、体調万全でも… 桜井信一の攻める中学受験
産経ニュース / 2024年11月30日 11時0分
-
偏差値40から60まで"乱高下"した中学受験の結末 転塾を経て迎えた受験本番で起きたこと
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 7時30分
-
勉強はいじめられないための"防具"だった…発達障害の息子が小学6年間「先取り学習」をした驚きの結果
プレジデントオンライン / 2024年11月12日 17時15分
ランキング
-
1ストレスによる「めまい」を改善する4つの習慣 「耳の治療」だけではなく、「心のケア」も必要
東洋経済オンライン / 2024年12月5日 8時20分
-
2ラーメン食べると「鼻水」が出る…どうして? 病気? 耳鼻科医に聞いて分かった納得の理由&抑えるコツ
オトナンサー / 2024年12月5日 6時10分
-
3新党結成を匂わせた泉房穂 その新著に記された改革への具体的ヒント「国民の負担を減らし、国民を笑顔にするのが賢い人間」
集英社オンライン / 2024年12月5日 8時0分
-
4脱エンジンのホンダ、「EVの加速」阻む厳しい現実 北米でEV販促費1000億円増、エンジン車延命も
東洋経済オンライン / 2024年12月5日 7時30分
-
5新型コロナ治療薬「ゾコーバ」「ラゲブリオ」、妊娠可能性の女性は慎重に…厚労省が医師に注意喚起
読売新聞 / 2024年12月4日 21時31分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください